第1幻: ごく普通の高校生
この度から初めて小説を書く決意をし、自分にとって記念すべき第1作目の第1話です!
初めて書いた小説なのでまだまだ改善すべきところはあると思いますが、ぜひ読んでいただき楽しんでもらえると幸いです。
現実なんてどうしょうもなくつまらないものだと今まで考えてきた。
何よりもそんなどうしょうもない現実に生きていること自体が無意味に感じていた。
俺、鈴村 爽太 は特に運動も勉強もできることがなくただアニメや漫画、小説などが好きという趣味を持った、ごく普通のつまらない高校生活を過ごしていた。
なのになぜ、こんなことになってしまったのだろうか?
事の発端は普段と変わらぬ学校からの帰り道だった。
いつもと同じように家に帰るために一人で道を歩いていた時のことだった。今まで見覚えのない石畳の細い道があることに気づき初め
俺は不審に思ったが、周囲は草木が生い茂っていたためそのせいで気づかなかったのだとその時は思っていた。
そのため特に恐怖などはなく、もしかしたら近道かもしれないと思い細い石畳の道に入っていった。
一体どれ位の時間が経ったのだろうか?
日が暮れあたりも暗くなってきて石畳の道は続いていても、どんどん勾配がきつくなる道を歩いていた俺は何度もそろそろ戻ろうと思ったが、もしかしたらもう少ししたら何かあるかもという気持ちに駆られ鬱蒼とした森の中を歩き続けていた。
そして、そろそろ足も限界に近づき疲労感が一段と強くなってきたため流石にそろそろ帰ろうと思い振り返ると急に背後から突風が吹いた。
「なんだ?」
俺は不審に思い後ろを見ると50mほど先のところに開けた場所があることに気づいた。
先程までそのような場所があった覚えがなかったので恐怖ももちろんあったが、そんなことよりもその先に何があるかが気になり、少しずつその場所に向かって歩き出した。
そして、少し開けた場所に出ると、そこには
「こんなところに神社なんてあるもんなんだな・・・」
見た感じ誰にも手入れさていない、既に地図にすら存在しないと思しき神社があった。
不思議に思いながらも鳥居を通り賽銭箱のある所まで行き、軽い気持ちで鈴を鳴らし賽銭箱に少しだけ賽銭を入れた。
そして、
「どうか、このつまらない世界がもう少しは楽しく過ごせますように」
と願い事をした。
その瞬間、
あたりは強い光に呑まれ足元に見たことのない記号が連なった円形上の魔法陣の様なものが浮かび上がった。
あまりの突然なことに体が硬直し俺は咄嗟に逃げることが出来なかった。
そして、なんとか硬直がとけて逃げ出そうとしたその時光が更に一層強まりあまりの眩しさに俺は目をつぶってしまった。
そして、段々と光が弱まりゆっくりと目を開けるとそこには信じられない景色が広がっていた。
色鮮やかな葉を付けた木々、水の中にいる魚が鮮明に見えるほどの水の澄んだ川、そして、何よりも空に浮かんだ島があった、、、
「いったいどこなんだここ・・・」
あまりに突然な出来事に、掠れた声でそう呟く。
そして、お尻のあたりに急に悪寒が走るような変な感じがしたため、体を反転させ後ろを向いたが特に何も無かった。
「一体なんなんだ・・・」
そう呟き自分の身に起きたことをとりあえず整理しようと頭を掻こうとすると自分の手に何かふわふわとしたものに触っているかのような感じがした。
なにかくっついてるのかと思いとろうとして引っ張った。
「いたたたたっっ!」
何故か自分に痛みが襲ってきた。
とても驚いたが、そんなことよりも気になることがあり、先程視界の端に見えた水の澄んだ川の元へと走り寄った。
そして、自分の顔をそーっと見るとそこには、、、
自分の頭の上に猫のような黒い耳が付いていた。あまりのことに、頭から血の気が引くような感覚に見舞われたが、少し前にお尻のあたりに悪寒が走ったような感覚がしたのを思い出し今度は体ごと振り向かずに顔をゆっくり後ろへ向けようとした。
「おねがいだから、あるなよ?あるなよ?」
震えた声でそう呟きながら徐々に後ろを見やるとそこには
耳と同じようにそこにはまるで猫のような長い尻尾がしっかりと自分のお尻から出ているのを見て、ついに俺は気絶してしまった。
「さむっ!!」
あまりの寒さに俺は目を覚ました。
頭が痛む中、周りを見わたしているとそこにはいつもの風景・・・・・・ではなく、暗くなり綺麗に光る星空があった。
「綺麗だな・・・」
と俺はポツリと呟く、
そして、自分の身に何があったのかも忘れて星空を眺めていると、
「グルルルルル」
背後から腹をすかした獣の唸り声のような音が聞こえた。
その声の発生源にまたしても血の気を引きながらも後ろを見やるとそこには、、、
黒い逆立った毛並みをし、鋭い牙をむき出しにしながらこちらを睨んでいる狼が三匹自分の周囲を囲んでいた。
咄嗟に俺は立ち上がろうとしたが、、、
足元にあった濡れた石で足を滑らせ完全に背中を着けるように仰向けに転んでしまった。
そんな好機を狼たちが見逃すはずもなく、
「グルァァッッ!!」
狼たちは飛び上がり俺に襲いかかってきた。
「あぁ、もうダメだ・・・」
とつぶやいたその瞬間離れたところから
「命は炎の灯火、その儚き命を、荒々しく燃やせ」
という、まるで俺への弔いとも取れなくはないような声が聞こえたその瞬間、狼たちは破裂した。同時に大きな破裂音がしたため。
またしても俺は意識を朦朧とさせていた
そして、狼の血で汚れた俺に一人のフードをかぶった人が近づいてきた。
あまりの恐怖に俺は震え上がっていた、
そして俺のすぐ近くまでフードをかぶった人が来た瞬間遂にはまたしても気絶してしまったのだった・・・
そしてそのフードをかぶった人は気絶した俺を担ぎ暗闇に覆われた深い森の中へ消えていった・・・