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そして署名を行う事にした……のだけど。
「増員時も追加で署名するのと、レムリア大陸を守る上で、未署名の者達については外敵として扱います。くれぐれも未署名人員を創り、どうにかしようなどと考えない事です」
「客も来るのですが?」
「そうですね。危険なアトラクションでは事前に事故が起きた際の為の契約書を書かされるそうですが、それと同じにしましょうか。私側はそれを把握していれば良いわ。そもそも金は幾らあっても足りない様な事をするのよね?入場制限を掛ければセーフティーをスタッフとその制限以下の人数の分だけで済ませられるから、セーフティーが大量に用意出来ていなくともやりようは有るはず」
「……解りました。では署名します。皆に連絡を付けるので、少々お待ちを」
「お願いね」
そして皆に話を通すと。
「ステータス的に格上だからと偉そうにしやがって」
「ステータス的に格上を倒す系の効果の能力とかないのかしら?」
「ステータスが圧倒的なら何でも勝てるなんて思えないわね。例えばステータス無視系とか」
「そもそもステータスを無視とかどうやるのよ?ゲームならダメージ計算式介入で済むけど」
「要はステータスが発揮出来ない様にする攻撃を与えれば良いかも?」
「ならそう言えばゲームみたく全くの同一種族の個体が敵に大量に居るならその内の一体を捕まえて、それを研究してしまえば良いのでは?」
「存在特攻と言う奴はそれなら出来そうね。問題は召喚システムの都合で前提条件的に一体一体が別々の設定で作られているから、本人自体に喧嘩売らないと無理な事だけど」
「制限が有るとは言え、基本的には自由に召喚する奴を構築出来ますしね。それはやらない様にする方が良いのかも知れませんが」
「相手のステータスを無視するのではなく、相手のステータスを基準に火力上昇とかどうなのだろう?」
「ああ、例えばゲーム的には相手に与えるダメージ計算の参照値を相手の攻撃力を元に計算すると言う奴ね……ゲームなら余裕でやれそうね…………ステータス万能主義なら攻撃を当てさえすれば相当なダメージを与えられそう」
「防御力特化には意味なくないですか?」
「でも、相手の火力と同等クラスの攻撃力は得られるから、火力特化相手になら只の水掛け論的には負けないで済むわ」
「例外はそれなりにありそうですが、……例外?普通なら交渉打ち切り検案を積み重ねてもそれでも交渉を成立させようとしてくるのは何か裏が有るのかも……それこそ今後下級神以上の奴と戦う予定でも有るとか」
「それなら協力をしようしようとしてくるのは、その事に関連する?……下級神格と戦って生きている奴がそれでも戦力が足りないと思うレベルの奴と戦う予定疑惑とか勘弁して欲しいわね。そもそも此方はそうしようとしている奴に一蹴されているのに」
「共同体を大きくする事で利益が有るのかも。ゲームでギルド機能とか良く有るのですし」
「……実力的には人員募集すれば簡単に集まる気もするわ。そもそも元は軍の所属なはずだし、其方から人員補充は簡単なはず」
「聞いたら戻れない事情とは何なのでしょうか?それが怪しい気がします」
「……話を統括すると、それが何にせよ、協力を受けるのは明らかに危ない橋を渡る事に成るわね。でも、此方もそれは関係なく、それなりに既に問題を抱えているのも確かで、そういう問題に格上の奴を呼べる伝手は欲しいわ」
「……うーむ。自分達でも解決可能かも知れない問題の対処を楽にする代わりに、更に大きな問題に巻き込まれるのは有りなのでしょうか?」
「討伐する事の懸賞金数千万の海獣とか居たらしいけど、悪さをする下級神の討伐の懸賞金がその額を下回る訳は流石に無いわよね……でも楽にするのは重要よ。そもそも本来なら工事費用に払うべき金額を能力で工事する事で払わなくて良いように済ましている訳だし、上手く行った後に起きた問題で、此方の所有能力では代用不可能な検案が出たらアレなのだし。何せ財力自体は現時点では大国に及ぶ訳ないもの」
