何でも屋のとある一日
未熟な文章な上、コメディー60%と半端ですが、最後までお付き合い戴けたら幸いです。
『万事屋』というものを知っているか?
『万事屋』とは、お金をもらって依頼をこなす。要は何でも屋である。
よく探すと都内に幾つかあるし、某ジャ〇プアニメなんかは有名だ。
俺、楠田勝はそんな職業に就いている。
一応高校生なんだか、クソ親父のせいで借金があったりするから、学校にも行かず働いている。
今は日曜日の昼。
客は来ない。元々客の多い仕事ではないのだか、かれこれ一ヶ月は仕事がない。
「勝、暇だね?」
今話しかけてきたのは金枝千代。唯一の同僚であり……客が来ない原因である。
−二ヶ月前−
「雇って下さぁぁぁいっ!!」
そう言って事務所のドアをバーンッ、と開きながら少女が入って来た。
身長は150位、黒髪ショートヘアに猫の髪留めをしている。顔立ちは非常に整っており……紛れも無く美少女だった。
走って来たのか、肩で息をしている彼女に……
「えーっと…………ハイッ、求人情報。オススメはコレとコレとコレね。」
とりあえず仕事を紹介した。
「わーい、ありがとう……って違うわーーーっ!!」
「ぐほぁっ!!」
ボケたつもりはなかったが、見事なノリツッコミで吹っ飛ばされた。
コレが俺と千代の出会いである。
−それから1時間−
「ハイ採用」
千代に事情を聞くと、境遇が俺に酷似していたため(決して外見基準ではない)、アッサリと採用した訳だが……次の日の初仕事で早速後悔することになる。
−次の日−
「財布探しですね? はい、わかり……」
「私はパス」
「何でだよっ!?」
彼女の初仕事、まさかのボイコットだ。
「私は『ローリスクハイリターン』な仕事しかしないわ。財布探しなんて疲れる仕事、こんな報酬じゃ受けないわよ」
「お前社会を馬鹿にしてるだろっ!?」
結局その仕事は俺一人でこなした。
千代の悪評は一ヶ月で広まり、今に至る。
−現在−
「暇だね? じゃねぇよ元凶! 働け!」
「えっ、なにキレてんの? キレる十代?」
「キレてるし十代だけど違……うのか? 違うと思う!」
「どっちよ……」
「知らん。話を戻すが、お前も働け!」
「仕事が無いのにどうやって?」
「お前が言うとムカつくな。次に仕事きたら働けよ」
「まぁ内容によるね」
会話が途切れ、沈黙が訪れる。そして、
「……ハァ〜」
今月何回目かも分からない溜息をつく。
(仕事こないかな……)
そんなこと思っていると……
ガチャッ
「こんに……」
「いらっしゃいませ。依頼内容は何ですか?」
「勝、早い早い」
「……ちはー」
入って来たのは小学生くらいの男の子。
俺に遮られた挨拶を、律儀に続けてくれた。
「で、金づ……お客様、用件は?」
本当に凝りねぇなコイツ。
「えーっとね、エリザベス探し!」
「私らにイギリスまで行けと? まさか英国女王に謁見希望とは大した子ね……」
絶対違うと思う。
「……? エリザベスはペットの名前だよ?」
「あの二足歩行の嘴ついた奇妙なやつ? いくら万事屋だからって……」
「ううん、犬。」
「嘘だっ!!」
「いい加減にしろ千代!」
「痛っ!」
流石にちびっこが可哀相なので黙らせる。
「詳しく聞かせてもらえる?」
−10分後−
「分かった。散歩中に全力で逃亡した柴犬を探せばいいんだね?」
「うん。お願いします。」
「報酬は?」
流石千代というべきか。即報酬の話に移った。
「はい、これ」
チャリーン (←色とりどりの日本の硬貨8枚)
…………これは俺でも受けたくなくなる金額だぞ?
ましてや千代が受ける筈などな……
「はい、ありがとう。見つけたら連絡するね。」
………え?
