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嫌な奴

七話目ー

みなさん!メリークリスマース!どうにか年内に投稿できました。これもイヴを一人で過ごせたおかげですね!(泣)

そして遅れて申し訳ないんですが、お気に入りに登録していただいた方、本当にありがとうございます!!これで私のモチベも上がります!(笑)

では、久しぶりの類友をどうぞー


「最近調子はどうよ?」


「あぁ?何がだよ」


【欠陥集会】(リグレットグループ)のことに決まってるだろ?」


「あぁー……まあまあだよ、まあまあ」


度原くまさん事件から数日が経った。この数日色々あったが……口崎に罵倒されたり、度原にビビらたりといつも通りだったので割愛しよう。これが日常とか泣けてきそうだ。


「可愛い子たちと戯れてまあまあとは、とんだ幸せ者だぜ」


「お前は俺があそこでどういう扱いを受けてるか知らないだろ」


「罵倒されるなんてある種の奴にはご褒美だぜ?」


「俺にその気はねぇよ!毎日心にぐさぐさ刺さって泣きそうなんだぞコラ!!」


「そう叫ぶなって。ある意味照れ隠しかもよ?素直になれないのー、的な」


「……照れ隠しで男の象徴蹴ってくんだぞ?」


「ほ、ほら!それはアレだよ!………嫌われてんじゃね?」


「最悪の答えに辿り着いてんじゃねぇよ!!」


雅斗め、弁護を諦めやがったな。避けてた答えをサラッと言われるとなんか傷つく。


「はぁ……お前はどうなんだよ?最近の調子は」


「俺か?俺はな、絶好調だぜ!いわゆる順風満帆ってやつ?」


「けっ、さすが陸上部のエース様は違うね~」


「おう!サンキュー!」


嫌味で言ったつもりだっんだが……。こんな奴だからモテんのかねぇ。


「で、最近マネ子とはどうなんだよ?そろそろ倦怠期か?」


「はあ!?倦怠期?そんなん来ることなんて一生ないね。あとマネ子って言うな」


「陸上部の女子マネージャーだからマネ子でいいだろ」


「マネ子じゃなくて亜衣子(あいこ)な!友達の彼女の名前ぐらい覚えろよー」


「ふん、彼女なんていううらやまけしからんものを自慢するお前なんて友達じゃねぇ!!」


「ひでー!!」


これぐらい言っても問題ない。俺だって彼女欲しいんだよ!またコイツの彼女、つまりマネ子が結構可愛いから余計うらやまけしからん!


「でもよー、お前だって知り合いに可愛い子いっぱいいるじゃん?」


確かに俺の周りにはレベルの高い女子が多い。幼馴染で非の打ち所がない優子に、見た目は完璧な口崎、小動物のように庇護欲をそそる度原など。確かに知り合い以上の仲ではあると思うが、


「………知ってるか?そこから進展しないと逆に虚しくなるんだぜ」


「さぁて部活行くかー」


「華麗にスルーしてんじゃねぇよ!そこは何かを言ってくれよ!」


急に目を合わせなくなったぞコイツ!?そこまで深刻なのか!?


「分かった分かった。ならここで一つアドバイス」


アドバイス?何に対してだ?


「気づいてあげることは大切だぜ?じゃあな!」


その言葉だけ残すと、雅斗は教室を出ていった。うーん、あのアドバイスはいったいどういうことだ?ま、考えて仕方ないか。時間だし俺もそろそろ行くか。そして俺は反省室へと向かった。


***


反省室に入ると、いつものように口崎が来ていた。こいついつも早いよな。


「遅いわよ、馬鹿の上に時間も守れないなんて本当に変態ね」


「何がどうなってそうなった!?」


やっぱりここもいつも通りだった。それにしても……これが照れ隠しか……。


「何かしら?人を舐めくりまわすような目で見て」


「それってどんな目!?」


「貴方の目」


「俺の目はそんなに腐ってねぇよ!」


「えぇっ!?」


「驚くなああぁぁああ!!」


照れ隠し?絶対ないな。もしそうなら俺は確実に人間不信になってしまう。俺がそうならないためにも口崎はこのままでいてもらわなくて………それダメじゃん!

