表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
32/66

登場人物紹介 第一章終了時点

主人公


■アルス=ミュラー


年齢:十四歳

所属:ミュラー家嫡流

立場:ミュラー家三男


本話において中心的に描かれる人物。ミュラー家当主サエル=ミュラーとエリーゼ=ミュラーの間に生まれた子であり、家中の一員として行動している。


特定分野で突出した能力を示すことはないが、あらゆる事柄を一定水準で処理できる器用さを持ち、状況に応じて求められる役割へ自然に適応する傾向がある。


性格は柔和で、対立を避けるだけでなく、関係の間に入り調整することに長けており、兄弟間および親子間において明確な役割として定義されていないにもかかわらず、実質的な調整機能として機能している。


また本人の自覚は薄いが、父サエルおよび傅役ゼダンは、アルスが他者の感情や能力の機微を読み取ることに長けている点を高く評価しており、その資質は単なる気質ではなく、状況判断そのものに影響を与えるものと見られている。


エリクセン家来襲時、アルスは傅役ゼダンおよび兵五名を伴い南東へ退避する。混乱の中でティム・レオン・ローザの帰参を受け入れ、バウムゼンにおいてディートリヒの助力を得る。


大工夫妻および孤児の兄妹が合流、単なる避難ではなく、新たな生活基盤を築くための人員が徐々に揃い始める。


アルスはそれらを受け入れ、北西の廃砦を新たな拠点と定める。


崩れかけた石壁と、わずかに残る空間を前にして、アルスはそこで初めて「ここから始める」という意思を明確にする。




アルス家臣


■ゼダン


年齢:四十五歳

出自:ミュラー家家臣

立場:アルス家臣/アルス傅役/軍事補佐


ミュラー家に長年仕えてきた重臣であり、サエル=ミュラーの代より軍務・家政の両面を支えてきた人物。


現在はアルス=ミュラーの傅役としてその傍にあり、常に半歩後方から行動を支えている。


過去にアルスと同年の息子を含め自身の家族を事故で失っており、その喪失を経験した後、サエル=ミュラーの判断によりアルスの傅役として配置された経緯を持つ。


この経緯から、ゼダンにとってアルスは主君の子であると同時に、単なる任務対象に留まらない存在として位置付けられている。


忠誠心は極めて強く、個人の感情よりも「守るべき対象の維持」を優先する傾向がある。


武人としての能力は高く、剣術・槍術・馬術のいずれにも精通し、前線戦力としても十分に機能する。


一方で戦略構築を主導することは少なく、あくまで補佐的立場に留まるが、長年の戦場経験により状況の歪みや危険兆候を直感的に察知する能力に優れる。


そのため、結果として戦術判断の補助として重要な役割を担うことが多い。



■ティム=ワーラー


年齢:三十四歳

出自:ミュラー家元家臣/元弓兵隊長

立場:アルス家臣


ミュラー家に仕えていた元家臣であり、かつては弓兵部隊の指揮を担っていた人物。


三年前、突如として「陶器の王に俺はなる」という謎の発言を残し、家族と共に出奔した経歴を持つ。


出奔後は陶工を志していたが、体系的な技術習得を行わないまま制作を行ったため、成果物は陶器としての完成度を欠いたものとなっていた。この過程で妻は蒸発している。


エリクセン家侵攻による混乱期において、逃避行中のアルス=ミュラーと接触。その後、帰参という形でミュラー家に復帰し、アルス配下として行動するようになる。


弓術に関しては高い技量を持ち、かつて弓部隊を統率していた経験から、遠距離戦における判断力および命中精度に優れる。


戦闘領域においては実務的かつ安定した能力を発揮する一方、戦闘外の行動や思考においては極端に逸脱した傾向を示すことがある。



■レオン=ワーラー


年齢:十四歳

出自:ミュラー家関係者

立場:アルス家臣/ティム=ワーラーの長男/アルス=ミュラーの学友


ティム=ワーラーの長男として生まれ、父がミュラー家に仕えていた時期にアルス=ミュラーと共にゼダンの指導を受けた経歴を持つ。


アルスとは幼少期からの学友であり、同時期に基礎的な軍事訓練および規律教育を受けている。


ティム=ワーラーの離脱に伴い一時的にミュラー家を離れるが、その後も完全な断絶には至らず、アルスに対して定期的に書簡を送付している。内容は私信に留まらず、周辺状況や自身の鍛錬経過を含む報告的性格を持つ。


