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片瀬の日々  作者: STORM
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第8章第9話 剣闘士を開放したり、聖剣を手に入れたりしないと満足できねぇぜ!

・・・なんとか逃げきれたな。

「剣闘士、お前は自由だ。これからは何をしてもいいんだ。いくら罪人だろうと、この先の行いで世界は変わるさ。他の街で平穏に暮らすといい」

うん、我ながらいいこと言った。この時代だと国際手配なんてないだろうしな。

「・・・オレを・・・解放してくれるの・・・か?」

「ま、そう言うことだ」

オレはひとりの人生を変えました。

こんな奴ひとりじゃ歴史なんて変わりないだろうしな。

あっても伝記に一人追加されるくらいだろう。

「あんなところにいたら満足できねぇぜ?」

「・・・確かにな」

「この世界で満足するしかないから、ここで満足しとけ。まあ、オレは未来にさっさと戻って普通の暮らしを取り戻して満足するしかねぇけどな!」

満足同盟のリーダーまがいのことを言いつつ。


「・・・俺は、実は無実の罪で捕らえられたんだ」

「分かってるさ、お前の剣が教えてくれた」

漫画とかだけだと思っていたが、本当に剣で全てが伝わる。

それに気づかせてくれたのは、オレの師匠だった。

「俺はお前の騎士になる。俺はただの一般兵で、騎士道とか・・・そんなことは一切分からない。だが、俺はお前を君主にしたい。救ってもらった命は、救ってもらった者に捧げる。それに、お前は俺を信用してくれた。だから、俺はお前が主に値する人間だと認めた」

十分騎士じゃねぇか。

こいつなら十分現代でも使える。

剣の型がしっかりしていない今でも刹那並に強かったからな。

刹那もまだ足りないところがあるし。

でも最近刹那と手を合わせてないし・・・どっちが強いか分からないか。

二人とも、改良の余地はある。

「なら、お前を騎士として迎え入れよう!名は?」

「テクノエウスだ」

「じゃ、長いからテクノで」

六文字は長い。

漢字に直せるなら良いけどさ。


まあいい。

鍛冶場に戻ろうか。

そしてすぐにここを発つ。

ここにはもう剣を受け取るだけしか用はないからな。













「親方!剣は?」

「おう、できてるぜ!」

・・・これは!?

「俺の人生最大の剣になるだろうよ。聖剣に近い性能を持つ。て言うか聖剣だ!」

名は、テリオスと称す。

本人曰く、意味は分からないそうだ。

じゃ、何でつけたんだよってのは、占いの結果だそうだ。

「こんな剣、よく数日で作れたな」

「実はこの剣は数年間ずっと鍛え続けてきたんだよ。そして、これを持つべき者が、この剣の完成する時に現れた。それだけの話だ」

すげぇ・・・こんな偶然って・・・。

つーか、奇跡じゃねぇか。

「この剣に、運命を感じる。お前と言う剣士と、俺と言う鍛冶屋。この二人が出会った時に、この剣は完全な姿を現した。数年間休まず鍛えてきたが、お前が訪れてからのこの剣はまるで今まで鍛えてきた時間が無駄になるような勢いで完成に近づいて行った」

「確かに・・・。剣は使い手を選ぶ。オレはそう思う」

妖刀たちはオレを選んだのかはわからない。

でも、今は力になってくれている。

力の無いオレに力をくれたのはあの刀たちかもしれないな。





「ありがとう、親方。代金はこれで」

オレは一枚の紙を渡した。

「これは・・・」

「この国の統治許可証。第二騎士から譲り受けた。本物だ。金なら城から勝手に徴収してくれ」

「そうか、ありがたく貰っておこうか」

「第二騎士はそれを持つ者を君主と崇めるそうだ。持っておいて損はない」

親方、お前はこれからこの国治めるのを頑張ってくれよ。


てか、王子ってどうなったんだろう・・・。

「なあ、王子がいるって言ったよな?あいつはどうなるんだろうな」

オレがルインに尋ねると、ルインはニコッと笑って、

「それなら問題ありません。王子なら第二騎士に斬られましたから」

と言った。


・・・酷だ・・・。

まさかあの愛国騎士がこんなことをするとは・・・。

つか笑って言うなよ・・・。


「それより彼にこの国を任せてよろしいのですか?」

「いいよ、別に。変な奴がやるよりマシだろ」











「ところで・・・どこに向かっているのですか?」

ルインが訪ねる。

「東の国さ。影麗の故郷だ」

「私はもう少し西洋にいてもよかったのだが・・・」

それはこちらが困る。

一刻も早くこの時代から去りたいからな。

その前に、奴との決着がある。

それを片付けてからじゃないと・・・オレが逃げたことになるじゃねぇか。

「奴との決着を付けなければならないからな!」

すぐにオレの真の力を見せてやるからな。

名も無き盗賊王よ。

偃月刀の手入れでもして待っていろ!

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