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人間みたいな  作者: レオ・ギブソン
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ピエロの仕事

第二話 ピエロの仕事


 アーロンがマイケルたちを誘拐した次の日の話である。まだ朝日も上らない頃、アーロンとピエロは寒くて薄暗い部屋に居た。

「昨日はありがとう。アーロン。警官という職は何かと便利だな」

ピエロが笑いながら言った。ここはサーカス会場ではないというのに、ピエロのメイクをバッチリ決めている。

「そうだな・・・」とだけアーロンは返す。

部屋にはアーロンとピエロの他に四人の仲間が居る。合計六人の誘拐犯グループがいるのである。

「明日、誘拐した人間を送りたいのだけどだれかやってくれないかしら?」

と、たれ目の女性が言った。彼女の名前はエリザベスと言い、ここにいる六人の中のリーダーである。賢く、ミスをしないが真面目すぎて面白味のない女性である。

「僕らがやる?トマス兄貴?」

と、太った小さな男が言った。

「それがむりだぞヘンリー。俺とヘンリーは明日予定があるのだ。アーロンお前が一番暇だろ、上官に誘拐した子どもを送っておいてくれ」

と、瘦せた大きい男が憎たらしく言った。この二人は兄弟である。指示待ち人間の小さな弟ヘンリーと決断力のある兄トマスは、何時も仲が良く二人で仕事をしている。

「分かりましたよ」アーロンは、警官の仕事もあって全然暇ではないのだが、トマスに反論することも面倒だったので引き受けた。

「よろしく頼む。あと、夜の見回りもしといてくれ。最近は誘拐された子どもを救出する人間がいるらしいからな」

と、フランシスが薄ら笑いを浮かべながら言った。フランシスはアーロンと同様に警察官の仕事をやっている同僚である。非常に頭が良く優秀な人間であるが、それ故に周りの人間が全員チンパンジーだと見下している愚かな奴である。

「わかってるよ」と、アーロンがけだるそうに言った。

「やる気を感じねぇな。スワロ王国の誇りある仕事だぞ!」

少し怒った様にヘンリーが言った。

「兄貴の言うとおりだ!誘拐した子どもは、我々の世界で戦争の兵力になっているんだ」

と、便乗したトマスが言った。

「ああ、分かったよ」と、アーロンは全てを飲み込んで言った。

「じゃぁ今日はお開きですね。それぞれの仕事もあるだろうし」

エリザベスが言って、この険悪な場を終わらせた。会議が終わると続々と外に出ていく。マイペースで動きがゆっくりな、アーロンとフランシスは最後に会議室を出た。

「アーロン。エリザベスさん可愛いよな」

と、フランシスがいきなり言ってきた。アーロンは、あからさまに嫌な顔をしながら、「そうか」と返事をした。

「そっけねぇなぁ!お前エリザベスと仲いいだろ?今度、飯をセッティングしてくれよなぁ」

「なんで、そんなのやらなきゃいけないんだ!」

「アーロンは水玉病フェチだろう?俺は水玉病の女いっぱい紹介できるぜ。なぁいいだろ」

「わ、分かったよ」五秒ほど考えてからアーロンは言った。

「交渉成立だな。約束だぞ。よろしく頼むぜ」

ニチャリと笑って歩き去っていった。

 外に出ると天井が見えない程に大きなホールに出た。大きなホールの割には壁が貧相で全面錆びた鉄で出来ている。沢山の人間が行き来しており、皆忙しそうだ。天井からは大きなスピーカーが垂れ下がっており、ラジオが流れている。(一月二日、我がスワロ王国は、タイガ海岸沖で集中爆撃を行いました。爆撃に使われた兵士は、別の世界ロンドンの人間であります。スワロ王国の存在は今日もゼロです。)といった内容のラジオをホールの人間は仕事をしながらも大切に聞いている。皆何処か嬉しそうである。このラジオの言ったとおり、アーロンたちが、誘拐を行っている理由は戦争に勝つためで、誘拐された人々は全く別の世界に送り込まれて戦わされているのだ。

