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僕の場合  作者: とにあ
16/34

ノイ

 あつい


 視界が白い。



 支払いの儀式なんか失敗すればいい。




 アーベントなんか滅びればいい。



 なぜ、手を伸ばすの?


 私は貴方を殺そうとしたのに。

 それともそれすら気がつかなかったの?

 ねぇどうして泣きそうなの?


 私は優しくなんかない。




 ああ。



 兵士から助けるんじゃなかった。


 名前を聞くんじゃなかった。



 傷を負わせて刑場に置き去りにすべきだった。

 血まみれの仕事にも文句ひとつ言わず勤めていた。

 きっと放置しても気づかずに水にまかれたんじゃないかと思う。





 そう、私が愚かだった。





 私のかわいいアドレット。


 貴女を犠牲に生き延びることに意味なんかない。

 私から二度も貴女を奪ったこのアーベントが憎い。

 それでももう、あなたは帰ってこない。

 きっと私はあなたと同じ場所に行くことはできない。

 私の手は赤く染まってしまった。

 貴女に近づくことなんか自分で赦せるはずもない。




「ノイを、たすけて」





 アーベントなんか滅びればいい。




「たすけて、助けてくれたんだ。優しいヒトなんだよ。お願いだから」


 ゆーきの声が響く。

 ああ。まだ意識がある。

 早く終わりたいのに。



『デモ、そのオンナ、ユーキを短剣で突き落とそうとしていたぞ。殺気がコモッテイタノハ間違いないぞ』




 この声は、誰?



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