ジャンル移動作戦でポイントGetしてウハウハだぜぇ~! ……なんて甘いことはなかった件 ~結城藍人の邪悪な邪悪な秘密実験レポート~
こんにちは、結城藍人です。このたび拙作の完結に際しまして、とある秘密実験(笑)を行いましたので、その結果をご報告いたします。
テーマは「完結ブースト」と「ジャンル間格差」、そして「ジャンル移動作戦は有効かどうか」です。
「完結ブースト」とは、連載作品を完結するとポイント数が急増する現象です。
「ジャンル間格差」は具体的には「ハイファンタジー」の閲覧数が他ジャンルに比べて法外に高いという現実のことです。
これらについては、ある程度以上のブックマークを得た上で作品を完結された作者様なら体感的に「ある」と感じられていたかと思います。
また、読み専読者様でもジャンル間格差については、ジャンル別ランキングの「ハイファンタジー」のポイント数と他ジャンルのポイント数を比べてみれば、すぐに分かるかと思います。
その前提の上で、私が思いついた「ジャンル移動作戦」の有効性について検証したいと思ったのが、この実験を行うきっかけでした。
私が、この方法を思いついたのは、単なる偶然でした。
拙作「四百年間童貞を守って魔王になったけど、女性との付き合い方がわからない件」(略称「童貞魔王」)http://ncode.syosetu.com/n4550dn/ はお陰様をもちまして、ジャンル別ランキングでは半月近くの間、「コメディー」で日間1位を取っておりました。その間、脅威となりそうな作品が2つあったのですが、1位を奪われる前に消えたのです。
いずれも、他ジャンルに移ったからでした。
片方は「この先コメディー展開じゃなくなるから」という理由で「ハイファンタジー」にジャンルを移動しました。
もう片方は「異世界転生」タグの付け忘れを指摘され「異世界転生/転移」ランキングに移りました。
いずれも、移動先で日間1位を取り、片方にいたっては総合日間1位まで取りました。正直「移ってくれて助かった」と思ったものです(笑)。
と、そこで私の中に、邪悪な考え(笑)が思い浮かびました。
「コメディーなら、トップ取るポイントは200から300だけど、5位以内なら100未満でもジャンル別ランキングのトップページに出る可能性がある。そこでまずコメディーでランキングに入って、トップを狙い、300とかポイントを得た時点でハイファンタジーに移動したら、最初から注目度の高いハイファンタジーで10位前後の高ランキングを狙えないか?」。
これが「ジャンル移動作戦」です。
もちろん、これは作品が「ハイファンタジー」の定義に従っていなければいけませんが、幸い拙作は「現実世界とは異なる世界を主な舞台とした小説」なのでハイファンタジーに移動しても問題はありません。
しかし、拙作は既に連載末期。そろそろジャンル別ランキングでも3~6位あたりをウロウロして、ジャンル別ページの表からもときどき落ちるようになりました。毎日稼げるポイントも80~120程度です。
そこで思いついたのが「完結ブースト」の利用です。これによって一時的にポイントが急増するタイミングを狙ってジャンル移動を行えば、いきなり高ランキングを狙える作戦ができないかと考えたのです。
そこで、完結に際して以下のような準備を行った上で「ジャンル移動作戦」の有効性について検証する実験を行いました。
(1)完結は11/27の12:00に予約投稿で行う。
(2)11/27の10:00にジャンル移動「コメディー」→「ハイファンタジー」を行う。
これは、ランキング集計による順位移動が11~12時に行われるので、その前に移動しておこうと考えてたためです。
(3)11/27の10:00時点の数値を基準に効果を判定する。
(4)ランキング更新時の順位とポイント数を記録しておく。
そして、その結果はどうなったか。
まず、完結ブーストは、アクセス数急増という形で明快に現れました。
これは、トップページ掲載が大きいと思います。
11時のPVが737であるのに対して、12時のPVが2,601で、その後も2,000を切ることは一度も無く、20時以降は3,000以上、22時に過去最多の4,533を記録しました。
この日のPV総数は42,237で、過去最高だった11/1(日間総合6位を取った翌日です)の29,814を大きく上回りました。ただし、11/1時点では話数は7しかなかったので、33ある完結時と単純に比較はできないのですが。