ジリリリリリリリ

ホール中央にある時計が鳴り出した。時計は丁度六時を指している。時計の隣にはギロチンが堂々と鎮座しており、赤いマスクを被った男はその前に立っている。

「あ、今日は4月25日か。」

今日は毎月25日に行われる恒例行事のギロチンショーだ。スワロ王国の信じるトルクヤ教では、処刑というのは神聖な行事であり、執行人は選ばれた神聖な人間でなくてはならない。処刑という神聖で笑える行事を数多くの人間が立ち止まり観覧している。

「この男、異教徒であり、宗教の経典に従い人の目をえぐり食べた罪がある」

と、全身真っ赤の服を着た男が言った。赤いマスクに赤いワンピースと全身真っ赤の衣装が処刑人の仕事服である。禍々しく恐ろしく見えるが、赤いのは恐怖を与えるためではなく、血が目立たない様にするといった機能的意味である。

「目を食べる宗教とは・・・。」

最近の宗教であるだろうか?聞いた事のない教えである。全くもって野蛮な宗教だとアーロンは思った。

「お前(処刑人)人間みたいに愚かだな」

と拘束具だらけで血だらけの男が言った。間違いなくこれから殺される反逆者であるだろう。処刑人の様に真っ赤である。

「人間の様に愚か?私は人間だよ。人の目を食べるお前らの方が人間じゃない。しかし私は君を人間と認めて殺そう。人間を愚かというのは、人間だけだからね」

と、赤いマスクをした男は言って男を押さえつけギロチンに固定した。

ストン

男の首はあっけなく落ちる。皆、薄ら笑いを浮かべている。男の首がギロチン台の前にある首入れのカゴから転げ落ちてアーロンの押元にぶつかって止まった。落ちた首はニッコリと笑っていた。

「地獄に落ちる奴はきっとこんな顔をしているんだろうな」

アーロンは少し笑いながらボソリと言った。ギロチンショーを見終わったアーロンは何食わぬ顔をして何時もの行動に戻った。

ホールの右端には両替商が営む店がある。ホールの中で最も綺麗に整頓された場所で、人で賑わっている。店の上部にある看板は、スロットのリールの様なものがグルグルと回っている。アーロンは毎日両替商の店に行く事が日課で、店員とも仲が良い。

「アーロンさん今日も来たのですね。看板見てください。今日の交換レートは一ポンド62クイン銀貨ですね。実質的価値から見れば六倍ですよ。戦争に勝っていますからね。ポンド高ですよ」

と、両替商のおじさんが丁寧に言った。綺麗なスーツを身にまとい、銀縁メガネをしていて、とても上品な見た目をしている。イギリスのポンド紙幣は、スワロ王国にとって大変高価な代物なのである。存在を認知されずに活動しているスワロ王国は、イギリスのポンド紙幣を手に入れる事がとても難しい。そのため、スワロ王国の紙幣とハイレートで交換されているのだ。

「そうか。今日はかなり良いな。5万ポンド家族に振り込んでくれ」

と、アーロンが両替商に言った。

「そんなに!凄いですね」

「家族のためさ」

「そうですか、家族を愛していらっしゃるようで」

「ああ。向こうには、嫁と娘が一人いるんだ。そのために誘拐の仕事も警官もやっている」

「可愛い娘さんとお嫁さんのためだなんて良いですね。私がしっかりと家族に送り届けます」

「よろしく頼むよ」

「幾ら払ったって家族は言い訳にはならないのに」

ぼっそっと隣にいた黒いコートを着たひょっとこ面の男が言った。アーロンが振り向くとその男は、すぐ何処かへ見えなくなってしまった。

もう既に遅刻している交番の仕事に戻るため、ホールのトイレに制服にちんたら着替えにいった。ホールのトイレは刑務所の様に汚く、三年間は掃除されていないのではと錯覚するほど酷い状態である。脱いだ服が地面にも便座の蓋の上にも置くことは、絶対に避けたいのでアーロンは、抱えたまま着替えているので大変不格好である。着換えの様は無様であったが、制服というのは魔法みたいにそれなりの格好良さを与えてくれるもので、アーロンもそれなりの見た目になった。

