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第2話

面倒くせぇ、を味わってください。

「このゲーム初のデスペナが自分の武器とか・・・ははっ」


 初めての能力低下状態『デスペナルティ』を負ってログインポイントに戻った俺は逆刃刀を「面白い」と感じていた。


 勘違いしないでほしいけど、俺はマゾじゃない。

『ラビアン』はこういうゲームなのだ。



 以前迷宮を攻略していた時にも、敵にはダメージは通らないが味方には攻撃力∞というネタ武器があった。


 だけど、この武器にはお誂え向きの「自分のダメージを敵対している相手に返す」というスキルもあった。


 このスキルは必中という特性があり、このコンボは瞬く間に広まり、運営がその武器の取得難度とスキルに修正を入れるまでになった。


 そして、修正により味方の攻撃の反射が必中でなくなったことで誰もが通常プレイに戻っていった中、あるコンビがダメージ反射に特定の角度があることを見つけ出し、イベントレイドボスを一撃で葬る、という偉業を成し遂げた。


 これにより攻撃力∞の武器はレイドボスには無効という措置が取られることになった(そもそも攻撃力∞というのがネタ武器にしか存在しない)が、そのコンビは運営によって大々的に讃えられ、その措置に二人も不満どころか誇らしげだった。


 ちなみに反射角さえ覚えればその戦法は今でも有効なようだ。

 それ以上の修正がなかったのは単体で使えないコンビ技で、そもそも位置取りが難しいというのもあったのだろう。


 そしてこの大々的に讃えられる、という行為が俺が放置することになった原因だ。

 というのも、俺が全迷宮制覇したのはソロでだ。


 それを晒された俺はインし辛くなった。


 別にコミュ障というわけじゃなく、声を掛けられるのはいいんだけど、クレクレ君が大量に押しかけてきたからだ。

 情報は提供してるんだからwiki見てくれよと。


 話が逸れまくってるけど、誰も話し掛けてこないところを見ると、一年経ってもう忘れられたか気付かれてないかだな。



 とまぁ、ネタ武器に使い道を見出すのも楽しみの一つでもあるわけだ。


 そしてそんなやり込みまくってカンストのレベル99なはずの俺をあっさり殺した逆刃刀をどう使おうかと考えると楽しくなってきた。


 そして気付いた。


「そういや『剣技』に峰打ちねぇじゃねーか!」


 そう、このゲームでは『剣技』に分類されるスキルがあり、俺はそのほとんどを習得しているが、それらは片刃が基本で、刃を当てることを前提としたスキルしかなかった。


「つまり、PSでなんとかするしかないってことか」


 剣の向きを変えて持つことはできない。

 それはシステム上無理だ。

 手放して拾っても自動的に正位置で手元に来る。


 逆向きに右手から左手に持ち替えようとしても同じだ。

 可能なのは片手持ちか両手持ちかくらい。


 そして俺は反射のスキルも持っていない。

 ソロだったからな。

 そもそもセルフダメージは反射できないようになっているからこそコンビ技なんだ。(そもそもそれは想定されていたのか怪しいけど)


