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何でも屋のとある一日

作者: カルタ
掲載日:2010/11/21

未熟な文章な上、コメディー60%と半端ですが、最後までお付き合い戴けたら幸いです。

 『万事屋(よろずや)』というものを知っているか?


 『万事屋』とは、お金をもらって依頼をこなす。要は何でも屋である。

 よく探すと都内に幾つかあるし、某ジャ〇プアニメなんかは有名だ。


 俺、楠田勝(くすだまさる)はそんな職業に就いている。

 一応高校生なんだか、クソ親父のせいで借金があったりするから、学校にも行かず働いている。


 今は日曜日の昼。


 客は来ない。元々客の多い仕事ではないのだか、かれこれ一ヶ月は仕事がない。


 「勝、暇だね?」


 今話しかけてきたのは金枝千代(かなえだちよ)。唯一の同僚であり……客が来ない原因である。



 −二ヶ月前−


「雇って下さぁぁぁいっ!!」


 そう言って事務所のドアをバーンッ、と開きながら少女が入って来た。


 身長は150位、黒髪ショートヘアに猫の髪留めをしている。顔立ちは非常に整っており……紛れも無く美少女だった。


 走って来たのか、肩で息をしている彼女に……


「えーっと…………ハイッ、求人情報。オススメはコレとコレとコレね。」


 とりあえず仕事を紹介した。


「わーい、ありがとう……って違うわーーーっ!!」


「ぐほぁっ!!」


 ボケたつもりはなかったが、見事なノリツッコミで吹っ飛ばされた。

 コレが俺と千代の出会いである。


 −それから1時間−


「ハイ採用」


 千代に事情を聞くと、境遇が俺に酷似していたため(決して外見基準ではない)、アッサリと採用した訳だが……次の日の初仕事で早速後悔することになる。


 −次の日−


「財布探しですね? はい、わかり……」


「私はパス」


「何でだよっ!?」


 彼女の初仕事、まさかのボイコットだ。


「私は『ローリスクハイリターン』な仕事しかしないわ。財布探しなんて疲れる仕事、こんな報酬じゃ受けないわよ」


「お前社会を馬鹿にしてるだろっ!?」


 結局その仕事は俺一人でこなした。

 千代の悪評は一ヶ月で広まり、今に至る。


 −現在−


「暇だね? じゃねぇよ元凶! 働け!」


「えっ、なにキレてんの? キレる十代?」


「キレてるし十代だけど違……うのか? 違うと思う!」


「どっちよ……」


「知らん。話を戻すが、お前も働け!」


「仕事が無いのにどうやって?」


「お前が言うとムカつくな。次に仕事きたら働けよ」


「まぁ内容によるね」


 会話が途切れ、沈黙が訪れる。そして、


「……ハァ〜」


 今月何回目かも分からない溜息をつく。


(仕事こないかな……)


 そんなこと思っていると……


 ガチャッ


「こんに……」


「いらっしゃいませ。依頼内容は何ですか?」


「勝、早い早い」


「……ちはー」


 入って来たのは小学生くらいの男の子。

 俺に遮られた挨拶を、律儀に続けてくれた。


「で、金づ……お客様、用件は?」


 本当に凝りねぇなコイツ。


「えーっとね、エリザベス探し!」


「私らにイギリスまで行けと? まさか英国女王に謁見希望とは大した子ね……」


 絶対違うと思う。


「……? エリザベスはペットの名前だよ?」


「あの二足歩行の(くちばし)ついた奇妙なやつ? いくら万事屋だからって……」


「ううん、犬。」


「嘘だっ!!」


「いい加減にしろ千代!」


「痛っ!」


 流石にちびっこが可哀相なので黙らせる。


「詳しく聞かせてもらえる?」



 −10分後−



「分かった。散歩中に全力で逃亡した柴犬を探せばいいんだね?」


「うん。お願いします。」


「報酬は?」


 流石千代というべきか。即報酬の話に移った。


「はい、これ」


 チャリーン (←色とりどりの日本の硬貨8枚)


 …………これは俺でも受けたくなくなる金額だぞ?

 ましてや千代が受ける筈などな……


「はい、ありがとう。見つけたら連絡するね。」


 ………え?


