七夕の少女+
「飛べない鳥は不幸でしょうか」
いつも元気な少女が弱々しく呟いた。
私は動揺したが、顔に出ないようにする。
「不幸かどうかはその鳥次第じゃないかな……」
不幸かどうかなんて他人が決めるもんじゃない。
車いすにふと目をやり、視線を顔に戻した。
歩けないを飛べないという表現で使ってるのか?
「そう……だよね……」
少女がこんな感じだと、私も調子が狂う。
お互い黙ったままの時間が進む。
「飛ぶ努力を続けてる人を不幸だと思う人はいないさ」
最初は違った。少し不幸だと思ってた。
同情もあったかもしれない……でも、長く関わって本心から今はこう思った。
今日も空が青い。鳥達は飛ぶ




