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distance  作者: のんきん
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第1章 はじまりの猫

あたしを見かけで判断すると



痛い目見るよ。





《今時のギャル》だなんて




馬鹿にしないで。







寂しさはサックスで癒せる。





悔しさは、ボスとの口喧嘩で晴れる。







怒った時は、ジントニック。






あたしは、この《自由》を満喫している。






秋の終わりの、雨の夜。





幼いあたしは泣いていた。




あたしが泣ける場所は、ただ一つ。




ダディの良きパートナーだった、タクミの胸だけだから……。






ハーレムにある小さな公園で、タクミは泣いているあたしを優しく抱きしめてくれた。





「いつか必ず迎えに行くから。辛くても、それまで我慢して待っててくれ。俺が必ず、ルーを迎えに行くから!」





タクミはそう言って、あたしをしっかりと抱きしめてくれたんだ。







その時の約束が、きっとあたしを強くしたんだと思う。







ダディーとママが、あたしと妹のミーを遺して死んでしまったあの日。





あたしと妹は大人たちの勝手な都合で、ここマンハッタンから、日本の親戚のうちに引き取られることになった。





そして、タクミはあたしのもう一人のダディ。



大好きだった。離れることは死ぬほど辛かった。





だから…いつか、迎えにくる…という約束を、あたしはずっと信じて待っていたんだ。

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