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プロローグ
ある陽炎が揺らめく夏の日のこと。
遮られるものの無い太陽の光は、ビルの屋上から人々を見下ろす私を強く映し出す。
下で蠢く人々の声はここには届かない。
ふと、近づいて来る者の足音を聞いた。
振り返りはしない。誰かはもう分かっているから。
「やっと来た」
私がそう言うと、足音は止まり、吹き抜ける風の音だけになった。
『君』は今どんな顔をしているのだろう。
気になるが、顔はまだ見ないようにしよう。泣いてしまうだろうから。
そうこう考えているうちに、いつの間にか『君』は隣に座っていた。
「来てくれてありがとう。……ちょっとした、昔話をしてあげようと思って」
もう、『君』には必要の無い話かもしれないけど。
ただの、私の自己満足だけど。
それでもあえて、私はこの物語を綴ろう。
「これは遥か遠い日の、誰からも忘れ去られた、小さな小さな神様のお話。」
初めまして、muonです
初投稿です
文章がおかしいとかは目をつぶってやってください( ˇωˇ )
これからよろしくお願いします。