DREAMERS HIGH
1話 ダイブ
「あったぁ!!!」
自販機の下に落ちている100万円に手を伸ばす。
しゃ!女体盛りじゃ!!!!!!!!!新宿に行くぞ!!!!
ボクはタクシーを捕まえ 新宿へと向かう。
キャバクラに入り 立ってる女の子から 好みを選ぶ。
「あのロリっぽいこ!!」
この世界はとても美しい。誰の夢だか知らないが
とんでもないエンタメだ。一日どこか100万円が落ちてる
くだらない夢だが 単純で良い。
DREAMERS HIGHが届いて 一ヶ月が立っていた。
シューティングやメルヘン、宇宙の旅、エビフライの食べ放題なんてものもあった。
誰かの夢の中に入れる そんな明晰夢共有型の フルダイブシステム
SONYやりやがった。現実世界ほったらかしで ボクはこの世界に魅了されていた。
ひたすらオープンワールドを歩き回る。誰かの深層心理、理想と反応して
この世界は どんどん大きくなっていく。
現実にちょっとしたスパイスを加えるだけで 魔法の様に
リアルな世界は輝く。
「かんぱーい!!!」
ゲームの世界だから 気兼ねなく金を使える。
100万が見つからなかった日は ただログアウトして
当日出勤が可能なBARへと向かう。
日銭を稼ぎ 酔った状態でリンクをスタートさせると
浅い眠りも相まって トントン拍子で世界が進む。
酒と相性がいい。愛してる。なんだ この世界は。最高かよ。
「ちょっとトイレ!!」
この世界で尿意なんて無い 単純に鏡を見に行った。
今日もかっこい。アプリで加工された自分の顔が鏡に映る。
どんどん現実世界が怖くなって行く。
「しゃ 今日もお持ち帰りぃ!」
と振り返ると 黒い穴に 突然吸い込まれた。
途轍もない重力や引力 スピード 身が分解される様な感覚
涙、汗、糞尿が溢れ出て 皮膚が溶けて液体になり そのまま蒸発しそうだ。
ボクは 意識を失った。