脚本家の意向により、
あなたは、私の人生を笑うだろう。
ああ、おかしい、と、笑いで引きつった顔で、ポップコーンを片手に肥えた腹をさすって。
滑稽な人生かもしれない。
いや、滑稽な人生だろう。
親に勘当され、借金を作り、返済のために苦心し、ついには犯罪に手を染めた。
これだけなら悲劇の題材にもなれる。
悲劇にならなかったのは、必死に、昼夜問わず、寝食さえも惜しんで練った計画が、呆気なく些細なミスで潰れたからだ。
物語になるはずもない馬鹿げた話だった。くだらない頓挫だった。
だからこそあまりにも悔しかった。
あまりにも情けなかった。
だから私は、獄中で書いた。
面白おかしい失敗談、「喜劇」として、ラストは警察に捕まるシーンで幕を下ろした。
あなたは私の人生を笑っただろう。
既に終わった私の人生を、嗤っただろう。
例えその失敗が、取り返しのつかないほど、致命的だったとしても。
ーーとあるコメディ映画の、エンドロール代わりにその遺言は流れた。真っ黒な画面の真ん中、シンプルな字幕で、粛々と。……淡々と。