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片瀬の日々  作者: STORM
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第8章第10話 後に中華人民共和国と呼ばれる国での休息。

長かった。

実に長かった。

中国に戻ってきたぞ!

徒歩で何週間かかったやら・・・。

とんでもないくらい時間がかかった・・・。

いくら魔法で移動速度あげているとはいえ・・・。

もう足が棒に・・・。

「腹減った・・・」

「それじゃあ、ご飯でも食べようか。幸い私は以前この街に来たことがあってな、おいしい店を知っているんだ」

マジか!?

やったー!

やはり持つべきものは友だな!

「連れて行ってくれ!」

「でも、金はあるのか?」

・・・・・・・・あ。

ここに来るまでにすべて使ってしまった・・・。

「主、錬金術を使えばいいだろう?ソロモン72柱の悪魔に錬金術を非常に得意とする悪魔がいるしな」

・・・ふう。


やるか。

飯のためだ、仕方無い。


オレは召喚陣を描き、悪魔を召喚。

28番目の悪魔・べレスだ。

彼はどんな金属も黄金に変化させる能力を持つ。

それは、オレの能力にも加わる。

そして、オレはさらに人とはかけ離れた存在になる。

まったく、嫌なことだ。

だが、飯のためだ!

仕方がないんだ!


と、まあ途中であった盗賊から奪った安物のナイフを黄金の刀身を持つナイフに変化させ、金持ちそうなここの領主にとりあえず売却。

人間って金に弱いよな。

全員分の食費と宿代にはなった。

つーか、余った。

2、3日は持つかな?












「にしても美味いな、ここの料理」

「言っただろう、ここの料理は天下一品だって」

千秋に料理の腕で勝てる者はないけどな。

これも愛情の表れなのかもしれない。

不特定多数の人間に料理をふるまうより、愛する者のために料理をふるまう方が圧倒的に愛情の量が違うからな。

「確かに、私が今まで食べてきた料理の中でもなかなかですね。中華を食べるのは初めてですが、こんな味も嫌いではありません」

ちなみに、オレは中華はあまり好きではありません。

「長らくまともな物を口にしてなかったからな。君たちとは感動が違うだろう」

確かに、ずっと捕らえられたままじゃな。

美味い飯にもありつけないか。

お気の毒に。



帰るとき、オレは店主に盗賊王について聞いてみた。

「え?ここらで有力な盗賊?この街はここ数年盗賊なんて現れてない街だからな。そんな話は聞かないよ」

ハズレか。

少し移動すれば見つかるだろうか。


「そうか、ありがとうな」

「おう、また来てくれよな!」

RPGのフレンドリーな店主がよく言うセリフでオレ達は見送られた。

そう言えばあるゲームで買い物をする時、「なんだ、客か」って言う全然敬意を称さない店主がいたな。

見るたび轟騎と文句言ってたっけ。


「これからどうするのか?」

「明日にはここを発つ。ここには情報はなさそうだしな」

「それでは君主、私は今晩泊まる宿を探してきます」

ルインは宿を探しに行き、残った三人は店を回ることにした。






「テクノ、お前の武器ってグラディウスだよな。それ以外にもハルバートとかは使えるか?」

「?何だそれは?」

この時代にはなかったか。

「ポールウェポンの一種だ。まあ、槍に近い・・・のか?まあ、槍と斧をくっつけて様なもんだ」

「それは知らんが槍の扱い方くらいは知っている。実戦で使ったこともある」

おお、そうか。

「そんな武器が欲しいか?この国には偃月刀というポールウェポンがあるから」

「あると心強いな。俺は接近戦でしか戦えないような武器しか持っていないから」

じゃ、買ってこようか。

ここの武器屋は結構しっかりしてるみたいだし。

数年盗賊が来ていないと言っても、以前強力な盗賊がいたらしいから、その名残で今も強力な武器の開発は進んでいるそうだ。

「金ならこれで間に合うだろう」

やはりあのナイフを売って作った金を渡す。

奴には見せてもらわないとな、最強の剣闘士の力を。


テクノは偃月刀を買いに出かけ、残ったのは影麗とオレだけになった。



・・・。

・・・・・。

・・・・・・・。

・・・・・・・・・女と二人でいることなんて久々だからなんか気まずい・・・。

よく見ると影麗の服は露出が多いし、肌も白くて綺麗だし、胸も・・・。

紅く煌めく茶色がかった髪も綺麗だ。

そして瞳はまるで太陽のように輝かしいオレンジ。

スタイルは今まで見てきた女の中でもかなりいい方だろうな。

髪の色や瞳の色からも推測できるように、ただ単に中国人ってわけじゃなさそうだな。

剣の腕も人としてはかなりの凄腕。

あの第二騎士とは張り合えるだろう・・・実感としては第二騎士の方が若干強く感じるが。

ここまでよく見たことはなかったな・・・。


「どうした、こちらを眺めて」

「あ、いや・・・何でもない。忘れてくれ」

一瞬の気の迷いだ。

・・・一瞬どころじゃなかったけど。


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