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片瀬の日々  作者: STORM
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第10章第5話 開かずの間は人造人間の居住地。生贄は勿論、錬磨

「・・・この部屋はなんだろう」

鍵がかかってる。

今まで鍵がかかった部屋なんてなかったのに。

「これは鍵が必要だな!?このケースはどこかの宝箱から入手することが可能だな!」

RPGのやりすぎだ。

「さてと、このバカはスルーして、どうやって開けるべきか?」

オレが皆に尋ねると、


銃声が響いた。


「骸!?」

「まってろ、すぐに開けてやる」

うっわ、鍵の部分を乱射してる・・・。






「開いたぞ」

強引すぎないかな?

「それより・・・なんか不味い気配がするんだが」

刹那がそう呟いた刹那―――――――

「・・・刹那!危ない!」

見事に名前と一瞬と言う意味がかぶったが、言いたいことは分かるよな?

「え!?」

オレはとっさに身近にあったものを投げた。

「ぐぎゃあああああああああ」

悲鳴が聞こえた。

まあ、気にしないことにしよう。


それよりなんだこの機械は!?

・・・人造人間か?

人造人間っつっても今まで見てきたサイボーグとかとはまるで違う。

なんか・・・骨格だけを組み込んだ感じ。

恐らく話すことはできないだろう。


「駿・・・こいつ、大丈夫か?」

「え、こいつ?どれ?」

「俺を投げるな・・・そして、ぐふっ」

ああ、そうだったな。

刹那を助けるために錬磨を投げたんだった。

まあ、錬磨は不死身体質だから生きてるでしょうね。

くたばってもなお、水圧が押しかかっていないことを考えるとよく分かります。

「戦闘態勢ですかね」

オレは刀を抜く。

「駿、お前にはできないことをしてやる。しかとその眼に焼きつけておけ」

刹那が走り出した。


「龍影!」

刹那の刀、キリュウから大きな龍が飛び出し、刹那と共に襲いかかる。

「龍影煉獄!」

刹那の得意技、抜刀術をフル活用した奥義・煉獄。

刀を鞘から抜く瞬間に気を込めることで炎を纏うという(刹那談)

さらに、どうやって出したか分からないが、龍の幻影が炎と共に襲いかかる。

凄まじいコンビネーションだ。


・・・だが。



「まるできいていないだと!?」

「弾丸も命中はしているが・・・」

「弱点部位が見つからない」

刹那と共に、援護をしていた銃組のお二人もお手上げのようだ。

にしても、骸の銃の性能はイマイチ分からんが、亮平のバーニングエアレイドでも倒せないとなると、どれだけ強力な装甲を使っているのか。


「行動は人間に近い。なら、弱点は心臓か脳。動いているからにはその体を制御するものが必要だ。だいたいの生き物はその部分は非常にデリケートにできている。となると・・・頭を狙うか」

先から抜いていた刀を構える。

<おい、宿主。お前は気づいているか。あの娘は魔剣もしくは聖剣の使い方こそ知らないものの、妖刀に宿る魂の具現化ができている。お前にはできないことだ>

「技じゃなかったのか?」

<無論だ。奴を倒すには問題はないだろうが・・・ここを離れた時に教えてやろう>

「そうしてもらうよ・・・いくぜ」




脳を破壊するには・・・。


「駿、後ろっ!」

何!?


次の瞬間だった。

オレがいた場所は大きくへこんでいた。

瞬間的に避けたからよかったものの、当たっていたら死は免れなかっただろう。

・・・にしても・・・速い。


他のみんなも攻撃はしているが、全くきいている気配はない。


せめて動きさえ止めれれば・・・。

「おれが動きを止める!そのうちに内部から破壊するんだ!」

フレアがそんなことを言い出した。

確かに、動きを止めるには一番やりやすいだろう。

チェーンが腕を絡めとれば動きは鈍くなる。

その隙にオレが奥義やらなんやら使って一撃で仕留めるのがいい・・・はず。






「上手くいったぞ!」

暫く奮闘し、ようやく鎖で絡めとった。

上手く動きも取れないようだ。


「助かる!奥義・天地開闢!」


人造人間の体を大気ごと引き裂く。

斬り裂けているかどうかは謎だが、これを受けてダメージがないはずはない。

だが、この程度で倒せるような相手ではないことは承知している。


「まだまだ、二刀奥義・獅子奮迅!」


獅子を思わせるような勢いで襲いかかる。

激しい爆音とともに、奴の体の一部が吹き飛んだ。

あの形状からして恐らく頭だろう。

球状の体のパーツなんて頭以外に存在しないだろう。


「・・・やったか?」

「うご・・・かないな」

フレアが鎖を緩める。

そして骸が確認するかのように銃を撃ち込む。

「・・・死んだようだな。片瀬、やるじゃねぇか」

「当然だよ」

ちょっと調子こいて刀を地面に突き刺したその瞬間。







――――――――――――――悪夢再び。






金属がぶつかり合うような音がした。

「最後まで気を抜くな!バカ!」

え、頭のない状態で動いてますよ?

刹那さんに助けていただかなかったら恐らくあの世行きでしたね。

「駿、先はお前の奥義を見せてもらった。だが、止めを刺すのは吾の奥義!」

女性とは思えないような力で人造人間を吹き飛ばす。

奴は方向感覚を失っているのだろうか。

フラフラとあるいており、動きも遅くなっている。

これなら・・・攻撃も楽に当てることが可能だ。

「奥義・・・」


倒れている人造人間に凄まじい速度で襲いかかる。


「邪龍旋風刃!」


結果から言おう。

刹那はオレにはできなかったことを成し遂げた。

奴は大破した、跡形もなく。


刹那の抜刀術を駆使した奥義の威力は純粋にただ気を使うオレの奥義より強い。

鞘の中に溜めていた気を抜刀時に解き放ち、一瞬の威力がその一撃に込められるからだ。

一方オレの剣技と奥義は、ものにもよるがほとんどは連続攻撃だ。

それゆえ、一撃に込められる気の量は劣る。


オレも刹那から習った方がいいかな・・・抜刀術。


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