握手
長いです
「さっきのはなんだったんだよ」
早足で歩く海について行きながら翔太郎が訊く。ひよりは黙ってついてくる。
「...............」
「黙ってないで答えてくれよ!それに今どこへ向かってるんだ?」
「あっちに文明があるんだ。さっきのは俺の《ギフト》な。他にもいろいろできるぞ。ま、俺がいりゃ危険もないってことさ」
2人はやはりいつもと違う海の口調に違和感を感じずにはいられないが、目を瞑った。
「それにしてもすごいよな。あんなに殺気を放って強そうなやつを3匹もやっちゃうなんて。俺には戦いが見えなかった」
否、見えなかったのではなく、正確には見なかったのである。翔太郎はこれまでの人生で、あれほどの殺気を感じたことは初めてであった。それもその殺気の主が自らの後輩というのであるから目を開けてはいられなかったのだ。
「ほれ、民家みてえなものがあった」
「ちょっと、海!待っ」
海は目に付いた民家に1人で入っていった。
「アイツ...!」
ここでしばらく黙っていたひよりが口を開いた。
「まあまあ...彼、嬉しいんですよ。ほら、もといた世界......ですかね?とにかく私たちが知る限り仕事ではいい所なかったじゃないですか。自分に力があって、人を助けられるのが今の彼の核になってるんじゃないでしょうか」
この女こんなに喋る人間だっだろうか。と翔太郎は思った。
「彼のデスクで、カッターを見つけたことがあるんです。それも新品の、それなのに刃の先の方だけは黒く汚れていたんです。これがきっかけになって......」
「わかったもういい」
その後の気まずい沈黙を破ったのは海であった。
「取材してきたぜ!なんかちっこいババアがいてよ......」
海が言うには、その老婆は自分たちと同じ人間のような見た目をしており、自分は占い師だと言った。
数年前異世界から侵攻を受け、食料などを搾取され続けている。
すべての世界では人間はそれぞれ固有の能力を身に宿しており、それを自覚するには、自ら能力の使用条件を満たした時にその全てを理解する《閃》、他者の能力によりその能力を解明する《解》の2つがあり、《解》での自覚より《閃》での自覚による能力使用の方が強力になる……との事であった。
「もっと聞くことあっただろうが...」
「まあいいだろ。とりあえず俺はこの世界に侵攻してきた輩ぶち殺しに行くけど、お前らは?」
「は?」
「私は行きます」
「は?」
「決まりだな」
「いや俺はまだ何も...」
そう言いかけたが海に手を取られ握手という名の暴力で強制された。
「...行くよ」
翔太郎がそういうと海は手を離し、ひよりと暴力でない握手を交わした。
「!」
「どうした?ひより?」
長いです。感想や評価待ってます、よろしくお願いします。
アドバイスとかお願いします。