第7章最終話 プラチナ以上の肉体を誇る管理人との激闘・・・そして終幕
終幕するのはこの章だけです。
そして歴代最短の章でした。
「私は肉体を改造していてね。弾丸はおろか、戦車に踏みつぶされた程度じゃ死なないし、痛みも感じない」
え、こいつなに?
人じゃねぇじゃん。
以前紫麗とか言う奴も肉体を改造していたがいたが、そいつですらここまで改造はしてなかった。
「生憎、オレの剣は何でも斬り裂くからそんなことは関係ない」
奥義は剣を使っている時は真価を発揮できない。
更に上を行く真・奥義は気力を異常なまでに消費するため、こんなところでは使いたくもない。
なら・・・
「久々に我流で行くか!」
オレの剣術は突き重視だ。
斬りは繰り出すまで時間がかかる。
その点突きは威力こそ少ないものの、リーチとスピードは斬りに勝る。
そして、最大のメリットとして、急所を狙いやすい。
心臓を狙うなら斬りより突きの方が圧倒的に貫きやすい。
両手剣を使っているわけでもないのだから。
勿論、両手剣を使用する場合は斬りに戦術が変わる。
「始めていいかい?」
「無論!」
二人一斉に互いの相手に襲いかかる。
オレは相手の攻撃を避け、回避態勢から攻撃態勢に変える。
ビームソードを剣で受け止めても無駄そうだからな。
そしてオレは強力な突きを繰り出す。
恐らく並の戦車になら穴は開くだろうな。
だが、奴の体は生半可なものではなかった。
戦車にも耐えうる体を持つだけのことはある。
相手の肉体が強固なものならば、それに勝る剣劇を加えるまで。
早い段階で腕を切り落としておくのがいいな。
腕もあの硬度がなければいいが・・・。
その後、オレは態勢を回避態勢に戻し、次の攻撃に備える。
オレ並の速さだったらオレはあの攻撃を避けきることは不可能だったろうな。
間違いなく、オレは死んでいただろう。
原理が分からないビームソードに焼ききられて。
その後も二人の決闘は続いたが、強固な肉体にオレの剣はことごとく弾かれていた。
「硬すぎる・・・」
<仕方無いな。他の太刀で奥義を使え!>
そうするしかないか。
オレはオロチを抜く。
「十五代目一刀奥義・世界終焉!!」
これは体内に刃を埋め込み、内部から体を破壊するという凶悪な奥義だ。肉は腐食が進み、骨は溶け、内臓は燃え尽きる。そして最終的に体が爆散して死ぬ。
だが・・・。
「か、刀が突き刺さらない・・・」
どんだけ堅いんだよ!?
<オレに持ち換えろ。そして、その奥義をオレで!!>
気力の消費が激しいが、この際仕方無い。
「行くぞ、バルムンク!十五代目真一刀奥義・ワールド・エンド!!」
世界終焉の強化版。刃に触れた瞬間から腐食が始まるという真奥義。
鋼鉄をも凌駕する体を腐食させ、強度を弱らせ、内側から破壊する。
まさに、そいつにとってはこの世の終り、ワールド・エンドだ。
「真奥義というものは私の体を貫けないのかい?」
なっ!?
な、何故あの一撃を耐えた!?
「どうして・・・」
「安心しなさい。私はまだ君を殺す気はないさ。少しばかり、記憶を書き換えさせてもらうよ。君のような魂をいくつも持つ人間なんて自分自身を知るべきではないんだ。そうだろう?」
ど、どうしてそれを知って・・・。
それに記憶を書き換えるとか・・・これもギアスか!?
目を見てはいけない!
「気力も尽きただろう?もう楽になりたまえ」
・・・まだだ。
オレは記憶を書き換えられては・・・。
記憶を失ってはいけないんだ!!
「!?」
オレが強く念じた瞬間、何かが光った。
・・・な、なんだ!?
「・・・その紋章・・・なぜ君が・・・」
・・・オレの手の甲に・・・。
なんかの紋章が・・・。
「片瀬駿!!何故龍の紋章を!?」
え、ダイですか?
<龍の魂の具現化。それが貴様のその印>
オレの脳内に声が響く。
<貴様の体、暫し我に預けたまえ>
な、体が!?
<人ならざる者に与えられし紋章。その力を、今、開放する>
<骸視点>
6月9日午前0時
「駿は見つかったか?」
「片瀬の奴、一体どこに・・・」
「あの時同じ施設にいたはやてさんですら所在が分かっていないんだからそう簡単に見つかるかよ」
あの野郎、あの時戦争に出かけたまま施設を破壊して行方をくらましやがって・・・。
あれは大破のレベルじゃなかったぞ・・・。
「もう大分経つな。あれから」
「これだけ探しても見つからないとは・・・」
「でも駿様のおかげで戦争は終結したんですけどね・・・」
確かにな。
「現在、ここの最高責任者ははやてさんだ。だが、彼女が療養中とのことで、現在の準権力者は俺こと榎原骸だ。つーか、俺がはやてさんに命じられた!駿の捜索命令はオレが出す。ここにいるメンバーで駿を探しに行く。分かったか?刹那、轟騎、亮平さん、桜凛、はるか?」
「「「「「「了解!!」」」」」」
っと、何があったか説明してなかったな。
数週間前にあの戦争は幕を閉じた。
駿の過激な基地破壊によってな。
だが、それ以来駿が行方をくらましている。
そして、はやてさんから俺が捜索を任された。
現在の成果は、駿の五本の刀を見つけた程度。
もう少し頑張らないとな。
以上。
次の章は長くなる予定です。