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転生したら巨人でした。~人間サイズの街を踏まないように生きるの、難しすぎるんですけど~  作者: nekorovin2501


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第3話 守護者? それとも災厄?

朝が来た。

洞窟の中で目を覚ます。

天井が低い。

いや、低くない。俺の頭が天井にぶつかりそうなくらい、デカいだけだ。

「うーん……寝心地悪ぃ」

体を起こす。

ドスン。

洞窟が軽く揺れる。

外の鳥たちがびっくりして飛び立つ。

腹が減った。

昨日捕まえた魚の残りは、もうない。

また網作って川に行くか。

外に出ると、リナがすでに待っていた。

手にバスケットを持って。

「おはよー、ケンタ! 朝ごはん持ってきたよ!」

バスケットの中は、パンや果物、チーズ。

人間サイズだから、俺の指先に乗るくらいの量だ。

「……ありがと。でも、これじゃ一口だな」

「えー! 村のみんなで集めたのに!」

リナがふくれる。

可愛いけど、腹の足しにはならない。

「じゃあ、俺はまた魚捕るわ。お前らも食えよ」

網を川に沈めて、待つ。

今日も大漁。

魚を村人に分けて、俺はむしゃむしゃ。

食事が終わると、村の長老みたいな爺さんが来た。

白髭の老人で、杖をついている。

「巨人殿……昨日はありがとうございました。魚のおかげで、村の食料が助かりました」

「いや、別に。俺も腹減ってただけだよ」

長老は頭を下げる。

「実は、相談があるのです。最近、魔物が増えていて……」

魔物か。

昨日の狼みたいなやつか。

「村の周りをうろついてるんだろ? 俺が追い払うよ」

長老の目が輝く。

「本当ですか!? 巨人殿の力なら、きっと……!」

リナが横から口を挟む。

「ケンタ、危なくない? 魔物って強いよ!」

「大丈夫だろ。昨日も軽く吹っ飛ばしたし」

村人たちが集まってくる。

みんな期待の目だ。

「巨人さんが守ってくれるなら、安心だ!」

「でも、でかすぎて村壊さないかな……」

……微妙な信頼度だな。

その時、外れから悲鳴が聞こえた。

「きゃあああ! 魔物だぁ!」

村の外周に、昨日みたいな巨大狼の群れ。

今日は20匹くらい。

リーダーがでかい。体長5メートルくらいか。

村人たちがパニックになる。

「また来たぞ! みんな、家の中に!」

俺は立ち上がる。

「待て。俺が行く」

一歩踏み出す。

ドン。

地面が揺れて、狼たちが警戒する。

リナが叫ぶ。

「ケンタ、気をつけて!」

狼のリーダーが俺に向かって突進してくる。

ガルルルゥ!

俺は手を伸ばす。

軽くつかむ。

狼の首根っこを、指でつまむ感じ。

「重てえな、お前」

狼が暴れるけど、俺の力じゃビクともしない。

他の狼たちが飛びかかってくる。

俺は足を軽く振る。

ドン。

衝撃波で、数匹が吹っ飛ぶ。

「ほら、終わり」

リーダーを地面に叩きつける。

いや、軽く置くつもりだったけど……。

ドガン!

地面にクレーターができる。

狼は気絶。

残りの狼たちが逃げていく。

村人たちが歓声を上げる。

「すげえ! 一瞬で!」

「巨人さん、ありがとう!」

長老が近づく。

「巨人殿……あなたは村の守護者です!」

守護者か。

悪くない響きだ。

でも、リナが心配そう。

「ケンタ、怪我ない?」

「ないよ。かすり傷すらねえ」

実際、狼の牙が当たったけど、皮膚に傷一つつかない。

巨人の耐久力、チート級だ。

その日の午後。

村で宴会が開かれた。

俺のために、魚を焼いてくれた。

人間サイズの焚き火が、俺の掌に乗るくらい。

みんなで酒を飲む。

俺は飲めないけど(容器がない)、雰囲気はいい。

長老が話しかける。

「巨人殿、この世界について知っていますか?」

「いや、何も。俺、転生したばっかだから」

長老が説明してくれる。

この世界は、エルドリア大陸。

人間、エルフ、ドワーフ、獣人とかいる。

魔法あり、魔物あり、王国あり。

最近、魔物の活動が活発化してるらしい。

原因はわからない。

「巨人族は、昔はいたんですよ。山脈の奥に住んでいて、人間とは関わらなかったですが……今は絶滅したって聞きます」

絶滅か。

俺だけかよ。

リナが言う。

「ケンタは最後の巨人かもね!」

「かもな……」

宴会が終わって、夜。

洞窟に戻る。

一人で考える。

この力、どう使えばいいんだろう。

村を守るのはいいけど、もっと大きな何かがあるかも。

外から音。

また魔物か?

いや、違う。

足音。人間の。

覗くと、黒いローブの男。

一人で森を歩いている。

怪しい。

男が呟く。

「……巨人がいるだと? ふん、計画の邪魔だな」

計画?

聞き耳を立てる。

男は独り言を続ける。

「魔物を操って村を潰せば、土地が手に入る。鉱山の権利が……」

魔物を操ってるのか!

こいつが原因か。

俺は洞窟から出る。

ドスン。

男がびっくりして振り向く。

「な、何だお前は!?」

「聞いたぞ。お前が魔物をけしかけてるんだな」

男が慌てる。

「ば、馬鹿な! 巨人が話すなんて……」

男が呪文を唱え始める。

「闇の力よ、集え! 魔狼召喚!」

周囲に狼が現れる。

さっきより強い。目が紫に光ってる。

「やれ! こいつを倒せ!」

狼たちが襲ってくる。

俺はため息。

「またかよ」

一匹を掴んで投げる。

他のを踏む……いや、踏んだら死ぬ。

軽く蹴る。

狼たちが散る。

男が逃げようとする。

「待てよ」

俺は指で男の服をつまむ。

持ち上げる。

「ひぃぃ! 放せ!」

「誰の指示だ? 正直に言え」

男が震えながら白状。

「領主の……領主の命令だ! 村を潰して、鉱山を独占するんだ!」

領主か。

面倒くさくなってきた。

リナの村を狙ってるのか。

「よし、わかった」

男を地面に置く。

いや、落とす。

軽くだけど、男は転がる。

「村に連れてく。長老に話せ」

男を連れて村に戻る。

夜中だけど、村人たちが起きてくる。

長老が驚く。

「これは……村の商人じゃないか! お前が裏切り者だったのか!」

男が捕まる。

「巨人殿、ありがとうございます。本当に……」

村人たちが感謝する。

リナが俺の手を叩く。

叩いても、俺の指に触れるだけだけど。

「ケンタ、すごい! 探偵みたい!」

「いや、偶然聞いただけだよ」

でも、これで魔物は減るはず。

翌朝。

村は平和。

でも、領主の存在が気になる。

俺の巨人生活、三日目。

少しずつ、世界が広がってきた。

この力で、何ができるんだろう。

(続く)

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