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いい感じに死ねたと思ったのですが

同時に別作品も投稿しているので更新遅くなるかもですがよろしくお願いします!

文章力は相変わらずゴミですが、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

冬草家で冬に生まれたこゆきという名前の私は、高校二年生のある夏の日に死んだ。

思えばその日はとことんついていなかった。

いつもは見ないがたまたま目に入った占いは最下位。

登校中に自転車をぶつけられ、そのまま去って行かれたと思ったら鞄が開いていてしかもよりによって本日提出の課題が吹っ飛ばされた。慌てておいかけたが、落ちたのが鯉がわんさかいる池で、課題を餌と間違えられて食われた。

課題を追いかけていたせいで学校に遅刻し、しかも課題はやり直し。何時もは日にちと同じ出席番号の生徒をあてる教師が何を思ったか私を指名した。問題は分からず、ペナルティーでパシられた。自動販売機で好きな飲み物でも買って落ち着こうと思ったら売り切れ。じゃあ何を買おうかと悩んでいたらさっきパシられた教師が高速ダッシュでこちらに迫り、珈琲のボタンを押されて呆然としていたら珈琲を掻っ攫って消えていった。そいつはご近所さんで幼なじみなのでそいつのお母さんに後でチクろうと思った。

課題のせいで下校が遅くなり、いそいで学校を出たらにっくき幼なじみ兼教師が校門のところに立っていた。収まりかけた怒りが再燃した。

暗くなったから送ってくれるというので一緒に帰っていたらジュースをおごってくれた。

お詫びと言われて飲んだらよりにもよって私の苦手なつぶつぶ入りジュースだった。私は騙された。

そいつに文句を言っていたら、ふと視界の先に横断歩道を横切ろうとしている女の子が見えた。

同時に、何台ものパトカーに追いかけられている車も見えた。

信号は赤だったが、スピードを緩める気配がないその車を見て、自然と身体が動いた。

恐怖で固まったその身体を思いっきり押した直後、私の身体は今朝の課題のように吹っ飛んだ。

ああ、これは死ぬなとぼんやりと思った。

しかしすぐには死なず、道路に転がったまま痛みに耐えることになった。

見えるのは泣きながら縋り付く女の子と、辛そうな表情で何かを叫ぶ幼なじみ

まず女の子に話しかけた。

「自分を責めないでね。これは私が勝手にやった事だから、気にすることはないんだよ。前を向いて、生きていてね。」

最期くらい、かっこつけてもバチはあたらないと思う。

あ、もうそろそろ時間切れかな、と思った。

最期に幼なじみへ語りかけた。

「私にぶつかってきた車の人を殺すとか物騒なことやめなよ。君、私や家族の事となるとたまに見境なく行動しちゃうから。最期に飲んだのがつぶつぶジュースになったのは君ののせいだから、お供え物はあそこの自動販売機にあるストレートティーにしてね。勿論自腹だよ。約束だからね。」