つまりなんだ、口崎に罵られ続けるか俺が人間不信になるかのどちらかしか残されていないと………あ、詰んだ。


「誰か………変わってくれ」


「す、すいません!遅れましきゃあ!?」


「ぐふっ!!」


何が起こったか分かるかい?まず度原がドア開けて急ぎ気味で入ってきたんだ。遅れていいって言ってるのに律儀な子だな。

話は戻るが、その時に彼女は急いでいるあまり躓いてしまったんだ。ドジっ子の本領発揮である。で、前にドアの前にいた俺に強制体当たりからの俺床とKISS。おでこも合わせながらだぜ?………めちゃくちゃ痛い。


「あ、ああぁぁああ!すすす、すすいません先輩!ま、またやっちゃって!」


また、というのはこれが一回目じゃないからだ。ここ数日、詳しくいえばドジっ子と知った次の日からずっと、俺は度原を背中で受け止めてきた。床と何回唇を重ねたことか……。


「いや、うん……気をつけような」


「は、はい………」


シュンと度原は俯いてしまった。そ、そんな落ち込まないでくれ!


「そ、それより度原は大丈夫か?俺が下になったとはいえ転けたことに変わりないんだから」


「す、すいません……」


「そうじゃなくて!体は大丈夫なのか?」


「せ、先輩がいつもま、守ってくれてるのでだ、大丈夫です」


うん、守ってるんじゃなくて強制的に下敷きになってるだけなんですけどね。まぁこんなこと言ってくれる後輩に、わざわざそんなことは言えないな。


「それよりどうしていつも遅れて来るんだ?別に悪いわけじゃないんだけどさ」


「そ、それはそのぉ……クラスの人に色々頼まれちゃって……」


「………お前もたいへんだな」


これはもう度原の個性が人をひきつけていると言ってもいいんじゃないか?それほど度原の悲しい個性である『度胸』が強いってことになってしまうが。


「あ、あの、それと今日はい、委員会でちょっと部活に参加で、出来ないんですけど……」


「あぁ、そうなのか。でも待てよ。俺まだクラスで委員会すら決めてないぞ?」


「い、一年生は行事のは、把握のため、だそうです」


なるほど。光輝学園は生徒が多いからな。その分正確な情報が大勢に伝わりにくいんだろう。だから、あらかじめ委員会の人間を集めて伝えておくってわけか。


「そういうことなら行って来いよ」


正直、ここ休んだって何の問題もないしな。


「あ、ありがとうございます!」


ぺこりと一礼すると、度原は反省室をとてとていった走りで出ていった。


「さて、じゃあ今日は二人で………あ」


ちょっと待て。度原がいないってことは口崎と二人っきりってじゃないか!度原が来る前は二人だったけど………めちゃくちゃ不安だ。

よし。ここはいつもと違う俺を演じてみよう。もしかしたら口崎が動揺して罵倒されないかもしれないし。例えばそうだな………チャラ男的な感じやってみようじゃないか。

俺はひたすら本を読み続けている口崎に向き直り話しかけた。


「よぉ、口崎。そんな本ばっかり読んでないで俺と喋ろうぜ。せっかく二人っきりになれたんだからよ」


「そんな時間をドブに捨てるようなマネをするわけないじゃない」


お、落ち着け。ここでいつものようにガヤガヤ言ったら相手のペースに乗せられしまう。たとえ、たとえあんな心を金属バットで殴りつけるようなことを、目線を本から変えずに言い放ってきたからって動揺してはいけない。


「ひ、酷いじゃないか~。そんなこと言わずに俺とエンジョイしようぜ!」


そう言って彼女が読んでいる本を無理矢理奪い取った。さすがにいけないことだと思うが、俺が生き残るためなんだ!許してくれ口崎!あといつもどんな本読んでるか気になってたし確認しとこー。


「えぇっとなになに……『ドキッ☆(嫌いな)異性を(物理的に)落とす方法ベスト100!』」


…………あ、これ俺死んだわ。


「藍夜馬君」


「は、はいぃ!!」


俺の耳に悪魔の呼び声が届いた。知らぬ前に返事をしてしまっていた。悪魔こと口崎が一歩一歩近づいて来る。俺は死が一歩一歩近づいて来るように感じた。そして目の前まで口崎が来て、