「そう言う風にしないように立ち回れば良い。……と、言うのは簡単ですが、そもそもムー大陸自体が成立したら利権の塊な訳ですし……」
「手っ取り早いお金を稼ぐ方法は無いかしら?」
「ケール様……無くはないですが、それに飛びつくくらいなら召喚をしてください」
「……そうね。大規模な大会を開けるなら大会参加費を一人につき一万千円にして、千円を場所代費用とかで運営側が貰い、残りの一万を大会優勝者が総取りとかやれるのだけど」
「それならやっている所は有りますよ。……ルール上能力の使用は禁止ですけど」
「……それはやる意味有るのかしら?」
「召喚された奴が参加不可能な訳では無いので、単純に能力関係なく物理で強い奴をメインに据えた大会ですね。……まあ、能力関係のレギュレーションを決める事自体に無理があるので、仕方ないのですが」
「誰かに行かせる?」
「まさか。因みにケール様は止めた方が良いかと。バフは事前に検査して潰されるそうなので。それに不正封じの仕様も有るようです」
「実質参加費千円でそんなに至れり尽くせりな仕様なの?裏が有りそう過ぎてアレなのだけど」
「前回のそれは特に問題なく終わった様ですがね。我々と同じパターンでしょうから、掛かる資金は無視して良いかと」
「場所代費用を考えるシャレに成らないはずなのだけど……まあ、多分追加サービスへの課金制なのかしら?大会参加者への補助系のサービスを有料で行うとか」
「……それ、例えば試合後、スタッフに回復技系を受ける権利が有償支給ならえげつない事に成りますよ?」
「参加費がそもそも最低限なのに回復系の援助迄受けられるのが当然と思うのはボランティアに対して言うにしても酷くない?」
「……相手が使うのが前提扱いに成るならサービス受ける為にかなりの回数課金をしないと駄目な奴だ……」
「最初から高額取って全員に補助受けさせたら良いのに」
「それで高額にしたらそもそも集客できなく無い?あくまでスタッフから回復技系を受けられないだけなら自分で回復技や回復アイテムを用意すれば良いだけだし、高額な参加料を最初から取るよりは集客出来ると思う」
「ルール上、体の構成上、素で物理無効の奴が有利過ぎないかしら?」
「要は場外負けが有るそうです。……幽霊系の奴が確かにヤバイ気もしますけど、流石にそう言うスペックの奴が参加するのは事前に拒否されてほしいですね。大会の趣旨から外れますし」
「攻略するにも、ゲームじゃ無いのだし、そいつらの使う物理無効の理屈が全部同じな保証は無い。一つの仕組みを攻略出来たからと言っても他の仕組みを攻略出来るかは別問題な訳で」
「とは言えあくまで体の機構としての物理無効なのだろ?何でも無効にする無敵パワー的なのは能力使用が駄目な以上は考慮しなくても良いはずだし、そもそも攻撃を当てられないケースでも無ければ理屈を割りさえすれば何とかしようは有るとは思うが」
「……ならそもそも攻撃を当てられないケースが問題か……」
「物理干渉するのが物理無効ならそもそも物量干渉出来なく無い?」
「つまり、そう言う奴らの攻撃に対するその物へのカウンターなら通せる可能性は有ると?」
「そうなのじゃない?幽霊系が物理干渉するのが能力扱いに成るなら互いに決め手が無い試合しか出来ないし、実質出禁に成るけど」
「話を戻します。どうしますか?」
「整理すると、先ずメリットは此方の要求と水の中云々を言う以上は水の制御を広範囲に出来る事は前提として有るはず。つまり、彼女を味方に付けられるとムー大陸の海底都市の全域の防壁の役目をこなしてくれるはず。交渉次第とは言え、彼女は防備策として私達以上の物を提示可能なのよ。問題なのは、彼女達はどういう事を抱えているか、ね。私達に提示出来る以上の防護策をそれと天秤に掛けるのよ」
「でも、一定以上の防壁を用意出来ても、それじゃあ足りない敵との戦いに巻き込まれるのでは意味無いぞ」
「ならそれは事前に確認しましょうか。それさえ良ければ良いと言う事で良いわね?」
「そりゃあそうできれば万々歳だけど、確約は難しく無い?どうなるか解らないし」