ティム=ワーラーがアルスのもとへ帰参した際、それに同行する形でミュラー家へ復帰し、以後はアルス=ミュラー配下としての立場を取る。


幼少期のゼダンによる指導および独自の継続鍛錬により、年齢に比して安定した戦闘基礎能力を有する。


性格は冷静かつ実直であり、感情の振れ幅は小さい。日常・戦場の双方において一定の安定性を持った判断を行う傾向がある。


アルスに対しては単なる主従関係ではなく、幼少期以来の信頼に基づく継続的な関係性を保持している。



■ローザ=ワーラー


年齢:十二歳

出自:ミュラー家関係者

立場:アルス家臣(ワーラー家随伴)/ティム=ワーラーの長女


ティム=ワーラーの長女として生まれ、父の出奔に伴い家族と共にミュラー家を離れる。


幼少期より兄レオンと行動を共にし、アルス=ミュラーおよびゼダンの訓練環境に接する中で成長した。日常的にその教練過程を観察する立場にあり、武術および戦闘技術への関心を自然に形成している。


父および兄と行動を共にする一方で、早い段階から「戦う側の環境」に対する適応を見せている。


その後、ティムの帰参に伴いミュラー家へ復帰し、アルス=ミュラー配下としての立場を持つこととなる。


アルス=ミュラーに対しては、他者に明示していない好意的感情を抱いているが、これは明確な恋愛感情として整理されたものではなく、憧憬および興味が未分化のまま共存している状態にある。


性格は対象への関心が強く、集中力の振れ幅が大きい傾向を持つ。一方で感情整理は未成熟であり、内面と行動の一致にはばらつきが見られる。



■ヨアヒム


年齢:二十三歳

出自:ミュラー家兵/アルス随行兵(離散時より同行)

立場:アルス家臣


ミュラー家離散時にアルスへ従った兵の一人。


逃避行中に足を捻挫し、以降は周囲に背負われる形で移動を続けている。


性格は明るく軽口が多く、緊張状態においても場の空気を崩さない傾向を持つ。また食に関する関心が強く、各地の屋台や食事事情に精通している。


そのため収集する情報は一見雑多であるが、移動先の生活環境把握という点では一定の実用性を持つ。


バウムゼン滞在中には屋台情報の収集を中心に行動していたが、その過程で出会った孤児兄妹に食事を分け与えたことを契機として、結果的に一行へ引き入れることとなった。


一団においては戦力としてではなく、生活面および心理的緩衝材として機能する存在である。



■マティアス


年齢:二十八歳

出自:ミュラー家兵/アルス随行兵(離散時より同行)

立場:アルス家臣

家族:既婚・子あり(妻子は町に残留)/弟も同行兵の一人


ミュラー家離散時にアルスへ従った兵の一人。


几帳面な性格で、見聞きした事実を紙片に記録する習慣を持つ。


情報の整理および記録能力に優れ、報告時には紙片を用いて内容を照合しながら正確に伝達する。そのため報告は再現性と具体性を備え、他の兵とは異なる信頼性を持つ。


一行においては戦闘要員ではなく、情報の蓄積・整理・再利用を担う役割として機能している。



ミュラー家嫡流



■サエル=ミュラー


年齢:四十三歳

所属:ミュラー家嫡流

立場:ミュラー家当主/最高責任者


ミュラー家の当主であり、家の軍事および統治全般を担う人物。


平時においては温厚で落ち着いた気質を持ち、家中の対立を抑えながら全体の均衡を維持する調整型の統治者として振る舞う。判断も冷静で、状況を俯瞰しつつ最適解へと収束させる能力に長けており、指揮官としての資質は安定していると評価されている。


