第11章最終話 「生きていたのか!?」的な展開
更新をすっかり忘れていました
「やっとできたな」
よくできたなぁ、たった1月足らずで。
駿ももうすぐ帰ってくるって言ってたし、すぐに見せてやることもできるだろ。
「学生の募集の時間もありますし、次のシーズンには開校できるでしょう」
千秋さんが嬉しそうな顔をしてこちらを向いた。
「ただ、やはり今でも妨害してくる人はいるようですね」
「・・・誰だ?」
気配は感じていた。
ここ数日、俺を張っていた奴。
「・・・お前は」
隠れていた奴はゆっくりと出てきた。
奴は隻眼であった。
「地獄って・・・どんな場所だか知っているか?」
なに、こいつ。
「・・・誰だっけ?」
「とっても暗くて・・・怖くて・・・苦しい場所なんだぜ」
シカトかよ。
電波入ってない?
「おい、ツッコミ入れろよ」
「お前に奪われたこの眼の存在がどれだけ大切だったか・・・お前には分からないだろうなぁ」
「だから誰だよ、お前」
「1月ほど前、お前にこの眼を奪われてから!!」
・・・あ、あいつか。
てっきり死んだかと思ってた。
「・・・死んでなかったの?」
「おい、そこは「生きていたのか!?」って言えよ」
おいおい、ツッコミは俺がやるから。
「確かに脳は狙ってなかったから・・・眼だけでよかったな」
徐々に俺は現在地から離れていく。
千秋さんを危険な目にあわせたら・・・俺が駿に消される!!
「死んで俺に詫びろ、小野寺!!」
「いや、小野崎だから」
よく間違われるんだよね、俺の苗字。
駿も昔間違ってたし、作者も今でも間違えるし。
「で、あんたは何しにきた?」
まあ、どうでもいいけど。
どうせ復讐とかそんなくだらない理由だろ。
「さっきの質問は取り消しだ。・・・どうやって殺されたいか?」
俺は腰にかけていたパイルバンカーを装着しながら言った。
「今の俺は誰にも倒せない・・・たとえお前でも!!」
「俺に勝てる人間は未だかつてひとりしか見たことがない。さあ、かかってこい」
挑発じみたセリフを吐いた。
俺はその時は何も考えていなかった。
一度倒した相手。
何も恐れることはないと思っていた。
だが、その考えは最初の一撃で吹き飛んだ。
俺に向かって飛んできた攻撃は、
「な、魔砲!?」
確かにあれは魔砲だ。
はやてさんに比べたらはるかに劣るが、あれは魔砲だ。
「この銃・・・黒いコートをまとった奴にもらったんだ。復讐するのであれば力を託すと」
魔砲。
禁術として扱われている魔術。
あれはあの装置が処理しているのであろうが、魔砲に近い働きをしている。
はやてさんが自ら行っている処理を全てあの機械が行っている。
つまり、その行動に意識を向けなくていい。
あいつは自由に動ける訳だ。
こっちは魔砲を避けるので精いっぱいだ。
元々遠距離戦闘は得意じゃない俺には圧倒的に不利。
30メートルまではパイルを飛ばして何とかできるが、今は100メートル以上離れている。
あそこまで行くのにかなり時間がかかる。
走っても走ってもあいつも逃げているから追いつけない。
魔砲は俺を追跡してくるから走るのに集中できない。
困った。
実に困った。
周りから魔力を断絶できれば、あるいは・・・。
俺ひとりじゃ絶対に勝てない。
スタミナも減っていく。
一発で仕留めないとこっちの体力もまずい。
一撃必殺・・・そんなのができたら苦労はしないのにな・・・。
一撃必殺・・・か。
一撃必殺・・・一撃必殺。
そう言えば説明書に書いてあったな。
リミッターを解除することでパイルの射程距離を5倍、威力を5倍、重量0.5倍。
ただ、デメリットもあり、メンテナンスに出さない限りパイルを射出できるのはたったの1度。
まさに一撃必殺。
この攻撃さえ通れば話は変わってくる。
パイルが射出できなくても俺は奴を殴れるだけで勝てる。
至近距離では恐らく駿よりも強い。
駿は刀を使う故にある程度距離があった方が戦いやすいからな。
骸たちの銃組もある程度離れていた方が狙いやすい。
リーチが短い武器ほどリスクは高い。
だが、それに見合うだけの価値はある。
やってみるか・・・。
俺は右腕についている武器に隠されたボタンを押す。
ガランと言う音とともに周りについていた余計なパイルやシールドが剥がれ落ちる。
俺の腕も危険と言うことか。
それは承知の上。
はじめから予想できていたことだ。
照準を合わせるのは困難。
狙うのは奴が次に魔砲を放った時。
今までの感覚からすると魔力の補充に必要な時間は20秒。
前回の発砲から8秒。
あと10秒ほどで次が来る。
そして発砲後奴は5秒の硬直がある。
その時に俺が失敗すれば、
俺の負けだ。
魔砲は飛んできた。
俺はわずかに横に避け、パイルを射出する。
俺はとっさに照準を合わせる。
硬直2秒目。
俺は奴への狙いを定めた。
硬直3秒目。
俺はトリガーを引く。
硬直4秒目。
パイルが射出された。
硬直5秒目。
奴が硬直から解放されたと同時にパイルは奴の心臓を貫いた。
奴は動きを止めた。
そしてとっさに俺は走りはじめる。
奴は待っていてもいずれ死ぬだろう。
だが、その前に被害を最小限にとどめておきたい。
既に周りのものが何箇所か破壊されている。
100メートル。
走りきるのには8秒程かかる。
俺は特別すぐれた人間じゃないんだ。
錬金術で肉体を強化しても、駿のようにこの距離を一瞬で縮めることなどできない。
多少力を得るだけだ。
でも、それだけあれば
「ダイヤモンドブレイカー!!」
リミッターを解除していない、左腕に装着されたパイルバンカーでダイヤをも砕く一撃を奴の脳に加えた。
脳震盪で済むはずがない。
頭蓋骨粉砕、もしくは脳破壊。
確実に死ぬ。
「駿みたいな奥義でもないのに技名を言うとは、なんたる厨二病」
言ってから後悔した。
ちなみに駿は技名を言う事でその技をイメージして発動する。
駿の師匠にもなればそんなことしなくても奥義は発動できる。
ようは、気の使い方だそうだ。
それに比べて俺は全く関係がない。
確かにダイヤを破壊する威力はあるけど・・・なぁ。
後日、右腕を検査したところ、骨が折れていた。
通常なら全治一ヶ月以上だが、駿の帰還後、エスナの能力で回復した。
遅れた理由はディスガイアのやりすぎですね、はい。
ここ数日まともに寝てません。
気付けばこの小説が始まってから一年が経とうとしてます。
それと同時にネタ切れ感が凄まじくなってきました。
というわけで強引に次の章で最終章になると思います。