「なら、この契約がそう言うのと戦うためじゃ無ければ良いだろ?それは言質を取るべきだ」
「ではそれ次第と言う事で良いわね?」
そして意見は纏ったので、彼女の所に戻り確認を取る。すると彼女は。
「成程。それはつまり、私にほぼ無償で海底都市を守る役目をやらせて、尚且つ対価もまともに払う気はないと言う事かしら?襲撃が有るとしても、実質要人待遇を貴女達全員にしろと言う事ね。そうするなら流石に此方から追加の条件を出すわよ」
「……どうぞ」
「一つ、今後一切他の共同体に参加しない事。つまり、貴女達の言う所の他の共同体との掛け持ち禁止。二つ、要人待遇をするのは本当に要人と、本当に戦う力が無い奴に限る。三つ、ムー大陸で商業をするなら全体の売り上げの二割を此方に渡せ。それを此方の報酬とする。四つ、私達にそのムー大陸を拠点として使わせろ……さて、後は契約書に書くとして、契約時間とかまだ他にも有るけど、今、言及すべきはこれくらいかしら?」
「……それはあんまりです。私達も解体すると言う事ですよね?」
「ふむ。では、外部の人員が構成員の物には参加するな。で、構いません。そうでもしないと機密情報を話せませんから、徹底して貰わなければ成りませんので」
「……そう言う情報が有るなら確かに仕方ないですね」
思うより軽い要求だったわね。
「因みに二割で十分なのは、其処は本来なら一千億を超える資産を掛けないと創れない場所だから。つまり普通にお金を掛けるやり方でやる場合、そう簡単には赤字以外には成りようは無いわね。でも、能力でそれをカットした事で、本来なら赤字の様な事も普通に出来る予算を用意出来る。ちゃんと宣伝して最初の集客でミスをしなければ、客からすれば本来なら多少ぼったくり価格でも安いと感じ、それを払う奴はそれなりに居るでしょう。つまりお金の稼げる匂いしかしないのよね。でも、目標として、大体五百億以上は売り上げ出せないと大型潜水艦買えないのよね。買うなら六百億台の潜水艦でも六十数人くらいしか乗れないし、ハイジャックされてもアレだから半分以上をスタッフにするとして、一度に運べる客は三十人其処らなのだし。セーフティーが大型潜水艦だと言うには相当稼げないとだから、ね。まあ、あくまで、買うならの話だから創れば良いのだけど、一般規格でない潜水艦に躊躇無く乗れる奴がどれだけ居るかしらね」
「ハハハ、五百億は稼げないとアレなのですか」
「潜水艦をセーフティーと言うならね」
「小型の奴でも良くないですか?」
「だからセーフティーにするならと言ったのよ。緊急時に何十往復も出来る時間が有るなら良いのじゃ無いかしら?まあ多分二十人分くらい乗れる潜水艦を用意出来れば、当面は大丈夫よ」
「まだ問題も有ると思いますが」
「ええそうね。例えば辺り一面が海の環境でディナーを……と言うだけなら、どこかの水族館でも似た事はやれるもの。海底都市で有ると言う事を売りにしないと、最初は良くても……ね」
……。
「それはプラネタリウムが有るから、本当の星空は見なくて良いと言う理屈ですよね?」
「多少のぼったくりなら通るとしても、代用品で良いや、の理屈を通せる程高くしたら客は取られて富豪層しか来ないと言う事よ。そして富豪層は一度の来訪者数上限を決める以上はSPを連れて来られる人数も限られるし、富豪層を呼びたいなら一度に滞在可能な人数を引き上げないと厳しいわよね」
「山の上の自販機は運搬費等で値段が高く設定される物ですが」
「問題はそれで盛れる金額が基準も無く不透明な事。前例が無いのだから仕方ないけど」
「一先ず契約書をください」
「解ったわ。はい、これ」
そして契約書を渡された。内容を見る限り至れり尽くせり過ぎる気がするけど、……それだけ儲けられると踏んでいると言う事なのであろうし、遠慮なく契約することにして、全員が署名した。
「さて、一人一人守るのには限界があるから、全員に基礎的な防護の魔法を掛けたいと書いたけど、今それをやるかしら?」
「お願いします」
