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片瀬の日々  作者: STORM
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第9章第5話 表があれば裏もある。裏継承者の狙いはオレ

大丈夫みたいだな。

中には危険なものも不審者もいないし。

中にいるのはメイドが数人、執事が一人。


「千秋のところに行こうか」


落ち合う場所は千秋の部屋。

待っていればいずれ来るだろう。


そう思いつつ、千秋の部屋に入った。







数十分待ったが、一向に千秋が現れる気配がない。

しまった、梨瀬を預けたままだったか。

妖刀を1本持たせておけばよかった・・・。

いざというときは彼らが守ってくれるし。

一番いいのはシロガネだっただろう。

彼は一番忠実な男の騎士だからな。

それでもリアにも捜索は頼んであるからリアが何とかしているはず。


「行くべき・・・か」


オレは部屋を出ると、千秋が向かった方向へ走って行った。










ある程度走ると、何かがぶつかり合うような音が聞こえた。

その方向へ向かうと、扉がひとつ。

その先から音が聞こえる。

扉を開けると、リアと何者かが戦っていた。

リアはやはりゲイボルグで、もう片方の人物は・・・!?


「あれは、妖刀!?」


もう一人の人物は妖刀を二本所持していた。

何故持っているんだ?

「あれはカスミとゲッカですね。漢字では霞と月下、と書きます。二本でひとつの妖刀と考えてよろしいでしょう。あれの真の姿は干將と莫耶です」

干將と莫耶か。

双剣使いには持ってこいの刀だ。

あいつが相当な腕だったらリアが・・・。


「奥義・鴻漸之翼!」

なっ!?

何故あいつがあの技を!?

「あれは先ほど君主が使っていた技ではないですか」

「ああ、この時代でオレ以外に使える人間はオレの師匠だけのはず・・・。二十代目までは既に死んでいるし。見た感じあいつは女だが、はやて姉もリズもこの技は修得していないはずだ」

女で師匠より後の人間・・・。

まさか・・・。

「まさか、洸か!?」

「いや、違います。彼女とは違う気配を感じます」

そうだ、ハヤブサは以前あいつとはあったことがあったからな。

一体誰なんだ?


「くっ!」

リアが!?

吹き飛ばされた・・・どんだけつえぇんだよ、あいつはよ!!

「オレが出る!」

オレはハヤブサを手に取ると、エクスカリバーへと変貌させた。

両手剣ってのが多少使いづらいが、無理になら片手で使うこともできる。


「てめぇ、何者だ!?オレの流派の技を使うなんて!?」

「なるほど、あなたが片瀬駿ですか。武器を納めてください」

謎の少女が刀を仕舞う。

オレもハヤブサを仕舞って、彼女と向き合った。


「まずは自己紹介からさせていただきましょうか。私、鶴谷(つるがや)真琴(まこと)、と申します。私とあなたは現在二十二代目の継承者です」

どういうことだ?

オレしか継承者はいないはず・・・。


「私は影の世で生きてきた裏の流派の者です。二十一代目を争う際、候補者二名は奇跡的に同じ奥義を編み出したのです。それ故、彼らは純粋な剣の腕で決着をつけ、片方は表、片方は裏の継承者となったのです。そして、私は裏の継承者。私が編み出した奥義、それは天変地異。それをあなたに見せつけて、私は表の継承者になると、師匠に誓ったのです」


長い説明ありがとさん。

それにしても継承者であの師匠より弱い奴がいるとは驚きだ。


「悪いが、それは譲れない。天変地異を生み出したのはお前だということも分かったし。別に恐れる者はないさ」

「ここで決着をつけますか?」

「それでもいい」


オレ達は互いに離れ、剣を抜く。

「今はオロチを使いなさい。彼女にはエクスカリバーは通用しない。見た限りスピード重視の様ですから」

ハヤブサのアドバイスを聞き入れる。

確かに、両手剣のエクスカリバーよりも片手剣の方が扱いやすいしな。

多少重さはあっても、オロチの刀身はイザナギたちよりも切れ味はいいし。

「オロチ、真の姿になってくれ」

「ったく、仕方ねぇな」

この声を聞くのも久しぶりだな。


オロチが赤く燃え盛り、剣へと変貌する。


「炎の魔剣・レーヴァティン!」


これが、オロチの力だ。

「世界を焼き払う程の火焔を生み出す魔剣の様ですね」


真琴は剣を三本取り出し、二本の妖刀に加える。


五刀流。

始めてみる・・・。

今まで相手してきた剣士は全て一刀流だったから、新鮮な感覚だ。


「あなたに私を倒すことはできません。私は、悪魔と契約しているのですから」


奇遇だな、オレもだ。


「そうか、なら気をつけないとな」


五本の刃がオレに襲いかかる。

五本だろうが、関係ない。

オレの魔剣で焼き払うまで!


「奥義・獅子奮迅!」

二本の妖刀で獅子のような覇気を巻き起こす。

普通の人間には止められぬほどの爆風。

刹那でも止めるのは至難の業だっただろう。


「迎え撃つ!真奥義・ダイアモンドダッシャー!」


大地を走る一斬りが穿つ。

大地の咆哮は、剣の魔力を受けて龍の吐息の如く、炎の道も作りだした。

「獅子奮迅を!?」

流石は悪魔と契約した少女だな、ダイアモンドダッシャーを回避するとは・・・。

計算が若干狂った。

「奥義・百花繚乱!」

「無駄だ、ネクロワールド!!」


オレは攻撃を打ち消し、その攻撃を真琴が避ける。


「キリがないな」

「仕方無いですね。あなたの奥義と、私の奥義。どちらが強いか、ここではっきりさせましょう!」


お互い剣を構える。





「奥義・天変地異!」

「奥義・クリムゾンエタニティ!!」


大災害と、灼熱地獄が部屋を荒す。


「後で千秋には謝らないとな。レーヴァティン。オレに世界を焼き払うその力を貸せ!」

「負けて・・・たまるかっ!師匠と約束したんだ、確実に片瀬駿を倒すと!!」


無駄だ。

お前とオレでは何もかも違う。

人間よりどれだけ上の存在か。

そして妖刀の力。


一番の違いは、奥義の出来だ。


そんな全体攻撃じゃピンポイントで狙うのには向いてはいない。

それに天変地異は、既に修得している!


「劫火に身を委ねろ、すぐに楽になる」


三本の刀はすぐに融け、水よりもさらさらとした鉄に姿を変えた。


その時点で、オレは剣を納めた。

「女を殺すほど、オレも堕ちてはいないさ」

「よ、よく・・・そん・・・な、恥ず、かしいセリフ・・・が、はけるな・・・」

この状況でよくそんなことが言えるな。

オレは魔法使いじゃないんだぞ?


お前を今から生かすことは無理だ。

今なら応急処置をすれば助かる。

しなければ死ぬ。


「た・・・すけ・・・て・・・」

「オレは魔法使いじゃない」

「そ、んな・・・情報が・・・違、う・・・」

「だが、召喚師ではある。今から天使を召喚してやるさ」











彼女は一命を取り留めた。


ちなみに、ここに来た理由はオレを倒すためらしい。

もう他にはいないようだ。


「リア、千秋は?」

「こいつから逃がした。今は彼女の部屋にいるだろう」


そうか、よかった。


・・・てか、真奥義乱用したから疲れた。

最近この小説は漫画的なストーリーじゃないかと真剣に考えています。


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