しかし戦時においてはその性質が反転し、理性的な制御よりも身体的な即応性が優先される形で前線へ突出する傾向を持つ。結果として、全体指揮を担う立場でありながら、自ら馬を駆り槍を取って戦闘に加わることがある。


それは単なる激情ではなく、状況が極限まで収束した瞬間において、判断より先に行動が発現する構造的な特性であり、その振れ幅が家中および戦場の指揮系統に影響を及ぼす要因ともなっている。


そのため評価は一様ではなく、広域的な名声よりも、近隣地域において実戦型指揮官としての警戒と評価が強い。


ミュラー領北領境遭遇戦においては、前線に立ち鬼神のごとき戦いぶりで敵中突破を成功させたのち、味方の撤退を確保するため自ら反転し殿を務める。



■ファビオ=ミュラー


年齢:二十一歳

所属:ミュラー家嫡流

立場:ミュラー家嫡男/家中後継候補


ミュラー家当主サエル=ミュラーの長男であり、家の嫡男として扱われる存在。弟であるアルス=ミュラーにとっては最も強く意識される兄であり、家中においても次代を担う人物として極めて高い評価を受けている。


文武両面において高い資質を持ち、戦場・統治の双方に対応可能な器量を備えている。特に判断力と自己制御に優れ、感情に流されず状況を俯瞰した行動を取るため、若年ながら完成度の高い後継者として認識されている。


その一方で、単なる能力者ではなく、周囲への配慮と統率にも自然な安定感を持ち、家族・家臣・領民のいずれからも次代の中心として見られている。


内面には熱量と衝動性を秘めているが、それは外に放出されるのではなく、判断と行動の制御構造として内部に収められている。


ミュラー領北領境遭遇戦においては、父サエルの突撃に並び敵陣突破を試みる。その過程で戦況が単なる防衛ではなく崩壊段階にあることを理解し、家の維持が不可能であることを即時に判断する。


戦後は生存した側近ニコ・エンゾを伴い、討ち死にしたマルクを悼みつつ、敵であるエリクセン・フォーゲルの実態を自ら確認するため北方へと進路を取る。



■セアド=ミュラー


年齢:十九歳

所属:ミュラー家嫡流

立場:ミュラー家次男


ミュラー家当主サエル=ミュラーの次男であり、ファビオ=ミュラーの弟、アルス=ミュラーの兄にあたる人物。


知略および事務処理能力に優れ、書類整理や戦略補助、立案補佐といった領内運営の実務面で早くから能力を発揮している。そのため家中では、長兄ファビオの補佐役となるのか、あるいは独立した才を持ち別の役割を担うのか、評価が分かれる存在でもある。


表面的には感情を抑えた冷静な人物として見られることが多いが、内面には強い家族意識と情を持ち、特に兄たちに対しては深い尊敬と信頼を抱いている。


長兄ファビオに対しては明確な敬意を持ち、その補佐を自然な責務として受け入れているが、自身の能力が将来的に家中でどの位置に収まるかについては、まだ確定していない。


ミュラー領北領境遭遇戦においては、父サエルの後方を追走しつつその戦いを目の当たりにし、「模倣の次元ではない」と認識することで、自身の理解体系が通用しない領域の存在を初めて自覚する。


戦場離脱後、燃える屋敷を遠望しつつ撤退。敵影の接近を察知し、そのまま山中へと逃避行に移行する。



■カミル=ミュラー


年齢:十一歳

所属:ミュラー家嫡流

立場:サエル=ミュラー四男


ミュラー家当主サエル=ミュラーとエリーゼ=ミュラーの間に生まれた四男であり、アルス=ミュラーの弟にあたる。


年齢的にはまだ幼く、家中における明確な役割は定まっていない。


次兄セアドの在り方を強く意識し、それを理想像として模倣しようとする傾向がある。そのため理性的であろうとする意識は強いが、実際の性質は感情の起伏が大きく、状況や刺激によって思考と態度が変化しやすい。