「ッ!?」


笑った。それはもう口が三日月のように笑った。これだけなら美少女の笑顔だ。俺にはもったいないくらいの。しかし目が真っ黒なのが死神ポイントだ。もう手に鎌すら見える。


「ふふっ、私の秘密を知ってしまったわね」


「ああああの、ここここれはですね……」


ダメだ。酷い時の度原みたいになってきた。


「それとね、私は人の物を盗ることはいけないことだと思うの。罪を犯した者は罪を償わければならない。そうでしょ?」


「そうでございますです!」


「いい返事よ。ということで、今日貴方は私のどれ……召使いになりなさい」


おい、今コイツとんでもないこと言いそうにならなかったか?だが今はそんなことを気にしてる場合じゃない。口崎の召使いだって?そんなの、


「嫌に決まってるじゃないか」


「え……」


だってあの口崎だぞ?何を命令されるか分からないじゃないか!俺にだってプライドがあるんだ!


「そう…そうなのね……藍夜馬君、少しその本を読んでもらえるかしら?」


「え?まぁいいけど」


えぇっとなになに……『1.とりあえず男の象徴蹴っとく』……って!


「この本の受け売りだったのかよ!」


「何を言ってるのかしら?それより次のページも読んでちょうだい」


ページをめくり次の項目を見る。えーっと……『2.窓や階段、崖など高さのある場所で、後ろから相手を押す』。


「物理的にってそういう意味だったのかよ!?」


「私は近々これを試そうと思ってね。嫌いな、というか気に入らない異性を探してるのよ。私に失礼なことをしてくる男性をね。例えば私が読んでる本を奪う人とか、ね?」


「ご命令はなんでございましょうかお嬢様」


「そうね、何か飲み物を買ってきてくれるかしら?下僕」


「承知しました!」


俺は校内にある自動販売機へと走った。プライドはどうしたかって?え?その辺のゴミ箱に捨ててきたけど?俺はそうやすやすと命を捨てるような真似なんてできるわけねぇんだよ!

この後散々命令され、最終的にお嬢様が『温かい紅茶が飲みたい』とかおっしゃってきやがったので、次回から俺がティーセットを自腹で持参するハメになりました。俺一人暮らしであんま余裕ないんですけど……。


***


「あー……今日も疲れた……」


口崎の命令のせいでいつもより疲れたような気がする。俺の身体もつのかこれ?

今は部活動終了時間の6時。つまり【欠陥集会】(リグレットグループ)の活動終了時間というわけだ。活動終了と同時に反省室の鍵を閉めるのが俺の仕事となっている。口崎はもう帰ったようだ。人に散々命令して先に帰りやがったなあいつ。


「さて、俺も帰るかー」


今日は特に休みたい。帰ったから飯食ってさっさと寝よ。

俺が校門へと向かい出した時、目の前に小さな人影が見えた。


「あれって……」


あの小さい後ろ姿は……間違いない。


「おーい、度原ー、度原ー!」


あれ?別人だったか?いやそんなはずはない。俺は度原と思われる人影に駆け寄っていった。駆け寄るにつれて人影がはっきりしていく。

空のように澄んだ水色の髪、庇護欲を誘うような小さな身体。うん、絶対度原だ。

俺はポンと肩に手を置いた。すると、


「うひゃい!?」


ビクンと飛び跳ねた。うひゃいってなんだよ?


「わ、悪い度原。まさかそんなに驚くとは思わなくてだな……」


「せ、先輩でしたか……す、すいません驚いちゃって」


「謝らなくていいって。それより全然気づかなかったけど、なんかあったのか?」


「あ、いえ、別に………」


明らかに歯切れが悪くなる度原。絶対何かあるだろ。


「度原、俺って頼りないか?」


「え?け、決してそんなことは……」


「いやー、実際セクハラまがいのことしちゃってるし頼れるわけないんだけど………ほんとすいません」


「も、もう終わったことですって!」


あぁ、ほんまええ子や。


「お前いい奴だな。だからこそそんな暗い顔を見たくないんだ。俺じゃ頼りないかもしれないけど、お前がよかったらどんどん言ってくれ。誰かに話した方が楽になるかもしないしな」


