だってプロローグなんだもん。
ただ厨ニに振り切って作品書きたかっただけ。
この世界には三種類の人種がある。
一つ、普通の人間。ごく一般的な地球に何億といる人種。
二つ、人ならざるモノ。怪人。人外の力を用いて世界に混乱と破滅をもたらす人種。人間の亜種と言う方が正しいかも知れない。
三つ、人ならざるモノを狩る人ならざる者。同じ怪人であり見た目も悪人そのものだが、人間社会の見方をし、怪人を狩る姿から英雄と呼ばれる。
この三種。どれも見た目はただの人間。しかし、皮の下はどんなモノが住んでいるかは、剥がすまで分からない。
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場所は都心のマンションのある一角。そこには隣人のヘタクソなギターの騒音被害に連日睡眠不足の男が住んでいた。
かきむしってボサボサぼろぼろの頭にびっしりついた目の下のクマ。額はシワと青筋でクシャクシャだった。
「・・・ぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!」
発狂。手当たり次第に物を隣人の方の壁にぶつける。パリンパリンとリズミカルにガラス製のグラスが砕け散っていく。
やがて投げるものが無くなれば壁を殴り始めた。
バキッ!バキッ!バキッ!バキッ!
腕がたててはいけない音がしようと、ひび割れて手の甲からだらだら血を流そうと殴り続けた。
すると件の隣人の部屋からドンッと音が響いた。騒音時に苦情がわりにする行為。所謂壁ドンであった。
「あああ?あああああああああ!?!?!?!?」
そして彼の中の自制心は完全に消え去った。
「フウウ¨ウ¨『恨んで恨んで呪い殺せ、矛は既に研ぎ終えた』アア¨ア¨ア¨ア¨ァァァァ!!!」
やっと意味のある言語を話したかと思えば頭をやったのかもしれない。中学生でも言わない様なこっぱずかしい言葉を口にしだしたではないか。
男は不意に壁を殴るのをやめると苦しそうに泡を吹きながらうずくまった。ぼこりぼこりと全身が泡立ち、ニメートル、三メートルと大きくなっていく。
五メートル位で膨張を止めるとその何かは立ち上がった。
隣人を殺すために。
「ヴァアアアアアアアアア¨ア¨ア¨ア¨ア¨ァァァァァ!!!!!!」