このため周囲からは「理屈を語るが安定しない子供」として認識され、本人の自己像と外部評価には一定の乖離が生じている。


知性・武勇のいずれにおいても突出した才能は未だ明確ではないが、特定の対象に対して独自の感覚的反応を示すことがあり、特に芸術的領域においてその傾向が強い。


この点についてはアルスも早い段階から薄く認識している。


エリクセン家来襲時にはニコラスに伴われ、リドル・デニスと共に北東方面へと退避する。



■ジョナス=ミュラー


年齢:十歳

所属:ミュラー家嫡流

立場:サエル=ミュラー五男(末弟)


ミュラー家当主サエル=ミュラーとエリーゼ=ミュラーの間に生まれた末弟であり、アルス=ミュラーの弟にあたる。


年齢的には幼く、家中での役割はまだ定まっていない。


感情の制御は未発達であり、思考よりも衝動が先に行動へ現れる傾向が強い。そのため突発的な行動も多いが、状況への適応速度や踏み込みの大胆さとして現れる側面もある。


身体的な反応や直感的判断においては年齢に不釣り合いな鋭さを見せることがあり、一定の戦闘的適性がうかがえる。


一方で、その資質は未体系であり、制御・学習ともに未成熟であるため、将来的な方向性は定まっていない。


エリクセン家来襲時にはヨシュアに伴われ、コンラート・ユリアンと共に海路による退避行動に入る。



■エリーゼ=ミュラー


年齢:三十九歳

所属:ミュラー家(ローゼンベルク家出身)

立場:サエル=ミュラーの正室


ローゼンベルク家の出身であり、ミュラー家当主サエル=ミュラーの正室。


ファビオ・セアド・アルス・カミル・ジョナスおよびアルビーナの母にあたる。


貴族社会においても完成度の高い人物として認識されており、家中外からも一定の評価を受けている。


表面的には穏やかで落ち着いた母親として振る舞うが、その内面では感情と判断が明確に分離されており、状況に応じて極めて冷静な選択を下すことができる。


母としての情と、貴族としての判断を切り離して運用できる稀有な存在であり、その均衡が彼女の安定性を支えている。


エリクセン家来襲時にはアルビーナを伴い、馬車により南方面へ退避する。



■アルビーナ=ミュラー


年齢:四歳

所属:ミュラー家嫡流

立場:サエル=ミュラー三女(末妹)


ミュラー家当主サエル=ミュラーとエリーゼ=ミュラーの間に生まれた末娘であり、アルス=ミュラーの妹にあたる。


幼少期であり、性格・嗜好・能力のいずれも未形成の段階にある。


そのため家族内において特定の役割や評価軸に結び付けられることはなく、他の兄弟姉妹が既に役割を持ち始めている中で、唯一その構造から外れた位置にある存在として扱われている。


