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究極のダイエット法

作者: ばんがい

1月1日

今年もまた一年が始まった。

今年の目標はダイエット。

目指せモデル体型!


1月15日

ダイエット開始から二週間たった。

体重はみるみる下がっている。こんなに簡単に体重が落ちるならもっと早くからやれば良かった。


2月1日

体重があまり減らなくなった。

やっぱり運動だけじゃダメなのかな。食事の量も減らしてみよう。


2月20日

体重が何をやっても減らない。

どうして!どうして!更に食事の量を減らす。


3月11日

ずいぶん長い間まともな食事を摂っていない。

でもそのおかげでまた体重が減り始めた。うれしい。

何故か体重が減るほど体が重く感じる。


4月2日

道を歩いていると子供から「お化け」と言われた。

体重を落とすことばっかり気にしてたけど、鏡を見て驚いた。

あばらは浮いて、目はくぼんでる。これじゃあお化けと言われてもしょうがないよね。


5月1日

入院していた。

お医者さんから栄養失調だと言われた。

病院では点滴を打って、寝てるだけの生活だった。

体型はちょっとましになってたけど、これじゃあまた太っちゃうよ!


5月6日

体重を落とそうと思うとまた体がガリガリになっちゃう。

でも太りたくはないし。

どうにかならないかな。


5月20日

どうすれば良いのかわからない。

どうしようどうしようどうしようどうしよう


5月23日

見つけた。





ある日彼女から「ダイエットに成功したから会いに来て」と電話があった。

今年ずっと会ってなかった彼女の家に行くと、

部屋に彼女の姿はなく一冊の日記と一枚の写真が置いてあった。

日記には自分の体型に悩む彼女の想いが書かれていて、

写真にはこの部屋で撮られたであろう彼女の姿が写っていた。

とても幸せそうにこちらへ微笑えむその姿は今まで見たなかで一番キレイだ。



これ・・がその解決法って事か」


日記を読むとどうやら彼女は体重を落としても美しいままでいられる方法に悩んでいたようだ。

体重をムリに落とせば、もちろん見た目はボロボロになっていく。

体がボロボロになった自分の姿を忘れて、この絵を自分だと思えということなのだろうか。


しかし、一つ疑問点が残る。

彼女はこの写真をいつ・・撮ったのだろう?

写真の日付には彼女が何かを見つけたと日記に書いてある5月23日の日付が押してある。

その奇妙な写真と彼女の狂気じみた日記を読んでいると、思わずおかしな妄想が沸いてくる。



もしかして彼女は体重を落としても美しい姿でいるためにこの世から写真の世界へ行ってしまったのではないか。

この世にいる限り、体重を減らすのにも限界がある。

しかし写真の世界なら体重の悩みもなく。美しい姿を永遠に保つこともできるだろう。


まさか、いや、それでも。

写真に写った美しい彼女の姿を見るとそんな妄想こそが事実なのではないかと思ってしまうのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] ダイエットの過程は「ホラー」そのものですねぇ… 体重さえ落とせれば、と強迫神経症を患って“見た目”が酷い事になるのも厭わない人は現実に居るようですし…。 枯れ枝のような手足とか、他人から見た…
2016/05/26 07:31 退会済み
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