そして防護魔法を掛けて貰う。これには魔法の力を弾くのと、深海環境でもある程度動ける効果も有る様で、海中で潜水艦に乗る迄の猶予を確保する為の物だそうだ。
「こんなに至れり尽くせりで本当に良かったのですか?」
「ここまでしたのだから、相当稼ぎなさいよ。そうすれば此方にも相応な量のお金が入る事に成るのだし」
「はい。早速ですが、事情を聞かせてください」
「私の庇護下に入った事で、私と同じ方式で強く成った奴らに対しての敵対勢力に入った事に成るのよね」
「ごほっ……マジですか?」
「ええ、まあ同じ方式で強く成る奴が居たらと言う注釈付きだし、いわゆるシェアの奪い合い的な意味でだから、即座に開戦的な物では無いけど」
「じゃあ抜けさせ……」
「他の一定以上の奴に打診しても、そう言う方向以外で貴方達に明確にそう言う奴に保護されるメリットの提示を新しく出来る?明確なメリットが有るからこの話を私は受けたのだし、同じ条件で通すのは私と同じ方式で強く成った奴以外は厳しいと思うわよ?」
「つまり、保護する事自体に相応のメリットが有るから受けただけで、私達が他にメリットを提示出来ずに他に打診しようがそう言うのが無い奴に同じ条件で通るはずがない、ですか……」
「そう言えるだけの条件にはしたつもりよ。さて、問題に付いてだけど、海の荒波で潰れない程度に土地を確保出来れば良いのと、上空に何を設置しようが問題無い事から、能力を使わないなら、最悪ある程度のエリア範囲を囲う海底からの壁を創り、その中に土地を用意し、その上に建物を創る。でも、それで海上に行けたとしてもその建物の上の方の場所を土地と扱うのは駄目な様ね。それが有りなら苦労しないけど」
「……お金に糸目を付けなければ普通に行けそうですね」
「……海面上昇が起きない程度にやるならこれはやるのも問題無いのだけど、……それがある程度起きるレベルでやるなら標高が低い土地しか無い国からすれば絶対文句来るでしょうし、やるならかなり狭い部分だけを国認定させる様にして、海中で生活出来る様にしないと他の国と事を構えないと行けなくなるわね……」
「そんな無茶な……」
「これは能力を使わない場合の話。どかす水を圧縮なり何なりとしてれば良いのだけど、能力無しでやるなら広くするのにも予算的に限界有るのよ」
「どこか別の空間に捨てるとかどうでしょうか?」
「召喚システムの仕組みはともかくとして、質量保存の法則的な意味で世界の外に捨てるのは不味いわよ。目的的に秘密裏にも出来ないから、地球温暖化対策問題と同じ感じかそれ以上に批判を受けるわよ。亜空間とかに保存しておくのも、海面上昇が大幅に起きるレベルの海水を保存できるレベルの収納持ちがそれをやってくれるかどうか……。運搬業者的な動きをしたら大儲け出来そうなレベルの物を実質使い潰す訳だし……依頼するにも相応のお金を積む必要が有るかもね」
「どうにかなりませんか?」
「他の国の事なんて知るか。と言う態度を問題なく取れる立場に成るなんて流石に大国に成るまでは厳しいわよね。秘密裏にやるなら、ある程度の期間は批判を避ける事が出来て、発覚して、その上で批判を受けたら撤収すれば良い、と、何でもかんでも簡単に可能にする能力が有るなら、そう立ち回るのも不可能ではないけれど、そう言う奴が海底都市に拘る必要性自体も特に無いわね」
「何も問題なくそういう事をやれる奴はそもそもそれをやる必要性が無い。でも、金儲け出来る検案では?」
「仮に何でもかんでも出来る状態に成れたなら、そもそもお金を使わずとも問題無い状態には出来るのじゃ無いかしら?」
「……金儲けの方面での交渉自体が無駄と言う事ですか?」
「娯楽方面での打診なら何とか。でも、事前に興味がある事なら既に先に自分でやるわよね」
「娯楽方面での交渉の場合、自分でやろうと思いつかないレベルの奴をぶつけないと、そもそも無駄だと?」
「ついでに貴方達を生かして置く必要性も提示できないとアレよね。報酬払う段階に成ると殺しに掛かるなんて良くあるパターンだと思うし。まあ私の場合は既にメリットは有る訳だけど」
「……」
「さて、そろそろ現場を見たいから移動しない?」
