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片瀬の日々  作者: STORM
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最終章第1話 新たな戦いの幕開け。戦いから解放されないオレ

「千秋、ただいま」


オレは帰ってきた。

長い物語だった。

だが、物語は完結する。

オレは最凶の妖刀を手にした。

だから、オレはもう千秋から離れる必要がない。

これからはもうずっと一緒だ。

ずっと・・・ずっと。


「駿、おかえりなさい」

轟騎の腕を治したばかりで千秋の顔をまともに見れていなかったからすごく久しぶりに見た気がする。

「全部終わった。オレがこの刀を掌握している限り世界は壊れることはない」

「壊れることのないこの世界を、私が平和にします・・・可能な限り。それが私の存在理由ですから。私にしかできないことは、私がするしかないです」


オレはオレの、千秋は千秋の存在理由を持っている。

でも、オレは本当はそう思っていない。

人は生まれてくるのに意味なんて持っていないんだ。

意味は自分自身で見つけるんだ。

オレはそう思う。

人は誰もが使命を持っているわけじゃない。

全ての人間は成長過程で存在理由を見つける。

存在理由を見つけていない段階の人間は非常に多いが、それでも人は誰しも生きたいと思う。

それが存在理由でもいいかもしれない。

だが・・・死んでもやりたいこと、これだけはどうしてもやりたいこと。

死のリスクを負うが、それが叶えられるとしたら。

そこで叶えようとする人間は、強くなれる。

死を恐れて逃げる人間は、強くはなれない。


「オレはこの先君の盾となる。そして、剣にもなる。それがオレの存在理由だ」

オレは千秋を守るためならば命をかける。

死んでも構わない。

だけど、千秋はオレの死を絶対に望まない。

だから生きる。

オレは生きる。

千秋の最期を見届けるまでは、絶対に死なない。

身体が衰えても、声が出せなくなっても、目が見えなくなっても。

絶対に千秋の声だけは最期まで聴き続ける。

そうでありたい。












だが、このあと世の中は上手くいかないと知る。









その夜、オレが眠っていると夢に龍が出てきた。


龍は言った。



「お前は戦い続けろ」



・・・と。















次に目を覚ました時は既に元いた世界とは離れていた。

ほぼ全てのものを失った状態で。

オレに残されたものはオレの横に置いてある妖刀と腕の中で眠る千秋。


オレ達は深い森の中に倒れていた。





「・・・目を覚ましたか?」

「え、ええ。ですが体が思うように動きません」

確かに、昔の状態に戻ったようだ。

千秋に限っては歩くこともつらそうだ。

「何でこんなに体が上手く動かないんだろうか」

「恐らく、ここは地球よりも重力が強いのでしょう」


少し歩くと、千秋は疲れ果てて歩くこともできなくなった。

重力強すぎっしょ。

オレは身体能力が上がっているため、動きに制限がかかってもそこまでにはならない。

「大丈夫か?」

「少し休んでもいいですか?」

「あ、ああ。別に急いでいるわけじゃないし」


絶対筋肉痛になるわ、コレ。

千秋もぐったりしてる。

森の中は抜けれなさそうだしなぁ。

猛獣とか出てこないといいな、人並みの力しか出せない今のオレじゃ勝てる訳がない。


「・・・そこの若いの、大丈夫かの」

なんだこのおっさん。

つかジーサン。

「彼女が疲れてしまったようですけど」

「正直にいいますが、疲れたというレベルではないです」

「そうかそうか。この世界の重力にはまだ慣れてないようじゃな。ワシも数十年前にこの世界に飛ばされてな。ここの原住民は大層優しく接してくれた。今じゃワシが原住民の長をやっとるくらいじゃ」

・・・フレンドリーだな、このジーサン。

「若いの、ワシの村に来るかの?」

「ああ、できればそうしてもらえると助かります。千秋、歩けるか?」

「まだ辛いですが、なんとか」

「ん〜、やっぱいいや。オレがおぶってやるよ」

オレは千秋を背負った。

「あ・・・あの・・・ありがとうございます」

「砕けた言い方でいいよ。それにこれは当然の行為だと思う」

オレがそう言うと、ジーサンがニヤニヤして言った。

「随分、仲がいいんじゃな。それでは、行くぞ」

ジーサンがゆっくりと足を進め、それに続いてオレも歩いた。







「この村の住人はみんな穏やかでな、旅人はみな歓迎するのじゃ」

確かに、オレが入ってきたとたん、村人は何も言わずに宴の準備に入った。

「ここの住人はワシらよりも小さな種族での、大人の平均身長が130cm程度しかないのじゃ」

「所謂ホビットって奴か」

そう言えばホビットが主人公の某指輪を火山に捨てに行くって言う物語があったなぁ。

・・・さっきの説明でタイトル入ってるし。

「この村は山に囲まれているが故に人は滅多に来ないから科学技術が遅れているんじゃ」

「それでもとてものどかですよ」

「確かに、昔の山中市を思い出させる」

「・・・それがこの村のいいところなんじゃがな」

昔の山中市よりも発展は遅れているが、それでも水車とかがあって昔ってイメージがある。

「ワシがここに来る前は戦後じゃったからな、物がなくて苦しんでいた時代じゃった」

「この間攻められたけどね」

「私たちの国は戦争は行わないので反撃はしませんでしたが」

その代りオレが潰しに行った。

そこでオレは三国時代に飛ばされた・・・。

だけどそのおかげでルインが手に入ったんだけどな。

「・・・そう言えばその刀の妖気はどこかワシが持つ槍の妖気に似ておる」

え?

オレが腰に差しているルインを指してジーサンは言った。

その他の刀は専用の箱に入れて背負っている。

「どのような槍なのですか?」

オレよりも先に千秋が言った。

「ぜひ見せてもらいたい」

「一見普通の槍なのじゃが、ある日突然五本の刃を持つ槍になっていたことがあった。そのあとすぐに戻ったんじゃがな」

五つの刃・・・槍・・・ブリューナクか。


多分最終章なので最終章にしておきました。

てか今まで章をを分けていた理由があったのかすらが疑問に思えます。

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