表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

白に溺れる

作者: 陸菓
掲載日:2015/02/05

 私の目の前に広げられる白紙。消しゴムの跡どころか汚れ一つない真っ白な紙だ。貴方はなにをかいてくれるの? と白紙が問いかけてくる。

 文字を書いても良い。絵を描いても良い。なにかをかかなきゃ。この目の前の純白を汚さなきゃ。かけない私に価値なんてない。でもなにをかけば良いのか分からない。私の中からなにも湧いてこない。中を覗き込んでも空っぽだ。思ったまま書けば良いとか、余白の美とか言う言葉があるけれども、中身ががらんどうではそれすらも出来ない。

 白紙が私に迫ってくる。ねえ、早くかいて、と迫ってくる。自分自身の思考に手足を絡め取られている私は、逃げることは出来ない。早くなにかをかかなきゃ。早く! 思うだけで、鉛筆を持つ手はぴくりとも動かない。そうこうしている内に白紙は私を飲み込む。目から、口から、あらゆる穴から白紙が流れ込んでくる。

 書いて。描いて。かいて。白紙の思いがなだれ込んで、私を侵す。

 白紙に――――白に溺れる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 初めまして。 座ってペンを持ったまま微動だに出来ない「私」の姿がぱっと浮かび、ぎゅっと苦痛に耐えているような表情が見えました。 実際の映像と心理、その二つがくどすぎずあっさりすぎず、うま…
[良い点] 白紙に書き入れる第一歩の葛藤がすごく共感できます。書き入れたらそのままいくんですよね。でもその一歩が出ない。文字通り、頭が真っ白になるのかな笑 余談ですが、この文章を読んで、全てが真っ白…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