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短編

脚本家の意向により、

作者: 譚月遊生季

あなたは、私の人生を笑うだろう。

ああ、おかしい、と、笑いで引きつった顔で、ポップコーンを片手に肥えた腹をさすって。


滑稽な人生かもしれない。

いや、滑稽な人生だろう。

親に勘当され、借金を作り、返済のために苦心し、ついには犯罪に手を染めた。

これだけなら悲劇の題材にもなれる。


悲劇にならなかったのは、必死に、昼夜問わず、寝食さえも惜しんで練った計画が、呆気なく些細なミスで潰れたからだ。

物語になるはずもない馬鹿げた話だった。くだらない頓挫だった。

だからこそあまりにも悔しかった。

あまりにも情けなかった。


だから私は、獄中で書いた。

面白おかしい失敗談、「喜劇」として、ラストは警察に捕まるシーンで幕を下ろした。


あなたは私の人生を笑っただろう。

既に終わった私の人生を、嗤っただろう。


例えその失敗が、取り返しのつかないほど、致命的だったとしても。




ーーとあるコメディ映画の、エンドロール代わりにその遺言は流れた。真っ黒な画面の真ん中、シンプルな字幕で、粛々と。……淡々と。

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― 新着の感想 ―
[一言] 短いので、主人公が誰でどこにいるのか明確ではなく、物語としてはイマイチ伝わりにくかったですが、犯人はきっと綿密な計画の末に強盗に入ったけど着ていた服に名前が大きく書かれていたのだろうと想像し…
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