「あ、ピエロじゃないか」

トイレの個室の扉を開けるとピエロがいた。右手には赤い服を抱えている。

「アーロンか。言うなよ」

ピエロはジッと睨むように言った。アーロンは最初、言われた意味に気が付かなかったが、右手に持っている赤い服が処刑人の服である事に気が付いた。

「あんただったのか。処刑人」

「これも、私の仕事の一つさ。それでも人殺しには変わりないけどな」

「仕事ならしょうがないさ。それに、首を刎ねられた奴は笑ってたぜ。ありゃあ地獄に落ちる悪人の顔だよ」

「それはどうだろうな?私には分からないよ。少なくとも奴はきっと天国に行けると思っているだろうよ」

「はぁ?」

「彼らの宗教、カプ教は目を食べると別の素晴らしい世界に転生できるという物だからな」

「気持ち悪いな。そんな世界無いのに」

「気持ち悪いかい?私はそうは思わない。確かに彼は間違った事した。けれど、何処だか知らない別の世界に救いを求める事は大切な事だと私は思うね」

「そういうものか?」アーロンは首を傾げながら言った。

「そういうものさ。あ、そういえば最近誘拐された人間を救出する奴がいるらしい。ジャックって名乗っているみたいなんだがな。今日私が処刑した罪人もジャックの部下だ。アーロン気をつけろよ」

「ああ、気を付けるよ」

と、アーロンは言ってトイレを後にした。ホールの出口は、小さなドアの様な物である。扉を開けるとアーロンの身長と同じ位巨大な目がジッとこちらを見つめている。青色の目がクトゥルフ神話に出てくるような化け物にしか見えない。しかし、アーロンはその目に一切驚く事なくドアの向こう側へ歩いて行った。外に出ると、アーロンの身体はみるみるうちに大きくなり、アーロンを覗いていた目の持ち主であると言われても遜色がない程のサイズになった。実を言うとこれは元の大きさに戻ったという表現の方が正しい。先程までアーロンがいたのはブリキで出来た緑色のバスの中であったのだ。緑色のバスの玩具に入ると皆小さくなってしまうのである。バスの外はおもちゃ屋で、沢山の玩具が置かれているブリキのバスもその一つとして紛れている。バスの玩具は、その特性を生かして店内をグルグル移動して誰にも買われない様にそして誰かが出る時は人目につかないようにしているのだ。

「アーロンさん。お疲れっです」

と、おもちゃ屋の店主が言った。さっきの目の持ち主である。二十代前半の好青年といった感じで、大きいと不気味であった目も、元のサイズに戻れば中々美しい青色をしている。

「ああ、これからまた仕事だけどな」と、アーロンが返す。

「そうすっか。気を付けて」

アーロンは玩具屋の扉を開けると自動的に鳴るベルと共に外に出ていった。

 交番にはメアリーが座りながら事務仕事をしている。とても怒った様子で仕事に勤しんでいるが、理由は分かっている。仕事の開始時間を既に三時間オーバーしているのだ。会議があったのでしょうがなく遅れてしまったのだが、この言い訳を言うわけにはいかない。

「すまないメアリー。寝坊をしてしまったんだ」

アーロンは申し訳なさそうな雰囲気を出来る限り醸し出して謝った。

「仕事だろ。ちゃんとやれよ」

すっかりメアリーは説教モードである。

「申し訳ない」

「まぁいいわ。仕事をしましょう」

三時間も遅刻したので、仕事をする時間は何時もより少ないはずであるがメアリーが出す、怒りのオーラが交番内に充満しているので一秒を長く感じる。時計がチクタクなる音が鮮明に聞こえる。時折やって来る、道を聞きに来る人や失せ物を探しに来る人の対応が空気の緩む瞬間で、アーロンにとってありがたい存在であった。それ以外の時間というのは、ひたすら無心に事務仕事をやっていたので何時もの倍以上は仕事が進んでいる。