「…………」


そう言うと、度原は黙ってしまった。やっぱり俺じゃ頼りないよなー。なんか気まずくなってきた。


「べ、別に俺じゃなくてもいいんだぞ?例えば口崎とか。あんなだけど悪い奴じゃないと思うし。それに女の子同士でしか話せないこともあるだろうから。だから、その━━」


「先輩は、優しいですね」


突然、度原が静かにそう言った。彼女にしては珍しくはっきりとそう言った。


「俺が、優しい?」


「は、はい。今まで私に、その、こんなに気を掛けてくれた人はあまりいませんでした」


だから、と彼女は区切り、


「とっても……嬉しいです」


ニコッと微笑んだ。


「度原……」


思えば、彼女が笑っているところ見るのは初めてかもしれない。度原の純粋さが伝わってくるとても魅力的な笑顔だった。


「せ、先輩……わ、私の話聞いてもらえますか?」


「!……もちろん!!」


瞬間、俺の中に嬉しいという感情が溢れ出した。今俺は彼女に信頼してもらっている。そのことがすごく幸福に感じられた。

しかし、


「先輩、その、実は━━」


「おやおや?こんな時間にこんなところで遭うなんて奇遇だね」


度原の相談はある奴によって遮られてしまった。


「お前は……刈愚山」


そう、話を遮ったのは刈愚山 直危だった。


「こんな時間まで【欠陥集会】(リグレットグループ)かい?」


「あぁ、そうだよ」


つい淡白に返事をしてしまう。早くこいつと別れて度原の相談を聞きたいんだよ。


「ということは、彼女もそうなのかい?」


ニヤっとした表情で度原を指す。


「あんまジロジロ見んじゃねぇよ」


「ずいぶんとキツイ言い方だね。そんなに俺が嫌いかい?」


「当たり前だ」


「今日はよく喋るね。それも悪口ばかり」


なんてったって今は度原がいるからな。度原をこいつに近づけさせるわけにはいかない。


「度原、大丈━━」


俺の言葉はそこで途切れた。何故なら、度原が無言で震えていたからだ。


「度原!?どうしたんだ!?」


「せ、先輩……すいません……さようなら」


「あ、おい!度原!!」


その言葉だけを残し、度原はこの場を立ち去った。

俺はそのまま呆然と立ち尽くしてしまった。


「おやおやー?嫌われてるのは君の方じゃないのかな?それとも振られたのかな?どちらにしても惨めだね~。まぁ君はもともと惨め「黙れ」は?」


気がつくと俺は刈愚山の胸倉を掴み上げていた。


「悪口を言われて怒ってるのかい?それで暴力に訴えてくると。君は本当にお子様だね」


「黙れ。俺のことはどうでもいい。度原に何をした」


「どういう意味だい?その言い方じゃあまるで俺が彼女に酷いことしたみたいじゃないか」


「そう言ってるんだよ!お前を見て明らかに怯えてただろ!」


「とんだ言いがかりだねぇ。なら俺は彼女にいったい何をしたって言うんだい?彼女と会ったのは今日が初めてなんだよ?」


例えば、と刈愚山が話を続ける。


「君は俺を嫌ってるようだけど、それを彼女に吹き込んだりしんたんじゃないかい?だから彼女は怯えて逃げ出した」


「ッ!」


確かに俺は『刈愚山に気をつけろ』とは話していた。それでも、


「あの怯え方は普通じゃない」


「彼女の性格だろう。ちょっと注意したことを大袈裟にとってしまったんだよ」


「………」


俺は刈愚山の胸倉を掴んでいる手を解いた。納得はしていないが、こいつが何かしたっていはっきりした証拠もない。


「ふう。普通なら暴力なんて見逃せない行為だが、俺は寛容なんだ。君の失敗の一回ぐらい多めに見てあげるよ。じゃあね」


今までのことを気にした様子もなく、刈愚山は去っていった。


「くそっ!」


もう少しで度原が悩みを打ち明けてくれたのに。明日絶対に度原と話そう。そして少しでも彼女の力になろう。そう俺は心に誓い学園を後にした。

だが、運命は俺にそれを許さなかった。

いかがだったでしょうか?刈愚山君のキャラや話し方がイマイチ掴めずいます……。

ということで、やっと日常から外れた感じですかね。これから主人公が頑張る!………はずです。

これで今年は最後の投稿になるかもしれません。もし投稿する時はよろしくお願いします!

ではみなさん!良いお年をー!( ´ ▽ ` )ノ

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