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練習

ガチャ、と鉄格子の鍵が外れる音が牢屋内に響き渡る。

とある戦いで疲れ果てていた私はその場から動かないまま目だけをドアの方に向ける。

そこには、真っ直ぐに伸ばした金髪の美しい女性が、私を睨みつけていた。

私は女性の睨みに怯む事は無く、早くさってくれと願いを込めつつ女性の瞳を見つめ返した。

それが、どのくらいの時間続いたかは分からないが、唐突に女性は口を開く。


「それで返事は決まったか?」

「ふっ……」


何度も同じ返事を返した筈なのに、彼女は数時間おきにはここに来て私に聞いて来る姿に私は小さく笑みを漏らしてしまった。


「何が可笑しい?」


女性は怒気を滲ませて私に問い掛けて来るけど、私に答える義務なんて無いから無言を貫く。


「答えないか……ならば仕方ない。素直に吐かなかった事を後悔させてやる」


女性はそれだけを言い残すと私の前からさって行く。

私は女性を見えなくなるまで見送ると小さく笑う。


「ふふふ」

(可笑しいわ。笑えて来る程に可笑しい……そんな台詞を言ってしまうなんて、案外可愛いかも知れないわね)


負けフラグを建てた者が、生き残って来た歴史は無い。

果たして、女性……ムキルはどんな結末を迎えるのか、私はそう考えただけで楽しみで楽しみで仕方ない気持ちになる。


「ふふ……楽しくなりそう」

__________________


私はそれから暫くの後、牢屋から出されて大きな建物へと連れて来られた。

その建物は長い年月が経っているのか、所々に色褪せ等が見られるが、それ故か、その建物から感じられる貫禄は凄まじく、私は思わず見惚れてしまった。


「暫らくの間、ここで待っていろ」


衛兵と思われる兵士は建物の入り口まで着くと、私にそれだけを言って建物の中へと入って行く。

私は兵士が居なくなった事にも気付かずに、建物を隅から隅まで見回す。


(何かが当たった跡があるわね。それも、屋根から……これは昔にここで争いがあったと言う証拠。敵に狙われるなんて無差別犯以外ではそうそう無い筈、それもとても重要な建物みたいだし。ここには狙われるだけの理由があったみたいね)


建物に残る痕跡からそう判断した私は、その理由が知りたい衝動に駆られる。

しかし、それに任せて動いてしまえば悪手だと自分に言い聞かせる事でその衝動を鎮めた。


「ふぅ……」

(これ以上見てたら衝動が抑えられ無いわね。別の事を考えましょう)


私は建物から視線を反らすと、周りを見回す。

すると、遠くの方に街が見えた。


(ここがどの程度の文明か知るチャンス。何が起こってもいいように小さな情報だけでも収集しましょう)


情報を得るべく観察していた私の目に映ったのは空中戦を繰り広げる光景と大爆発だった。


(何も見なかった……そう言う事にしておきましょう)


破壊活動を見なかった事にして、私は役に立ちそうな情報は無いかともう一度周りを見回そうとした時、私の前にある建物から兵士が出て来た。


「陛下がお呼びだ。早く来い」


「はぁ……分かったわ」


兵士の口の聞き方に怒りを感じてしまうが、それを言った所で無意味だと分かってるだけに、私は思いを溜め息に込めて吐くだけに止めて、兵士の後に着いて行く。

今日中に書ききれたら投稿するぜ。今回みたいに真面目な話は書かないから安心してくれよ。

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