はじまりの猫 2
タクミ。
約束して。
あたしは子供だから何にもできないけど、だけどあたしにだって、分かってるのよ。
ダディーたちは……………。
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横浜市金沢区。そこで、あたしは一人暮しをしている。
名前は瑠生。
現在、22才。
明るいキャラメル色の長い髪は、ウェーブしながら腰のあたりまで伸びている。
チャームポイントの大きな瞳は碧みがかかっていて、どちらかと言うと少しキツメな顔立ちだ。
あたしはサングラスが好きで、いつも頭の上にかけている。肌の色は小麦色で、それはあたしが一番嫌いなところでもある。でも、日焼けなんかじゃない。
父親が黒人だったから。
細く長い足は自慢で、いつもミニスカートに、冬は厚底のロングブーツ、夏は踵の高いミュールを履いている、いわゆる今時の女の子のスタイル(ってタクミに言われた)。
まぁ、顔立ちがハッキリしていて目立つみたいで、横浜などで遊んでいても必ずと言ってもいいほど、ナンパもされる。
甘く見られることは、今に始まったことではないし、もう慣れっこだ。
以前付き合った人にも、
「君は黙ってたらキレイなんだけど、もう少し女の子らしくしたほうがいいよ。君にはついていけない」
と言われてフラれた。もう、言われ馴れてしまったけどね。
「もう少し妹さんを見習った方がいいよ」
………そう言われることも、今に始まったことではない…。
*
あたしは知り合いのジャズバーでサックスを演奏させてもらっている。ギャラを貰わずに、ほとんど趣味でやっている。