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片瀬の日々  作者: STORM
10/180

第1章第10話 ごゆっくり〜っとそのままインフルエンザ

1月30日午後8時


あれからさらに一週間。

残り時間が少ないのにも関わらず、刻々と時間は過ぎていく。

オレは呑気に本を読んでいる。

もうやる気は微塵もない。

「黒魔術・・・はあ、ファンタジー小説ばっか読んでも無駄ってのに」

黒魔術って使えるのかな?


打開策は全く見つからない。

はやて姉を説得する内容もないし、両親が死んだせいであの特殊学校に通うことを拒む障害も消えた。

はやて姉とばあちゃんは賛成らしいし。


まあ、高校はどこでもいいからみんなと同じ学校に入ろう。

それがいい。絶対に。






1月31日午前10時


遅刻した。

普通に遅刻した。

今更どうでもいいや。

この中学にとどまることは不可能だ。

「今更だけどオレって結構不良だよな」

ピアスとかしてないだけマシか。


学校に到着。




扉を勢いよく開けると女子が着替えてた。

「あれ?」

あ、次の時間体育か。

・・・すげぇ・・・見事にみんな黙ってる・・・。

気まずくて動けねぇ・・・。

いや、ここは謝って逃げるべきだな。

「あ、わりぃっす」



逃亡。


気まずいので早退することにした。

でも、少し暖まりたい気分だったので保健室に行くことにした。









「こんにちはー」

挨拶はする。これは人間の常識。

まあ、そんなことは置いといて。

オレは適当に理由をつけて保健室で寝ることにした。


「ごめんね〜、今全部使われてるの。すぐに迎えが来て一人早退するけど、女の子が一人予約入ってるからね〜♪」

保健室のお姉さん・・・まあ、教師だけどまだ20代前半だからお姉さん。

ちなみに名前は渡辺(わたなべ) 玲奈(れいな)

みんなからは玲奈ちゃんと呼ばれて慕われている。


仕方ないか・・・。

諦めよう。ソファで寝るか。

にしても5つもあるベットが全て占領されるとは・・・保健室連続サボり事件の犯人か?

気にしてもないものはない。


オレはソファに座った。

「ひゃう!」

「あ?」

なんか変な声が聞こえた。

下を見ると千秋が真っ赤な顔でぐったりとしていた。

「お、おい!大丈夫か!?」

一応保健室なので小声で。

「駿ですか、私は体調を崩して・・・」

こりゃあまずい。


「早退しないのか?」

「今日は委員会ですから・・・休めません」

真面目だな。



「千秋さ〜ん、空きましたよ〜」

気ままな玲奈ちゃんはオレが千秋を抱きかかえて個室に入っても、「ごゆっくり〜♪」と言って微笑んでいるだけであった・・・。

こいつマジ教師か?




「大丈夫か?」

オレは千秋の看病をしながらケータイをいじっていた。

「ケータイいじりながら言うべきことか・・・それ」

いつもの勢いがないから本当に大変なんだろう。

「どこか痛かっ「あれ?二人ともやってないの?お姉さんが教えてあげようか?」

オレが話を始めようとすると玲奈ちゃんがいきなり入ってきて危ないことを口に出した。

「いや、いいから。マジでいいです。止めてください」

オレは全面否定。

千秋が具合悪いのに無理させてたまるか。


オレは玲奈ちゃんが何かに興味を持つととまらないということをこの一年で思い知らされたので、逃げることにした。








「中学生に教師があんなこと教えていいのかよ」

オレは学校を脱走し、現在家にいる。


・・・あれっ?


オレは急にふらついたと思ったら地面に倒れた。


「・・・重症だな、こりゃ・・・」

うつったな、風邪。

もう寝よう。







2月1日午前11時



「駿さん、あなたインフルエンザA型だわ、あは」

笑い事じゃねえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!

この藪医者がああああああああ!!!


ってことは千秋もインフルエンザか。

大丈夫かな・・・。

でも今は自分の心配をしなくては。

残り少ない学校生活をインフルエンザで潰してしまうとは・・・。

今は一刻も早く治すことが大事だ。



オレは帰宅後に薬を飲んで寝ることにした。

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