そういうと幼なじみは辛そうに笑って頷いた。

「何時も愛想笑いは上手なくせに………肝心な時に笑えなくてどうするよ。………あ、も、無理だ。まだまだにくき君には言いたいことがあるのになぁ。」

最期だから、笑った。

「………君らしくすぐに立ち直って、ヘラヘラ笑ってなよ。君の辛気臭い顔なんか、笑いのネタにしかならないからさ。………………………ありがとね。」

一番言いたかった事が言えて、安堵した瞬間、意識がシャットダウンした。

気づいた時に見えたのは、泣いている私の両親と、幼なじみの両親と、幼なじみと、それからベッドに横たわった私だった。

これが幽霊か?と考えた。宙に浮けるし。

試しに皆の前に立っても、見えていないようだった。

そのあとすぐに私の通夜と葬式が行われた。おじいちゃんが泣いているのを、始めて見た。

祖父より先に孫が死ぬなんぞ許さん!って怒られた。私はごめんねって言った。もう届かないけれど。

ご先祖様と眠ってしばらくしたら、幼なじみがストレートティーを持ってきた。

まだ顔は暗い。私のせいでこうなっているのは申し訳なかった。

「辛気臭い顔はするなって言ったのに。しょうがないやつだね。

…………ストレートティー、持ってきてくれて、ありがとう。明日には、もう笑ってなよ?だから今日までは、辛気臭い顔してても、泣いててもいいから。」

思わずそう言ったら、幼なじみはふと、こちらに目を向けた。

「こゆき………?」

………ほんと、私の幼なじみは不思議だな。

もう絶対届かないって思ってたのに。

「今まで、本当に、ありがとう。幸せになってね。」

そういうと、幼なじみは笑った。泣きながらだけど、確かに笑った。

「………こゆき、ありがとう。」

その言葉が聞けて、安心した。

もう、側にいる必要はないね。

そう、思った瞬間。

ぐうっと、見えない力に引き寄せられた。

「っえ!?なに!?これが成仏するってこと?なんか想像してたのよりずっと激しそうなんだけどって、わ、ちょ、うわあああああああ!?」

空間に穴が開いて、引きずり込まれた。

ゴオオオオと風が吹き付けてくる。風が強いのか、私がそれだけのスピードを出しているのかわからない。周りが真っ暗だから。いつまで続くんだ?と思ったとき、どすっという音とともに痛みが走った。あ、私って落ちていってたんだな、と今更気づいた。

「ようこそ。」

ふと、声がかけられた。

そちらを見ると、………仏様が、いた。

あの、奈良の大仏のあれ。まんま。

「仏、様………?」

「はい。」

「えっ…………と、私、うちは仏教ですけど、自分は特に信仰してる神とか、いないのですが。」

「そのようなことは関係ないのです。」

え、そうなの?じゃあキリストとか出てくる場合もあるの?

「………そうではなくて。」

あ、違うの。

「本来なら、貴方はこの世界でいう天界という場所へ行くはずです。」

あ、本当にあるんだ。そういうところ。

「しかし、貴方には転生してもらい、別の世界で生きてもらう事となります。」

…………………は?

え、何故に?

「天界へ行くと、生まれ変わる順番を待つ事になります。しかし、貴方は特例で特別にすぐ転生できるようになっています。」

「別の世界に?」

「別の世界に。」

え、というか別の世界に転生とかできるの?もといる世界だけとかないの?

「ランダムです。」

あ、そうですか。

「ていうか、何で私は特例なんですか?」

「貴方は、子供を庇って死ぬという大変素晴らしいことをしました。なのでその功績を評価して………というのは建前で。」

え?

「ただ単に暇だったから、そこらへんで死んだ人適当につかんで決めました。」

仏様それでいいの!?

「ほら、そろそろ時間ですよ。」

そういわれると、暗闇の向こうに光が見えた。

「えっと、では、行ってきます………?」

「いってらっしゃい。」

なかなかアグレッシブな仏様に見送られ、その光に向かって歩き出す。

転生するってことは、今までの記憶はなくなるのかな?

両親や幼なじみの事を忘れるのは寂しいが、仕方ない。あっちで新たな思い出を作ろう。

そう腹をくくって、光の中に飛び込んだ。

しばらく眩しくて目を閉じていたが、徐々に光が収まっていくと、ゆっくり目を開けた。

そして目に飛び込んできたのは、白銀の美しい世界。

氷で出来た広い部屋のような場所で、下には雪が積もっている。

氷は綺麗な青色で、光に反射してキラキラ輝いている。

こんなに綺麗な場所、始めてだー!

…………でも、ここってどこだろ?

まだ記憶があるし、転生したわけでは………

「始めまして。私の娘。」

声をかけられてビックリし、慌てて振り向いた。

そこにいたのは。

美しいドラゴンだった。

周りの氷とおなじくらい、いや、それ以上に美しい青の鱗。

額には、深い青の宝石がある。

そして、何で今まで気付かなかったんだ?と思うくらいおっきい。

何やってんだ私。

って、さっき何て言った?

「むす、め………?」

「はい。貴方は、私の娘です。」

あれ?おっかしいな?


私、もう転生しちゃってるみたいなんですけど?

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