 となるとなんとか峰側で当たるように自力で振るしかなさそうだ。

 前はスキル頼りだったからあんまり自信ないけど。


 というのも、このゲームというより、VisonRemakeの操作システムだ。


 グローブ型コントローラーとVRヘルメットとベルトの動きを近くに置いたゲーム機本体のセンサーで腕・頭・胴体の動きとして反映させる。

 そして、グローブの動きがそのまま手の動きとなる。


 それでわかるように脚には何もない。

 まぁ、足の動きまでやってたらドタバタうるさくなるのは間違いないな。

 戸建ての一階ならともかくそれ以外だと迷惑極まりない。

 おそらくそれが理由で脚には何も付けないようになったんだろう。


 というわけで上半身だけ動けばいいので初期位置設定すれば座ったままプレイできるが、当然立った方が反応は良くなるし、体を捻る動きもできる。


 細かいことを言えば、後ろを向く、という動作も立っていればすぐにできるが、座ったままだと旋回する操作が必要になる。

 縦に指をスライドさせてメニューを出して横にスライドさせるという十字を切るような動作で旋回する。

 もちろん立っていてもその旋回は可能だ。

 その場で回った方が早いけどな。


 逆に戦闘中等は相手に拳を突き出すことでロックオンができる。

 そうすると後ろを取られるということがなくなるし、うっかり背中を向けてしまうという操作ミスもなくなる。


 ただし、素早い相手にこれをやると画面が高速で回転して大変なことになるらしい。


 なのでロックオンをされた場合の対処法はこちらもロックオンして横移動でとにかく周りをぐるぐる回るだけ、とシンプルだ。



 そしてUIはグローブの指の先端にあるボタンだ。

 右の親指が前進、左が後退、片方を押しながら両方を押すことでダッシュする。


 また、同時に短く押すことでジャンプできる。

 体の傾きとリンクするので前進しながら傾けると斜め移動、横に傾いて前進すると横移動、さらに横に飛んで回避、ということも可能だ。


 そして残った指のボタンにスキルのショートカットを設定する。

 回復アイテムの使用も可能で、ショートカットを使うと使用確認を飛ばせるというメリットもあるが、誤使用のデメリットもある。


 PvPの上級者はこの指の動きすら見るらしい。

 一度スキルを使うとその指のスキルは読まれてしまうということだ。



 とまぁ、喋っているだけでも混乱しそうになる。

 始まった当初はこの動きを覚えるのに苦労した。

 日本初のVRゲームだったしみんなそうだったけど。

 ログインポイントでみんなピョンピョン飛んでる映像は今思い出してもシュールだ。


 そして俺はこれに慣れるより先に自動で動いてくれるスキルが楽でそれ頼りになってしまった。

 こっちでやるのはそのスキルの発動ポイントに武器を構えるだけ。

 そうすればラグが減って発動が早くなる。

 さらに言うと、スキルの動きに合わせて動けば、スキルを出し切った体勢から次に繋げやすくなる。


 なので、スキルに頼る為の動きは慣れてるけど、スキルなしで、というのは正直辛いかもしれない。


 ぶっちゃけこの逆刃刀でのゴリ押しに期待したい。



「これ、峰を向けて構えられるかな?」


 峰でガードできればそれだけで武器破壊できる。

 そう思って刀を持たずに目の前で峰が前に来るのをイメージしながら手首を捻ってみる。


「いててて。きっつ!」


 ゲーム内の俺はグローブの動き通りに腕を捻るが、現実の俺の手首はいっぱいいっぱいだ。


「上段に構えるのは無理だなー。下段から、こうっ!か?」


 受けることは早々に諦めて攻撃する方に思考を切り替え、腕だけで斜め下から裏拳を振り上げるように素振りをしてみる。

 ゲーム内の右手が同じように動く。



 このゲーム機のセンサーはプロボクサーのパンチも再現するという謳い文句の通り素人の動きくらい余裕で反映する。


 ちなみに本当にボクサーがパンチをしたところでパンチの速さは命中に影響しても威力には影響しない。


 ついでに格闘系は拳をリアルに握り込むとスキルボタンが暴発するという罠もある。


 俺は剣を使うときはコレ用の握り込める柔らかいボールのようなものを持ってやるようにしてるが、素手でやってる人は格闘じゃなくても暴発することがある。


 というか、初期の俺がそうだ。

 思わず力が入って拳を握ってしまうのでボタンを押してしまうのだ。

 そこで発売されたのがこのボールのような物体。


 指の形に溝があって、任意の指に力を入れて押さえると、ちょうどその指のボタンが押せるようになっている。

 商品名はそのままVRグリップ。

 コレ自体にVR要素はないんだけど。


 最初はこんなものいらないだろうと思ったけど、俺にはほぼ必須アイテムだった。

 特にPvPをやる人はみんな愛用しているらしい。



 そんなVRグリップを握ったまま峰打ちというか峰で切るイメージトレーニングをしながら北のフィールドエリアへ歩いていた。

お読みいただきありがとうございます。


読むのが辛くなるくらい面倒な操作性。

今のモーションセンサー技術ならもっとリアルにできそうですが、そこに足音という騒音問題が絡むとこんな感じになるんじゃないか、と。


※反射スキルの本来の使い方、相手の攻撃を返す、という部分は必中なままというのを、味方の攻撃のみ修正が入ったという表現で追加しました。

 その他細かい部分にも修正入れました。


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