「うん!バイバーイ!」


 ガチャンッ


 少年が出て行った。


「……千代、どういう風の吹き回しだ?」


「ん? 働けって言ったの勝じゃん」


「内容によるって言ったの千代じゃん」


「だから内容で決めたんだよ?」


 うーん。今の千代はよくわからん。いや、いつもだけど……


「まあいい。請け負ったからには達成(クリア)するぞ!」


「了解であります! ボソッ(こんなに早く会えるなんてね)」


「……? なんか言ったか?」


「いや何も」


「ふぅん。まあいいや」


 こうして久々の仕事が始まった。


「それじゃあ手分けして捜そう。俺は市内の東側、千代は西側な」


「了解! 見つけたら携帯に連絡ね」


 そう言って、千代は西側へと走って行った。


 やる気満々の千代に驚きながら、東側の捜索を開始した。


---------------


 −4時間後−


 聞き込み、貼り紙はあまり効果を発揮せず、千代からの連絡もない。


「あとは公園か……」


 自分の足で探してないのは、東側では公園のみ。

 疲れて足はかなり重いが、公園へと向かった。


 −そして10分後−


「……ふぅ。到ちゃ………」


「グルルルル、バウバウッ!」


 ……………いた。

 俺に敵意剥き出しで吠え、今にも飛び掛かって来そうな柴犬が。


---------------


 カカ〇ットォォーーッ……ピッ


「もしもし勝?」


『千代、柴犬を見つけた!東側の自然公園に来てくれ!』


「うん。わかっ……」


『うわぁ!畜生、まだ負けられねぇ!』


「どういう状況よっ!」


 ピッ……ツーツーツー


「……はぁ。私まだ嫌われてんのか……」


---------------


 噛み付きを避けること10分。千代が到着した。

 バスにでも乗ったのか、かなり早い到着だ。


「あっ、千代ーーっ、早く来て!俺嫌われて………」


「うおりゃーーっ!」


「えぇーーーーっ!」


 千代は全速力で柴犬に向かって行き、勢いを殺さずに柴犬を蹴り飛ばした。

 動物愛護団体が見たらブチ切れるだろう。


「えっ、ちょ、おまっ……なにやってんの!」


「蹴った」


「見たらわかるよっ!」


「じゃあ聞かないでよ」


 千代は完全ノックアウトしてる柴犬を抱えた。


「回収完了!帰ろう!」


「大丈夫なのか、そいつ?」


「大丈夫大丈夫。この程度毎日やってたし。」


「……?まあいいか」


 例の少年の家に連絡し、俺達は事務所に戻った。


---------------


「はい、コレ」


「ありがとう、お姉ちゃん!」


 少年は、グッタリしている柴犬を何の疑問もなく受け取る。


「お兄ちゃんもありがとう!」


「「どういたしまして」」


「うんっ!バイバーイ!」


 帰ろうとした少年を、


「ちょっと待って」


 千代が引き止めた。


「なあに?」


「お母さんは……元気?」


 何を聞いてるんだろう、コイツは?


「もちろん!」


「……そう。バイバイ」


「バイバーイ!」


 今度こそ、少年は帰って行った。


---------------


「千代、詳しい話を……聞いていいかな?」


 流石の僕でもわかる。

 千代と少年は関係がある。


「…………うん」


 千代は静かに語りだした。


「私には両親と一人の弟がいたの。両親は5年前に喧嘩別れして、私はお父さんに、当時2歳の弟はお母さんが引き取った。飼い犬もね。お母さんに懐いてたから……」


 千代は一口お茶をすする。


「離婚の理由がお父さんの借金で、まだ少し残ってる。まあ、苦しい生活を送ってるよ。自分がそんな生活だと、お母さんは大丈夫なのかなって心配になって……探してた」


「成る程、それで働くついでに……いや、探すついでに働こうとしたのか」


「うん。ここならいつか来るかもだし、情報も集まりやすいからね」


「まあな。…………で、もう大丈夫か?」


「…………うん。大丈夫」


「……そっか」


 これで万事解決。今回の依頼達成か……。

 …………そういえば、


「千代、これからどうすんの?」


「いや、普通に働くよ?気がかりが無くなったからしっかりと」


「まあ、借金返さなきゃいけないしな」


「お互いね」


「ハハッ、まったくだ。それじゃあ……」


 俺は右手を千代に差しだし、


「改めてよろしく……相棒!」


「アハハッ、こちらこそ……相棒!」


 千代がそれを握り返した。


いつもよりちょっと長めの短編に挑戦したカルタです。


相も変わらずコメディーな訳ですが、今回はコメディー要素少なめです。

…………これはコメディーと呼べるのかな?


まあ、それは置いといて。


指摘や感想を大募集中です!

遠慮なく、どしどし書いて下さい!


以上、カルタでした〜!

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[一言] 読んでてワクワクしたっ!! 続編期待!!
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