第7章第6話 幼女との出会い、そしてその父親との出会い
足を進めていくと、明らかに雰囲気ぶち壊しの部屋にでた。
ぬいぐるみとかが置いてあって、なんかファンシーな感じ。
まるで小学生くらいの女の子の部屋だ。
基地にこんな場所があったとは・・・。
そもそもこれを作る理由が謎だ。
「こんなところに限って重要なものが隠されてるってことはないよな」
オレは飾られている絵の裏や、ベットの下。
箪笥の中なども見てみたが、何もない。
本当に何の部屋なんだろう。
子供が基地にいる訳じゃあるまいし・・・。
「お、お兄ちゃん誰?」
・・・え、まさかの子供ですか?
・・・って日本人?
何故?
ここは日本人とアメリカに敵対する国の基地だぞ?
捕虜なら兵士のはずだし、全員アメリカ人のはず。
人質にしても待遇が良すぎる・・・。
この幼女、何者だ?
「どうしてここにいるんだ?」
「お父さんがここの管理人なの!」
・・・え、まさかの日本人の反乱ですか?
何はともあれ子供には関係のない反乱だ。
反逆者の娘だったとしてもここは逃がす。
それより、この子を少し利用しようか。
「君のお父さんどこにいるの?オレは君のお父さんに用があってきたんだ。これを届けにね」
オレは適当にそれっぽいディスクを見せる。
勿論嘘だ。
「お父さんならこの施設の一番下にいるって言ってたよ」
ふ、余裕よ。
このくらいの情報を聞き出すのなんかね。
「じゃ、あとでまた来ると思うから。じゃあね」
「うん!」
悪いが場合によっちゃ君のお父さんの命を貰ってしまうかもしれないが、そこんとこは勘弁してくれ。
数十分後
オレは最下層への階段を着々と降りて行った。
邪魔な兵士は気絶させ、隔離するという無駄な手間があったため、こんなに時間がかかっている。
てかはやて姉どこだ?
状況を聞きださないと・・・。
「こちら駿、はやて姉、そっちの状況は?」
<駿くん、特に問題はないわ。そして現在、武器などの処分を行っているわ>
そうか・・・。
「こちらはここの管理者を叩く。居場所はもう突き止めた」
<それじゃあ、頼んだわよ>
ここで無線を切る。
さてと、行きますか。
最下層まで行くと、扉がひとつだけあった。
狭い廊下に、ひとつだけ。
にしても無駄に長い廊下だな。
奥まで行くのに1分はかかるぞ?
オレは1分かけて扉まで行くと、ドアノブがないことに気がついた。
「こ、これは暗証番号使わなきゃ入れないのか!?奥義・真一文字!」
ドアノブがなくても問題ない。
両断してしまえばな。
「君が片瀬君か。話には聞いているよ」
中では男が待っていた。
オレが来る事を知っていたかのように。
「いえ、違います」
「あ、すいません」
いや冗談信じちゃったよ!?
「ごめんなさい、嘘です」
「知ってたよ?」
何こいつ?
妙にノリがいい。
「で、要件は?」
「ボスを抹殺しにきた」
「じゃあ、戦ってみる?」
なんだこの余裕。
しかも馬鹿にしたような口調。
早めにケリをつけるか。
「行くぜ、イザナギ!!」
<了解!>
え、喋った!?
<あ、わりぃ。オレとっくに覚醒してたんだわ。あんたが過去に行っている間に>
・・・こ、こいつ・・・。
<悪かったって。オレの真の姿解放してやるから泣くな?>
別に泣いてねぇよ。
<バルムンクだ。大事に使えよ?>
なんか一方的に話進めてるし。
オレはこいつには勝てないと悟った。
イザナギが徐々に姿を変え、ひとつの剣となった。
「バルムンクか。・・・悪くない」
流石だな、ジークフリートが使った剣のことだけはある。
元はある民族の財宝らしいしな。
それに魂を宿して作られた剣だ。
実質、当時のバルムンク以上の力を持っている。
武器に頼るのは好きじゃないが、いい剣を持つとそれだけ気分もよくなるな。
それに、これは魔剣だしな。
「伝説の剣か。それでは私は最新鋭のビームサーベルで」
原理はさっぱりわからんが、柄から光の刀身が伸びてきた。
「オレには単純な武器の強さじゃかてねぇぜ?」
「問題ない、肉体改造しているから」
・・・・・・・・・・・・・・・え?