隣人さん、ご対面です
ようやくタイトルらしい事ができました。
私がいたのは、氷山の頂上のようでした。そこに、魔法で部屋を作ったらしいです。魔法便利ですね。
氷山のすぐ隣に別の山があって、その頂上にあるのが魔王城というらしいです。
標高はほぼ同じなので、お隣りさんみたいな感じですね。
スノウの背中に乗っていったら、ほんとに五分くらいでつきました。良いのかな、コンビニ行くくらいの感覚で魔王城に行って。
しかも入り方。てっきり門番さんの前で下りるのかと思いきや、まさかの窓から侵入。
は?
おーいスノウさん。不法侵入で捕まりますよー?慎重に行きましょうねー?
「魔王ー。私です。」
スノウさーん?今慎重に行きましょうっつったよね?
何大声で呼んじゃってんですか?
「スノウ、捕まっちゃうよ?」
「大丈夫です。」
何が大丈夫なん?
それと、もふもふしないで下さい。さっきから気になってたんですが。ここ魔王城だぞ?
「………お前か。氷の大精霊。」
「!?」
だ、誰!?
見つかった?ついに見つかった?
「大丈夫ですよ、こゆき。」
あ、知り合いですか?捕まえませんか?
「彼は魔王ですから。」
全然大丈夫じゃない。大丈夫な要素ない。
「お久しぶりです。魔王。それと、私の名前はスノウですので、これからはそう呼んで下さい。」
スノウー!何フレンドリーに話てんの!?
「………スノウ、だと?お前がそう言うならそう呼ぶが…………ところで、その毛玉はなんだ?」
!?
け、毛玉って私の事だよね?
「私の娘です。こゆきといいます。先程魔力で生まれました。」
「あ、えと、こゆきです。」
うわぁ、すっごい見られてる。
なら私も観察しようではないか。
…………って、すごい美形!!
スノウにも負けませんよ。凄い。
黒髪黒目ですね。髪はスノウと同じく長いですが、後ろでまとめてるとこは違う。スノウはまとめてないから。
「………狐みたいだな。」
き、狐ですか。私は犬みたいだと思いましたよ。
あ、でも、とんがり耳とか、ふさふさしっぽとか、確かに狐っぽい。
「私は魔王だ。しかし、生まれたばかりで知能があるとは珍しいな。」
「スノウにも言われたけど、やっぱり珍しいのですか?」
「ああ、珍しい。それなりに大精霊の子供は見てきたが、皆知能はあまりなかったからな。」
まあ、前世の記憶がある時点でイレギュラーですが。
にしても、魔王様は優しそうな人ですね。よかったです。相談しやすい。
「実は、相談したいことがあるんですが。」
「俺にか?」
「はい。スノウのもとに訪れる人間が増えてきているらしいので、どうにかしたいのですよ。他の大精霊は人間側って聞いたので頼れないと思い、魔王様に助言をもらえないかと。」
スノウ精神的に参ってたし。
「可愛いでしょう!?私のために、自ら行動しようとしてくれるなんて!嬉しいですよ!正直その事実だけで勇者もう千人くらい余裕でした!」
さすがにそれはない。
「………これ、こんな奴じゃなかった気がするのだが………。」
魔王様ごめんなさい。多分初めての娘の影響でこうなってます。
「……なら、こゆきが強くなるのはどうだろうか。」
む?どういう事ですか?
「こゆきが強くなればスノウの代わりに戦ったり、人間の姿になって人間の中に紛れたり出来るだろ?」
「ああ、なるほど!名案ですね!」
魔王様さすが!
「というか、お前なら人間の姿になるくらいなら今すぐ出来そうだぞ。」
ま、マジですか!
次回もよろしくお願いします!