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片瀬の日々  作者: STORM
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第8章第5話 彼でこの強さなら、アーサー王はどれほど強いのかと思った。

オレは城への入口につながる大きな橋の前に立っていた。

天高くそびえる城の頂上を見つめながら。


「中に・・・入ろうか」


「き、貴様何者だ!?」

「あ、あの剣!第三騎士様の!!」

もう情報が伝わっているのか。

どの時代でも情報の伝達速度は速いものだ。

「思いっきり悪人やってるが、これも強力な剣を手に入れるためだ!悪く思うな!」

オレは俊敏な動きで素早く二人の兵士の後ろに回り強烈な蹴りを見舞う。

そして、よろけた兵士の首を掴み、橋の下の水路に投げ入れる。

「さ、邪魔者も消えたし、騎士様狩りに行きますか」


オレは巨大な扉を切り裂いて中に侵入した。

マジ悪役っぽいな・・・。









「おっと、沢山の兵士でお出迎えですか・・・。オレにはちょっと用事があるってのにな」

そりゃあもうウジャウジャ兵士がいましたよ。

つーか、兵士しかいませんよ。

ま、無駄に兵士を動員したのが間違いだったな。

オレは某ナイトオブゼロさん並の脚力で何人もの兵士の肩を伝って兵士の海を乗り越えた。


「無闇に剣を振るうと仲間に傷を付けるぞ?」

言ったときには既に遅し。

大量の鮮血が床を染めていた。

そしてその上には沢山の兵士が積み上げられていた。


どこの時代でも兵士タイプの人間は弱者だな。

人の指示に従って動くからこうなる。

もう少し真面目に考えればこうなることくらい普通に思いつくだろう?

これを指示する上の者もどうかしてるけどな。


知っての通り、人間には何種類かタイプがある。

司令官タイプ、参謀タイプ、兵士タイプ。

オレはこの三つしか知らないが、兵士タイプの人間は自分の決断より人の指示で動く方が上手く動ける。ただ、司令官がダメだと兵士も必然的にダメになるな。

ま、司令官タイプの人間につく参謀タイプの人間次第でいくらでも変われるからな。


他に一匹狼ってのもあるけど、そんな人間はたぶんこの時代ひとりで勝手に旅して勝手に暮らして勝手に死んでいくんだろうな。


ま、それでオレは手を汚さずに大半を退け、ついでに残りの奴らは門番の兵士のように水路に投げておいた。











たぶん謁見の間に続く廊下を歩いていると、ひとりの男が立っていた。

「騎士・・・か」

かなり立派な服装をしてかなり豪華な装飾が施された剣を腰に下げていた。


「ここから先は、第二騎士の私が通さない。大人しく帰るなら命を奪わないでおいてやろう」

「生憎、お前に奪われるような命は持ち合わせていないんでね」

第二騎士様は剣をゆっくりと鞘から抜いた。

ま、最初からこいつはぶっ倒すつもりでいたから、ここでケリをつけてもいいか。


VS騎士戦、第二ラウンド開始!





「オレのターン!ドロー!」

つーか、剣を構えただけだけど・・・。


行くぜ!


最初の一太刀目で騎士様の剣にぶつける。

少しくらい長引かせないと文字数が足りなくて作者が困るからな!

第三騎士よりはマシな剣の使い手のようだな。

オレの動きを読んでいやがる。

まあ、オレはさらにその上を読んでいるが。

これもそれもいろんな魂の力や、悪魔との契約あってのことだから、恐らく普通の人間だったら勝てないだろうな。

でも、こいつで第二騎士って言うんだからさらに上がいるんだよな・・・。


騎士様が剣を離して距離を置く。

「貴様、なかなかの太刀筋だ。我々と共についてくれば王国騎士になれたものの・・・」

「生憎そんな趣味はないんでね。オレは人に従うのが大嫌いなんだ。自ら剣を捧げたもの以外はな!」

オレはきっぱりと言ってやった。

王に従うなんてオレの性に合わない。

オレは今までも従わせる側についていたからな・・・はやて姉以外には・・・。


今のような力が無い頃に轟騎は言ってくれた。

「自分弱いなら強くなりゃいいじゃん。お前剣術やってんだろ?」って。

それ以来、オレは喧嘩は弱くとも、轟騎が助けてくれたし、轟騎が不良に絡まれたりしてもオレは鉄パイプとかで不良を半殺しにしていた。

・・・今思うととんでもない事してたんだな・・・。

え、何で同級生との喧嘩で武器使わなかったのかって?

一応相手ガキだし・・・。

それで、オレは学校一喧嘩が強かった轟騎と共にいたことから周りを従わせる人間として育っていったから。

オレは棒状のものを持ったら豹変してたからな、強さが。

だから轟騎とともに恐れられていた。

あ、ちなみに錬磨はオレのオマケだった。


「オレは人には従いたくはない。悪いがオレはお前たちとは違うんだ」

「ならば良い。ここで散れ」

騎士様は特異な構え方をし始めた。

腰に剣をくっつけたような謎の構え。

剣の先はオレを捕らえている。

今まで見てきた剣士には誰一人このような構え方はいなかった・・・。

「死ね」

なっ!?

・・・かわせない!?

「うぐっ」

なんとか致命傷は逃れられたが肩を斬られた。

オレに傷を付けることができる人間がいるなんて・・・。

・・・・・・・・こいつには本気でかかって行かないと殺される。

あの第三騎士は多少剣が他の奴らより使える程度だったが、こいつはマジだ。

リアルに強い・・・。

普通の人間でここまで強化されたオレに剣撃を与えるなど・・・。


・・・最近オレ自信過剰過ぎないか?


・・・自分は強いと思いこみ過ぎていたから受けていたのか?

こんな攻撃、楽に回避できる。

そう思っていたから当たったのかも知れない。


・・・気持ちを変えよう。


どんな相手にも全力で。

非礼の無いように、正々堂々と。

気を抜いたら最後、命はない。



「お前にはオレの奥義を見せてやる。本気の奥義だ・・・」


こいつには、いろいろ礼もしたいしな。

この奥義を見せるにはこいつは持ってこいだ。

良い相手と剣を交えた。


オレは距離をあけ、深呼吸をする。


・・・いくぞ!


「十六代目一刀奥義・攻城略地!!」


十六代目がを敵の陣地に攻めいったときに編み出した奥義。あらゆる敵との戦闘を予想され、それ全てに対応した位置を斬る絶対無二の斬撃。どのような城でも崩すことができるように攻略された奥義である。






・・・決まった。

オレの剣は第二騎士の鎧を切り裂いていた。

ただ、これ一撃じゃ命までは奪えない。

相手と言う砦を攻略するきっかけを作るだけの奥義だからな。

このあとすかさず次の一撃を加えなければ。

だが、オレは・・・。


「・・・どうした、早く止めを刺せ。私はお前に負けた」

「無用な殺生はしない主義何でね。それに抵抗をしない相手を斬ったら、それこそ騎士の誇り(プライド)に傷が付くはずだ。それをお前が知らないはずはない」

「ふふふ、確かにな。私は本来なら死んでいた。死には至らないが、ここまで大きな傷をおってしまえばこの先戦っても私に勝機はない。私は貴様に殺されたも同然だ。だから、行くがいい。お前の望むものがこの先にあるのならばな」


・・・ありがとう、第二騎士。

お前は本当の騎士だぞ・・・。



・・・第三騎士と違って。

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