第7章第4話 戦争の前に見つけた小さな一輪の花
窓から差す光でオレは目を覚ました。
カーテンは閉めたはずだが。
・・・誰かがカーテンを開けてる。
背が低い人だな。
あんな人いたっけ・・・。
「おはよう、お兄ちゃん♪」
え?
「それで、事情を一から説明してもらうと。オレの兄妹ははやて姉と暁と刹那のほかにまだいたわけだ」
「隠していたわけじゃないんだけどね。・・・怒ってる?」
「ウチも知らなかったんや。気にしなくても・・・」
全く、何故オレにはこんなに隠された兄妹が多いのか。
しかも全員女という。
「まあ、いいじゃない?かわいいし」
かわいいとかそんな問題じゃない!
そもそもはやて姉は何人兄妹隠してるんだか。
「沖縄のおじさんの妹さんに預かってもらってたのよ。だから仲良くしてあげてね」
理由が意味わからん。
「まあ、仲良くはするけどよ・・・」
「絶対気に入るわよ」
確かにオレの兄弟の中では一番まともそうだけど。
「で、あの子の名前は?」
「あの子の名前は少し複雑で・・・私には読めないわ」
読めないのかよ!?
てか直接聞けよ。
「あの子はあなたを本当の兄だとは思っていないわ」
「そうですか、今更どうでもいいけど」
あの子は現在11歳だという。
どこかの兵士と近い年齢だが、全然レベルが違う。
段違いにこっちのほうがかわいい。
身長低いな・・・。
オレより40cmは小さいぞ。
「お兄ちゃんガム食べる?」
「あ、ああ。じゃあもらおうか」
純粋にオレを慕ってくれる子なんて今までいなかったからな。
幼さがそう感じさせているだけか。
「ここ数日ずっと訓練してたし、出撃前に少し遊んでやるか」
たまには息抜きも必要だ。
「つっても遊ぶ施設もないしな」
「お兄ちゃんはどこも行きたくないの?」
オレの頭の上から声が聞こえた。
何故かというと今肩車している。
長距離移動になるだろうからな。
「ここロンドンだろ?オレ英語喋れないからさ」
「そっか。じゃあお兄ちゃんの部屋行こうよ」
まあ、ゲームあるしな。
「ああ、じゃあ行こうか。・・・そう言えば君の名前を聞いてなかったね。漢字が難しくてオレには読めないからさ。楓葉でなんて読むんだ?」
「楓葉だよ!」
当然のごとく読めねぇ・・・。
明らか当て字だろ・・・(実際に存在します)。
現在オレの部屋でスマブラやってます。
勿論Xです。
DXとの違いがイマイチわかりません。
スマッシュボールが増えた程度だろ?
にしても、楓葉がオレの膝の上でやってんだが、それが気がかりでしょうがない。
なんていうか・・・女の子を乗せるのは・・・。
ってか、オレはロリコンじゃないぞ・・・。
幼女趣味なんてないぞ。
何考えてるんだ・・・。
ってあああああ、なんか反応してしまっている!?
思考を反らすんだ。
どこかのギアス能力者並に一度に7つのことを考えて・・・。
「やったー、勝ったー!」
オレが変なこと考えていたら負けてしまった。
「お兄ちゃんどうしたの?」
「・・・ちょっと考え事」
楓葉に変に興奮したなんて言えないからな。
「お兄ちゃんの熱くなってるよ」
なんてこと言ってるんですかい!?
そんなことは断じてない。
「汗かいたの?じゃあ一緒にお風呂入ろう」
一緒にとか追い打ちかけるな!
「でも、オレ男だし・・・」
「入ってくれないの・・・?」
う、上目遣い・・・。
こいつ、幼女なのにすでにこれを体得してたとは・・・。
こうなったら断れないな・・・。
諦めるか。
「分かった、仕方無い」
「やったー!お兄ちゃんのお背中流してあげるね」
ありがたいですがそこんとこは・・・。
日記
久々に日記を開きました。
幼女は無知で素直でかわいいです。
しかし、オレには共に過ごすだけの技量はありません。