「解りました。では移動しましょうか」
そして現地の海上に船を使い移動し、説明を行おうとしたら、
「ふむ。整地と邪魔な岩石の除去と最低限の都市基盤の設置は完了済み……ね。なら、何処を海上の場所にするかを決めましょうか。まあ、基本的には中央か一番端の何処かでしょうけど」
「では利便性的な意味で中央にしたいのですが」
「都市防衛的には端の方が無難だけど、それでいいのかしら?」
「商売目的なので……まあ、それでいいです」
「中央にでかい昇降機設備を設置する事に成るけど、商業的に景観とか大丈夫?」
「あ、……端にしてください」
「解ったわ。さて、なら、やりましょうか」
そして海がある程度の範囲割れた。……凄い事をしているはずなのに、なんか彼女は不機嫌に成っているわね。……まあ、地雷に成りそうだから、其処には触れない事にしましょう。
「こんな物で良いでしょう。これだけしか出来ない訳では無いですよ。ええ」
……まさかこれ以上の事を出来た奴でも居るのかしら?……地雷検案ね。聞かない方が吉、聞かない方が吉。
「それはさておき、セーフティーはどんな物を考えているの?」
そして説明を行うと。
「ふむ。他には景観が壊れても良いなら、水の入ってないある程度の空間を用意して、災害か何かでヤバイ時にそれの下の方の場所に通れる場所を創りその時に開ける。すると海水がそこから入り、その空間が海水で満ちて行くから海水が入る事で上がる最上部に居れば後は勝手に海上に運ばれる……まあ、もっともその空間を創る壁が先に壊されたら破綻するし、侵攻に来た者が海上に続く目立つ物を破壊しようとしないのは無理が有るから、潜水艦が壊れて脱出不可能に成りました、的な状況でも無いと余り意味無いけど……お、私の分体に丁度いい検案が報告されたわ。オーダーメイドの製品と言うのが有るじゃない?あれはその性質上、服なら採寸データとかを収集するのだけど、その採寸データに相応するデータベースのデータを何箇所かで盗まれたそうなの。犯人を見付けて確保すれば、服関連のメーカーとかにコネが出来るわ。商業するなら悪くないでしょう?私が解決しても良いのだけど、対処するのをやってみない?」
渡りに船では有るが、
「確かにそれは美味しい検案なのかも知れませんが、それは貴女に報告される検案……つまり、敵は相当やっかいなのではないですか?」
「倒すサポートはするわよ。最悪私が倒しても良い。まあそうなると得られるコネの大きさは小さく成るけど」
「……つまり、参加するだけで、最低限のコネは得られると?……いやいや、今さっき情報開示不足で騙されたばかりなのですから、何か有ると疑いますが?」
「私が仕組んだ訳じゃ無いけど、何件も多種多様な身体データを集める意図が、ちょっと嫌な予感がするのは確かね」
「……私達に参加させてください。そう言う意図の奴を潰せる機会に成るかもなので」
「……ああ、貴女達の集まった理由的に無視できない疑惑の検案よね。なら移動しましょうか。話を直ぐに聞きに行くために転移を使っても良いかしら?先ず元の場所に戻りましょう。私の分体に船は運ばせるから」
「解りました。行きましょう」
そして港に転移する。……ふむ。そして話を聞きに行く。如何やら何回も行われている様で、対策自体はされている様だ。そう言うデータを集める場所に居とけと言う事らしい。
「犯人さえ割れば後は逃げようが、何だろうが私が何とかするわ。だから警護をやりなさい。コネを得たいなら確保迄私に頼らない様にしないとだけど」
「……正直無理筋な気がするのですが」
「なら何人か連れてきなさいな。戦闘でも使い物に成る奴くらい居るわよね?」
「それは確かに居ますが貴女比べられると……」
「じゃあコネ作りを辞める?」
「……それはそれで困りますが……ええい。解りましたよ。やりますよ」
「宜しい。じゃあ話は私が通して置くわね。明日朝の九時から入る様にして貰うわ。明日またここに朝八時に来なさい。良いかしら?」
「解りました。では明日お願いします。」
そして準備に取り掛かる事にした。