「アーロン。だいぶ進んでいるわね。何時も真面目にやっていれば、これくらい進むんじゃないのかな?まぁ今日は、もう終わりよ」

メアリーが言った。

「お疲れ様です」ようやく終わった、といった感じにアーロンは背伸びをして足早に帰ろうとした。

「アーロン。今日は遅刻の埋め合わせとして飯を奢りなさいよ」

メアリーはアーロンの腕を引っ張り引き留める。これは困った事になった。何せこれからアーロンは、誘拐した人間の見回りをしなくてはならないのだ。しかし、遅刻してしまった手前とても断りにくい。

「はい」

アーロンはメアリーの圧にやられて言ってしまった。しかし、問題はないだろう。飲みに行ってから見回りをすればいいだけである。

いつもロンドンに住んでいるというのにあまり飲みにいかないものだから、中々店が決まらない。吟味しすぎて疲れ果てた頃に、面倒くさくなって目の前にあった二階建てのくたびれた飲み屋に入ることにした。

「いらっしゃい」

と、店のくたびれ具合にしては元気の良い店主が出てきた。お店は意外にも賑わっており、いい席は全て埋まっていた。仕方なく、外の風が漏れ出ているハズレの席に座ることになった。すぐさま若い女の給仕が注文を取りにやってきた。同じ水玉病を持っていてアーロン一瞬ギョッとしたが、同じ病気ということもあって親近感が沸いた。

「ジン二つ頂戴!」(ジン=大麦やジャガイモなどの蒸留酒)

メアリーはアーロンの注文まで勝手に決めて言った。若い女の給仕はニッコリ笑って頷いた。

「アニー注文は何だ?」店主が若い女の給仕に聞いた。

「ジン二つです」

と注文を受け取った若い女が言った。どうやらアニーという名前らしい。機敏に動いてすぐさまジンを二本持ってきてくれた。メアリーはすぐさま瓶を開けてラッパ飲みし始めた。意外と勇ましい女である。アーロンは少し引いている。

「いやー疲れましたな~」

メアリーは上機嫌である。早くも酔いが回ってきたようだ。アーロンは最初、ぎこちない返事をしていたが、メアリーのいい加減さにどうでも良くなってきて、いつのまにか会話がなだやかになっていった。

「あなたの親ってどんな人?」メアリーが聞いた。

「なんでそんな事聞くんだ?」

「あなたの事が気になるのよ」

「知らない。孤児だから」

「そうなの。私も一緒だわ、アーロンとは共通点が多いわよね」

「お互い知らない親に水玉病を押し付けられたんだ。たまったもんじゃないよな」

「親なんか大っ嫌い。良く親孝行しろと言われるけれど、あんなの間違っている。世の中には感謝するべき親とそうでない親がいるのに」

「全く、その通りだ」

その後の二人の会話は汚い言葉で溢れている。警官の上司や同僚であるジョーンズやフランシスが気に食わない話など散々悪態を付いた。飲みなれないということもあってかアーロンは二時間もしたら早々につぶれてしまった。仕方なくメアリーは瓶に残った三分の一に程のジンを飲み干して、会計を始めた。

「あ。僕の財布これです」

会計の動作に気が付いたアーロンは死力を尽くして財布を取り出しなら言った。

「ありがとう」

メアリーは言って財布を受け取った。会計をしている時にメアリーはふと目にしたものがある。アーロンの財布の中には家族写真が入っていたのだ。誰が見ても幸せそうな家族写真で、アーロンと妻、娘の三人といった構成に見える。しかし、メアリーはその写真をそっとしまってそのまま会計を終わらせた。

