第9章第3話 ちょっと大人な夜のお味はどうですか?
現在、本部の入口にいる。
一度、帰ってきたのだ。
少々調べたいことがあるからな。
この図書館には随分珍しい本がある。
魔道書だって普通に置いてるし。
オレはそれで、オレが調べたい事柄は魂について。
こんなことはあるかは知らないが、一応調べる価値はある。
創造者の魂をコントロールすることができれば、強化武装の作成方法が分かるかもしれない。
オレは、本部の門をくぐった。
玄関で千秋が待っていた。
「・・・遅いですわ」
・・・あ。
「たまには私にも構ってください。私・・・あなたがいない夜は切なくて・・・切なくて・・・。消息不明のときなんか・・・」
千秋の頬に一滴の涙が。
そうだった。
オレは最近妖刀の事ばかりで・・・。
その前も戦争やらで忙しくて。
「・・・ごめん」
「分かってくれたならいいです。暫く私に構っていただけませんか?」
「ごめん、分かった。暫くは一緒にいるよ」
反省しないとな。
女の子を泣かせる男はクズだ。
千秋に切腹を命じられたらいつでもしてやるさ。
その覚悟で千秋とはこんな関係になったんだ。
そして夜
オレは千秋の寝顔を眺めながらベットに横になっている。
平和だな、と感じた。
こんな平和な日常が久々すぎて逆に困っているくらいだ。
梨瀬も寝てるし。
オレも寝ようか。
「おやすみ、千秋」
そっと、目を閉じた。
無意識に彼女を抱きしめながら・・・。
そして朝。
時が過ぎるのは速い。
異常に、な。
寝たと思ったら既に朝だ。
そして、目を開けたとたんこれだ。
「なっ・・・ち、千秋!?」
椎名家の御令嬢とあろうお方が、こんなはしたない格好を。
服をこんなにも肌蹴させて。
少し前のオレには刺激が強すぎる。
こんな姿を見ていると、千秋も完璧な人間じゃないんだな、と実感する。
どこかに人間じゃない奴もいるが・・・。
オレは脱げかかった服を着せようと手を伸ばした。
その時、千秋が寝がえりをうち・・・あ・・・。
「はぁん・・・」
なんかエロい声を出した。
何が起きたかって?
もち、胸に触れてしまった。
しかもあまりの柔らかさに少し揉んでしまった・・・。
男はこんな事故を最大限に生かそうとするんだ!
それに千秋は胸の感度がよくてな・・・って何言ってんだよ、オレ。
三回くらい死ねよ。
「・・・たまってんのかな、オレ」
最近いろいろあって長いこと千秋と離れてたし。
そんでもって疲れてるし。
オレは千秋の胸からそっと手を離した。
「誰かまだ触ってたのかよって突っ込み入れろよ・・・」
二人しかいないから言われないか・・・。
・・・自分で言ってて虚しくなってきた・・・。
「なんか凄まじく千秋がいやらしく見える・・・ぜってぇ誘ってる・・・」
妄想も激しくなってきた・・・。
まずい、頭が・・・。
オレギガロマニアックスでもないから妄想を具現化できないのが惜しいところだ・・・って何言ってんだ、オレ。
本当に死んだ方がいいな。
目の前にはところどころ肌を露出させた千秋。
無論、露出度も高い。
全裸よりエロく感じる・・・。
ヤバい、この部屋から出ないと・・・。
オレはベットから抜け出し、扉に手をかけた。
そして、ゆっくりと扉を開ける。
廊下には誰もいないか・・・。
まだ5時だしな。
でも見張りがいるはずだ。
どうしたんだろう。
今日は確か轟騎と柚季のはず。
オレは腹が減ったのでキッチンに向かった。
一応料理はできるから適当に作ろうかと。
そこで、とんでもない光景を見た。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご、轟騎」
キッチンでは轟騎と柚季が何やら楽しそうに喋りながら料理を作っていた。
暫く見ていると、またまた楽しそうに食事を始めた。
うわぁ、轟騎の野郎・・・食べさせてもらってるじゃねぇか・・・。
千秋にしてもらったことあったっけかなぁ・・・。
・・・しまいには口移しですか・・・。
流石にそれは・・・って、オレもあるか。
千秋が食べていた飴を口移しでもらったことがあったなぁ。
うわぁ、何このベタな口移し。
・・・仲よさそうだな。
よかったですね、轟騎さん。
おめでとうございます。
ただ、ひとつ忠告しておく。
柚季は・・・後が怖いぞ。