優しすぎるのも罪なんです
六話目ー
今回もほのぼののんびり回です。そろそろ何か新しい展開に持ち込みたいところですね。
では、どうぞー
「……う、うぅん……あれ?ここは」
「よ、おはよう」
「おはようございます……え?あ!」
「状況把握お疲れさん」
あれから30分程して度原は目覚めた。意外と早かったな。てっきり1時間ぐらいは寝てると思っていた。さて、起きたことだし早速、
「すんませんした!!!」
謝ろうか。もちろん俺が度原に。
「せ、先輩!?あ、謝らないでください!えと、もともと私が転けたのがその、悪かったですし……」
な、なんて優しい子なんだ。なおさら罪悪感が湧いてきた。
「いや、あれは俺が悪かったんだ!謝らせてくれ!」
「あの、えと、ほ、本当にだ、大丈夫ですから」
優しすぎるぞこの子!将来悪い男に騙されそうで心配だ。
「そ、そうか?ならお言葉に甘えることにするよ」
「は、はい……あ、あの今日はどんな活動をするんですか?」
「今日か?今日は……何もないぞ?」
「え?」
度原はポカンと口を開けたまま固まった。そんなに驚かれるとこっちも困るんだが。
「あの、先輩たちはその……」
「なんだ?なんでも言っていいんだぞ?」
「先輩たちは……個性を治せたんですか?」
「…………俺たちの現状を見てくれ後輩君」
俺は−10点取ってるし、口崎を罵倒しまくりだし。一ヶ月何も成果がなかったことは明白だ。
「というわけで何かいい案が出るまで自由時間だ!解散!」
「か、解散しちゃってらだめですよ!」
「なら帰らずに自由時間だ!各自好きなことで時間を潰してくれ!以上!」
「……これで本当にい、いいのかな?」
何を言ってるか聞こえなかったが、多分不安なんだろう。何故分かるかって?俺も不安だからだよ。度原が起きる前からずっと本を読んでいる口崎を見ると不安は増すばかりだ。
「あ、あの、自由時間って何でもしていいんですか?例えばその、し、宿題とかでも」
「宿題?もちろんやっていいぞ」
「あ、ありがとうございます!」
すると度原は鞄を探り出した。暇な時間を有効的に使ってるところを見ると、意外としっかりしている子なのかもしれない。
しかし、俺は忘れていた。彼女の個性を。俺と同じ【欠陥集会】のメンバーであると。
「よいしょっと」
「…………え、何これ」
度原は宿題を出したんだろう。しかし、俺には理解出来なかった。何故なら目の前に紙の山ができていたからだ。え?これ全部宿題?
「度原さん度原さん、これは一体なんですか?それとどっから出したんですか?四次元ポ◯ット?」
「せ、先輩?な、何で敬語なんですか?」
俺の変化に度原は怯えてしまった。ぶるぶる震えてマジで小動物だこの子。
「そんなに怯えないでくれ!別に怒ってないから。驚いただけだよ。で、この紙の山は何なんだ?」
「え?こ、これですか?宿題、ですけど」
「いや、俺には目の前にあの世が見えるんだが……。いつまでにやらなきゃならないんだ?」
「あ、明日まで、です」
「………俺は諦めることをオススメする」
「だ、ダメです!こ、これをやらないと……皆さんに迷惑が……」
皆さん?皆さんって誰だ?これは度原のものじゃないってことなのか?
「迷惑ってどういうことだよ?」
「あ、明日までにやらないと怒られちゃうんです。皆さんが」
「皆さんって一体誰だよ?」
「ク、クラスの皆さん、です」
………つまりなんだ。クラスの奴らは度原にクラス委員だけじゃなく宿題まで押し付けたと。
「ちょっとクラスの奴ら絞めて来るわ」
「ダ、ダメですよ!ぼ、暴力ダメです!」
俺が外へ出ようとするのに、必死にしがみついて度原は止めようとする。
「度原はそれでいいのか?」
目を見て問う。このままじゃいつか彼女はとんでもないことをやらされるだろう。そんなこと見過ごせるわけがない。
「い、いいんです……。わ、私が頑張ればいいんですから」
彼女の目には確かに迷いがあった。自分でもいけないことだとは分かっているんだろう。
「はぁー、お前優しすぎるぞ」
結局は彼女自身が変わらなくちゃいけないんだ。俺はサポートは出来ても、彼女が本当に変わりたいと思わなくちゃサポートのしようがない。度原自身から『変わりたい、こんなの嫌だ』と言われる日まで待つことにしよう。
「よし!なら今は宿題をどうにかしよう!俺も手伝うから」
「そ、そんなのご迷惑ですよ!」
「いいっていいって、さっきの件もあるし俺にもやらせてくれ」
「あ、あの、そ、それじゃあ、お願いします」
「おう、任せ「ちょっといいかしら」ろ?」
今まで本を読んでいた口崎が俺の言葉を遮った。今の会話で何か思うことがあったのか?