「ごちそうさまでした」

と言ってメアリーはお店を出ていった。アーロンをメアリーが支えながらゆっくり歩く。二人は夜の街に消えていった。


深夜二時といった時間であろうか。マイケルたちは、あの不思議なブリキのバスの中に居た。ブリキのバスの中は階層ごとに分かれており、マイケルがいる最下層の牢獄には、沢山の人間をそれぞれ三人ずつ酒の瓶の中に閉じ込めている。マイケルとジョン、マーティは同じ小さな酒瓶に入っている。小さな酒瓶であるが、三人も一緒に縮小されているので中々に広い。まるで金閣銀閣の瓢箪みたいだ。

「俺たちどうなるんだろうな」マーティが言った。

「分かる訳ないだろ」

マイケルはこの切羽詰まった状況にイライラしながら答えた。ジョンはあたりをキョロキョロして落ち着かない様子である。

「戦争に連れていかれるのよ・・」右隣の瓶から声がした。

「え?」

マイケルは驚いて振り向いた。声の主はいかにも弱そうな少女であった。とても美しい見た目をしているが、残念なことに全身水玉模様の水玉病である。青色の水玉模様が少しだけ気持ち悪い。その上、目が見えないのだろう瞼を常に閉じている。

「お前、誰だ?何でこんな事知っている?」マーティが言った。

「知っているのは占い師だからってだけ」

占い師というのであれば、タロットの一枚や二枚持っていて欲しいものだが、それらしき物は何も持たずに、只座り込んでいるだけである。しかし、この少女だけが、瓶に一人で詰められており、明らかに醸し出す雰囲気が違う。

「は?占いなんて信じられるか!」マーティが言った。

「信じなくてもいい・・・それにここに居る人達は助かるわ。いや最も苦しい場所に連れて行かれるだけかもだけど」

「そうかい。ありがとう」

マイケルは、これ以上話しても仕方がないので話を切った。意味深な言葉ばかり並べやがる気持ちの悪い奴だ。その後マイケル等は無限とも感じる無言の時間を瓶の中で過ごしている。マーティとジョンがいなかったら今頃マイケルは息が詰まって死んでいるだろう。

「あの・・・」

マイケルとマーティの話をさえぎる様にジョンが言った。

「ん?どうした?」マイケルが聞いた。

「おしっこ行きたい・・・」

ジョンが困った顔をしている。マイケルとマーティはより困った顔をした。

「死ぬ気で我慢しろ」

二人は顔を見合わせ言った。この密閉された空間でそんな事をされたら、堪ったものではない。よく見たら別の瓶では黄色い液体が下に溜まっている。自分の危機に目が行き過ぎて気が付いていなかった。

「あと少し我慢しろ・・・・・助けてやる!」

黒いコートを着たひょっとこ面の男が言った。小さい瓶から覗き込む姿はとても怖い。ひょっとこ面なんて物を知らない彼にとっては尚更である。

 男はマイケル等が入った瓶を掴んで封を開けた。勢い良くマイケルたちは飛び出して元のサイズに戻った。

「ウォッ」マイケルは思わず言った。久しぶりの外の空気を感じる。満員電車を出た時の爽快感にそっくりな感覚だ。

 どうやら本気で助けてくれるらしい。次から次へと瓶の蓋を開けて人を助け出している。手慣れた手つきで二分ほどで七割程を外に出して見せた。

ドーーーーン

助け出された一人の頭が吹っ飛ぶ。ガチャリと次の弾を装填する音で皆が気付く。マイケルの足元に転がっている死体はショットガンで撃たれたのだ。

「アーロンの野郎。見張りをサボったな」

撃った白煙の中からピエロが出てきた。

「悪魔め!」

ひょっとこ面の男が言った。マイケルの目にもピエロが悪魔に見えた。

「そうかい。でも私は今から君を人間と見て殺す。これが祐逸、処刑人(仕事)としてのプライドさ」

ピエロはショットガンを構えてそう言った。


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