strong woman
更新が遅いですね。
自覚はしているんです。
お許し願います。
目が覚めた。
灰色の壁が広がっている。小さな部屋を小さなランプが照らしている。俺はベッドの上に寝ている。
俺は…負けた。今の状況が理解できないのにも関わらず記憶はハッキリしている。確実に勝てた、だが負けた。人質を取られたからではない。あの場に飛び込んでヒーロー面をしていた。自分でもわかっている。それが自己満足だということもわかっていた。そうすれば、あの人に許して貰えるかもしれないと思った。また、巻き込んでしまった。
………あいつはッ!?
ガバッと起き上がり周りを見渡すが、小さな部屋にはドアがひとつあるだけだ。
迷いなくドアを開けようと近づいたその時―。
ガチャ、ドアの奥から一人の女が現れる。
身構えるがさすがに寝起きとあっては集中力が散漫になる。
――スッと首もとに冷たさが伝わる。あと、数センチ動けば俺の首は飛ぶ…。
どうする?
結果、俺はどうすることも出来なかった。何故か刃物は俺の体に触れず、その代わりに凄まじい威力の蹴りが俺を襲った。
そして、今日二回目の眠りに落ちた。
「お前、バカだろ」
「いや、あの状況なら仕方ないかと……」
「私が優しかったことに感謝するんだな」
「はい」
あの状況で殺されなかったことが救いだ。だが、分からないことが多すぎる。俺が今どこにいるのか、あいつは無事なのか、こいつは誰なのか。
「あの、さ」
「………」
「ここはどこ?」
「………」
………………
「あんた、誰?」
「………」
「俺は水谷一真」
「………」
「なぁ…」
「………」
………………
「ねぇ…」
「………」
「話そうよ」
「………」
「お願いします。話してください」
俺はついに土下座した。
「これからお前は絶対服従だ」
え?
「文句あるか?」
「いえ…」
そして、俺は従者になった。