「藍夜馬君、貴方、何か忘れていないかしら?」
「は?何かってなんだよ」
「貴方はテストで−10点を取ってしまう脳みそしか持ってないのよ。ていうか、脳みそあるの貴方」
「あるに決まってるだろ!勝手に人外にすんなよ!」
「あってそんな点数なのよ?宿題なんて出来るばすないわ」
「おま、言ったな!見てろよ!一年の問題ぐらいスラスラ解いてやんよ!!」
10秒後、俺は無意識の内に『変わりたい、こんなの嫌だ』と呟いていた。
***
さて、俺の代わりに口崎が宿題をやっているわけだが。以外と同性には優し………くはないないうん。
俺は宿題をやる二人をぼうっと見つめていた。別に変な意味でじゃないぞ。やることがないだけだからな!
さて、やることないし久しぶりの学園解説といこうじゃないか。別にいいとか言わないでくれよ?ほんと暇なんだから。
今日は学年についてでも話そうか。この学園は生徒数が多いため、すぐに分かるように工夫がなされている。
その工夫とはネクタイの色だ。一年生は赤、二年生は青、三年生は緑となっている。度原は赤のネクタイで、俺や口崎、刈愚山なんかは青のネクタイだ。と、刈愚山で思い出した。
「口崎、さっきの話で言っておきたいことがあったんだ」
「さっきの話って一体何かしら?」
「刈愚山のことだよ。度原もいるし話しとこうと思ってな」
二人は俺の話を聞くため手を止めてくれた。
「度原は知らないかもしれないが、刈愚山っていう特進クラスのやつで、【欠陥集会】ってだけでよく絡んでくる奴がいるんだ」
「それはさっき話したでしょう?」
「あぁ、こっから本題だ。まぁ注意って程の話だけどな。二人とも刈愚山には気をつけろよ。あいつは悪い噂が絶えないからな」
「私たちが襲われるとでも言うの?」
「可能性の話だよ。お前ら二人は女の子なんだから。男の子舐めんなよ?」
「もし襲われたとして【金的襲撃】をするだけよ」
「……俺絶対お前襲わないわ。神に誓うよ」
「あら、おしい。絶技・【金的破壊】を試すチャンスだったのに」
「お前は俺を殺す気ですか!?」
て、なんか脱線してきてるぞ。話を戻さないと。
「たくっ、俺は真剣に話してるんだから気をつけろよ……。度原も聞いてるのか?」
「…………」
とうとう見放されたか?い、いや、度原に限ってそんなことはあり得ないだろう………あり得ないよな?
「度原ー、おーい度原ー」
「…………」
「度原!お願いだ答えてくれ!」
「……え!?せ、先輩?な、何ですか?」
「やっと気づいてくれたか」
「すす、すいません、考え事をしていて……」
よかった。無視されてた訳じゃなかったのか。
「いや、別にいいよ。まぁ、刈愚山のことは頭にいれといてくれよ。ただでさえお前らは見た目がいいんだから」
タイプは違うがレベルが高いのは事実だ。特に度原の個性がアレなため心配だ。
「……せ、先輩、お、お世辞はいいですよ。わ、私なんてそんな……」
「いや、お世辞なんて言ってないぞ。度原は可愛いんだから気をつけろよ?」
「か、かわ、わわ、可愛い!?そ、そんな、えと、あの、その、あぅぅ」
すると、度原の顔が一気に茹でダコのように真っ赤になった。挙句に顔を俯けてしまった。いかん、ここで彼女に自信を持ってもらわなければ。
「自信持てって、な?」
ポンッと肩……ではなく頭に手をおいた。肩より置きやすい場所にあったからつい置いてしまった。
「ああああの、せ、せん、せんぱ……きゅぅぅ」
度原、本日二度目のぶっ倒れ、って、え!?
「おい!度原!大丈夫か!?」
「きゅぅぅ………」
こりゃダメだ。完全に目を回している。もう一回寝かせるしかないか。
「女の子の顔を真っ赤にさせた挙句気絶させるなんて……変な薬でも盛ったのかしら」
「お前はいつもこのタイミングで入ってくんじゃねぇよ!あと人を勝手に犯罪者にすんな!」
「え、盛ってないって言うの。例えば媚薬とか」
「お前に使ってやろうかこの野郎!」
「あら、そんなに【金的破壊】を受けたいのかしら?」
「すいませんした!!!」
かなり大きな声で叫んだが、やはり度原は起きなかった。度原が起きたのは、活動終了時間の約10分前だった。
いかがだったでしょうか?皆さん、宿題は自分でやりましょうね(笑)
ここで私がもう一つ書いている『死んで召喚されちゃった☆(泣)』を久しぶりに更新したいと思います。気が向いたらでいいので、読んでいただければ嬉しい限りです。
変な宣伝みたいになっちゃいましたが、次回も読んでくださいねー!
では( ´ ▽ ` )ノ