「うん!バイバーイ!」
ガチャンッ
少年が出て行った。
「……千代、どういう風の吹き回しだ?」
「ん? 働けって言ったの勝じゃん」
「内容によるって言ったの千代じゃん」
「だから内容で決めたんだよ?」
うーん。今の千代はよくわからん。いや、いつもだけど……
「まあいい。請け負ったからには達成するぞ!」
「了解であります! ボソッ(こんなに早く会えるなんてね)」
「……? なんか言ったか?」
「いや何も」
「ふぅん。まあいいや」
こうして久々の仕事が始まった。
「それじゃあ手分けして捜そう。俺は市内の東側、千代は西側な」
「了解! 見つけたら携帯に連絡ね」
そう言って、千代は西側へと走って行った。
やる気満々の千代に驚きながら、東側の捜索を開始した。
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−4時間後−
聞き込み、貼り紙はあまり効果を発揮せず、千代からの連絡もない。
「あとは公園か……」
自分の足で探してないのは、東側では公園のみ。
疲れて足はかなり重いが、公園へと向かった。
−そして10分後−
「……ふぅ。到ちゃ………」
「グルルルル、バウバウッ!」
……………いた。
俺に敵意剥き出しで吠え、今にも飛び掛かって来そうな柴犬が。
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カカ〇ットォォーーッ……ピッ
「もしもし勝?」
『千代、柴犬を見つけた!東側の自然公園に来てくれ!』
「うん。わかっ……」
『うわぁ!畜生、まだ負けられねぇ!』
「どういう状況よっ!」
ピッ……ツーツーツー
「……はぁ。私まだ嫌われてんのか……」
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噛み付きを避けること10分。千代が到着した。
バスにでも乗ったのか、かなり早い到着だ。
「あっ、千代ーーっ、早く来て!俺嫌われて………」
「うおりゃーーっ!」
「えぇーーーーっ!」
千代は全速力で柴犬に向かって行き、勢いを殺さずに柴犬を蹴り飛ばした。
動物愛護団体が見たらブチ切れるだろう。
「えっ、ちょ、おまっ……なにやってんの!」
「蹴った」
「見たらわかるよっ!」
「じゃあ聞かないでよ」
千代は完全ノックアウトしてる柴犬を抱えた。
「回収完了!帰ろう!」
「大丈夫なのか、そいつ?」
「大丈夫大丈夫。この程度毎日やってたし。」
「……?まあいいか」
例の少年の家に連絡し、俺達は事務所に戻った。
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「はい、コレ」
「ありがとう、お姉ちゃん!」
少年は、グッタリしている柴犬を何の疑問もなく受け取る。
「お兄ちゃんもありがとう!」
「「どういたしまして」」
「うんっ!バイバーイ!」
帰ろうとした少年を、
「ちょっと待って」
千代が引き止めた。
「なあに?」
「お母さんは……元気?」
何を聞いてるんだろう、コイツは?
「もちろん!」
「……そう。バイバイ」
「バイバーイ!」
今度こそ、少年は帰って行った。
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「千代、詳しい話を……聞いていいかな?」
流石の僕でもわかる。
千代と少年は関係がある。
「…………うん」
千代は静かに語りだした。
「私には両親と一人の弟がいたの。両親は5年前に喧嘩別れして、私はお父さんに、当時2歳の弟はお母さんが引き取った。飼い犬もね。お母さんに懐いてたから……」
千代は一口お茶をすする。
「離婚の理由がお父さんの借金で、まだ少し残ってる。まあ、苦しい生活を送ってるよ。自分がそんな生活だと、お母さんは大丈夫なのかなって心配になって……探してた」
「成る程、それで働くついでに……いや、探すついでに働こうとしたのか」
「うん。ここならいつか来るかもだし、情報も集まりやすいからね」
「まあな。…………で、もう大丈夫か?」
「…………うん。大丈夫」
「……そっか」
これで万事解決。今回の依頼達成か……。
…………そういえば、
「千代、これからどうすんの?」
「いや、普通に働くよ?気がかりが無くなったからしっかりと」
「まあ、借金返さなきゃいけないしな」
「お互いね」
「ハハッ、まったくだ。それじゃあ……」
俺は右手を千代に差しだし、
「改めてよろしく……相棒!」
「アハハッ、こちらこそ……相棒!」
千代がそれを握り返した。
いつもよりちょっと長めの短編に挑戦したカルタです。
相も変わらずコメディーな訳ですが、今回はコメディー要素少なめです。
…………これはコメディーと呼べるのかな?
まあ、それは置いといて。
指摘や感想を大募集中です!
遠慮なく、どしどし書いて下さい!
以上、カルタでした〜!