ただし、ポイント数は期待していたほどは伸びませんでした。完結に際して、評価をしてくれた方も多かったのですが、同時にブックマークがどんどん削れていったからです。これは予想外でした。
ただし、ランキングについては「獲得したポイント」が計算基準ですから、ブックマークが外れたからといってランキングが下がるわけではないので、実験自体は有効と考えました。
そして、「ハイファンタジー」のランキングについてですが、12時は移動直後であり、完結直後でもあるためカウントせず、その次から記録しました。以下がその記録です。
更新時間 / 順位 / ポイント数
11/27 19時 / 16位 / 354
11/28 0時 / 15位 / 494
11/28 12時 / 12位 / 540
11/28 19時 / 16位 / 403
これ以降も、だいたい15~6位をウロウロしていました。ポイント的には、ほぼ予想通りの結果でしたが、540ポイントで10位以内に入れなかったというのは、現在のハイファンタジーランキング上位入りの厳しさを表していると同時に、少し運も無かったかなという気はします。
そして、11/27~12/1間で獲得したポイント数やブックマークは以下のとおりになります。
記録日時 / ブックマーク数 / ポイント数 / ストーリー・文章評価合計 / 累計PV
11/27 10時 / 3,200 / 7,784 / 1,384 / 580,500
12/1 0時 / 3,369 / 8,635 / 1,897 / 757,740
ブックマーク数: 169増加
ポイント数 : 851増加
評価合計 : 513増加
累計PV : 177,240増加
このうち、ブックマーク数は一時3,120前後まで減少(-80)していたのが盛り返したもので、実質増加数は最低でも250を超えると考えられます。
そして、PV数は以下のように推移しました。参考までに、完結前のPV数も3日分掲載します。
11/24:14,982
11/25:14,178
11/26:16,455
11/27:42,237
11/28:60,516
11/29:46,506
11/30:32,985
このうち、11/27は連載完結表示がトップページに掲載されたことが大きいかと思いますが、11/27の深夜時点ですでにトップページからは消えています。それ以降は、ハイファンタジーランキング上位に入ったことによるPV数と考えられます。このPV数の差が、ハイファンタジーとコメディーのジャンル間の人気格差(=注目度の差)だと考えられます。
ジャンル別ランキングページでコメディーの5位以内に入るより、ハイファンタジーの12~15位の方が注目度が高いわけです。
以上の結果から考えますと「ジャンル移動作戦」には一定のPV数増加効果が見込めると考えられます。
ただし、それによって得られるポイント数は、結局のところ作品のポテンシャルを超えるものではない、というのもまた、明らかになりました。
ハイファンタジーランキングの上の方に出たからといって、作品自体の面白さがなければ継続して読まれはしないということです。
これは、今年中頃に話題になった、ある事柄についての総括にもなっているかなと思います。
すなわち「相互クラスタ」です。
私は、自分の実験を通して以下のような結論に達しました。
「相互クラスタは役に立つが、役に立たない」
つまり、「相互クラスタはPV数の増加には役立つが、それだけでポイントを獲得できるわけではない」ということで、今まで何名かの方が指摘されてきたことと同じ結論です。
何というか、平凡な結論しか出なかったんですが、現実はこんなモンでしょう(笑)。
これをもちまして、実験を終了し、「童貞魔王」のジャンルを「本籍地」コメディーに戻します。もう落ちていくだけでしょうけど(笑)。
さて、私はこの「童貞魔王」で初めてポイント、ブックマークそれぞれ1,000以上、日間総合ランキング6位なんて世界を体験しました。
しかし、また、まだまだポイント数1万以上、ブックマーク5,000なんて世界には手が届かないこともわかりました。
上には上がある。まだまだ精進していかねばと思う次第です。
何しろ……
オレはようやくのぼりはじめたばかりだからな、この果てしなく遠いなろう坂をよ!
(↑「童貞魔王」と同じオチですいません)
あ、新作「魔王様の邪悪な邪悪な秘密計画」http://ncode.syosetu.com/n6957dq/ も、どうぞよろしくお願いいたします!(←宣伝・下にリンクもあります)