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誤解

作者: 白い秋

 人がお互いを完全に理解することが出来れば良いのに


 そう常々思う

 だが実に悲しきはこの現状である

 カップルを始め

 親戚や夫婦といった書類上の上で繋がった人間同士でさえ完全な意思疎通が出来ているとは言いがたい


 人は言う

 理解できないからこそ人はつながりを持てているのだ


 人は言う

 理解できないからこそ理解しようとして恋焦がれるのだ


 ならば私は

 理解できないのならそのつながりに

          その感情に意味はあるのか


 そう問おう


 そのつながりや感情といった物が瓦解する原因は何か

 他でもない理解力の不足ではないか


 彼が私を理解してくれないから

 あの人は俺には分からない

 貴方が何をしたいのか私には分からない


 理解を放棄している人間も少なくは無いのではないだろうか

 どうせ分からないから

 どうせやっぱり結局は

 そういった諦念や憔悴を含み言葉が招く物がなにであろうか


 『誤解』


 それそのものである


 理解を放棄しているからこそ結果に飛びつく


 それがまがい物だとしてもどうでも良い


 理解を諦めているのだから


 それであるのに人は『誤解』したものに固執したがる

 人を責め立て罵り暴力を振るう


 全てがまがい物の産物である可能性がありうるのに


 それを根拠に人が人を傷つけるのだ


 なんて滑稽で


 なんて醜悪だろう


 肉体的な傷は良いだろう

 痛みは分かりやすく治りやすい

 そして加害者も自覚がしやすい


 だが精神的なものはどうだろうか

 傷は分かり難く治りも遅く

 そして加害者が自覚し難い


 それらがまがい物を根拠にして与えられた物だとしたらどんなに理不尽であろうか


 どんなに憤怒を憶えるであろうか


 理解できないことで築かれた絆は

 理解できないことによっていとも容易く崩される


 人は分かり合えない

 そう決め付けて良いものなのだろうか


 理解を放棄しないで欲しい


 誤解を蔓延させないで欲しい


 人を


 自分を


 まがい物の真実で傷つけたがる人間など

 

 いるはずは無いのだから 

お目通し、有難うございました

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