これは無価値という意味ではなく、役割によって定義される家の中において、まだいかなる機能にも接続されていない状態を意味する。


エリクセン家来襲時には母に伴われ、馬車により南方面へと退避する。



ミュラー家一門衆



■ヨシュア=ミュラー


年齢:四十歳

所属:ミュラー家一門衆

立場:サエル=ミュラーの弟/アルスの叔父


ミュラー家当主サエル=ミュラーの実弟であり、家中の運営において実務・調整・現場対応を担ってきた人物。


表舞台に立つことは少ないが、状況処理能力に優れ、安定性を重視した判断を下す実務型の統治補佐である。


派手さはないものの、家中における破綻の抑制と継続性の維持を役割としている。


エリクセン家来襲時にはサエル不在の中で居館の維持を担い、最終的にはジョナスを伴って海路による退避を選択する。


この判断は、混乱下において家の存続可能性を最大化するための現実的選択として位置付けられる。



■コンラート=ミュラー


年齢:十九歳

所属:ミュラー家一門衆

立場:ヨシュア=ミュラーの長男/アルスの従兄


ミュラー家の一員として育てられており、家中の動きには一定の理解を持つ。


エリクセン家来襲後、ジョナスと行動を共にする。



■ユリアン=ミュラー


年齢:十七歳

所属:ミュラー家一門衆

立場:ヨシュア=ミュラーの次男/アルスの従兄


ミュラー家の一員として育てられており、家中の動きには一定の理解を持つ。


エリクセン家来襲後、ジョナスと行動を共にする。



ミュラー家庶流



■リドル


年齢:十一歳

出自:ミュラー家庶流

立場:サエル=ミュラーの庶子/ニコラスの孫/デニスの兄/カルラの子


サエル=ミュラーの庶子として生まれた少年。

正室の子ではないため家名を名乗ることは認められていない。将来的には養子入りなどを通じて一門衆として扱われる可能性が示されている。


同年代のカミルおよびジョナスとは関係が深く、単なる血縁以上に自然な交流関係を築いている。



■デニス


年齢:十歳

出自:ミュラー家庶流

立場:サエル=ミュラーの庶子/ニコラスの孫/リドルの弟/カルラの子


サエル=ミュラーの庶子として生まれた少年。

リドルの弟である。正室の子ではないため家名を名乗ることは許されていないが、兄と同様に将来的な一門衆入りが想定されている。


誕生時に母カルラを失っており、その影響は性格形成に静かに影を落としている。


同年代のカミルおよびジョナスとは関係が良く、家中の中でも比較的自然な交流を持つ。



ミュラー家家臣



■ニコラス


年齢:五十五歳

出自:平民

所属:ミュラー家家臣

立場:ミュラー家内有力者/カルラの父


平民出身ながらミュラー家中で地位を築き上げた人物であり、実務能力と対人調整に優れ、家中において一定の影響力を持つ。


かつては独自に人脈を広げ、家中における勢力形成の動きを見せたことから、当主サエル=ミュラーの判断により、娘カルラが側室として迎えられる形で関係の安定が図られた経緯を持つ。


しかしその後、カルラがデニス出産後に亡くなったことで、その立場は微妙なものとなり、家中における位置付けは一層複雑なものとなっている。


現在は表立った対立を見せることなく、家中の一員として振る舞っているが、その影響力は依然として無視できない。


なお孫であるリドルおよびデニス、また同年代であるカミル、ジョナスに対しては、比較的柔らかな態度で接している様子が見られる。


エリクセン家来襲時には、カミル・リドル・デニスを連れ、敵軍の裏をかく目的で、敢えて北東へと向かう。



■カルラ


享年:二十三歳

出自:平民

立場:サエル=ミュラーの側室/ニコラスの娘


ニコラスの娘であり、ミュラー家の内部調整の一環としてサエルの側室に迎えられた女性。

家中の勢力均衡を目的とした婚姻関係の中で、結果的にニコラスとの関係安定にも寄与する形となった。


リドルおよびデニスを出産したが、デニス出産後の産褥により命を落としている。


平民出身の側室であったため、家名は持たない。



■マルク


享年:二十一歳

所属:ミュラー家家臣

立場:ファビオ側近(元)


ファビオと同年代の学友であり、同時に側近の一人として前線行動を担っていた人物。


戦場においては前線での即応・突撃補助を役割とし、戦況変化に対する初動対応に優れていた。


判断よりも行動が先行する直感型の性質を持ち、戦況への反応速度を武器としていた。


ミュラー領北領境遭遇戦において戦死。前線崩壊の初動過程に巻き込まれ、その中で命を落とす。



■ニコ


年齢:二十歳

所属:ミュラー家家臣

立場:ファビオ側近


ファビオと同年代の学友の一人であり、側近として行動を共にする人物。


戦況の把握および整理を担い、現場情報を言語化・構造化して伝達する役割を持つ。


戦場においては感情や局面に流されず、距離を保った視点から状況を観測し、判断材料として再構成する性質を持つ。


ミュラー領北領境遭遇戦を生存し、戦後はファビオと行動を共にする。



■エンゾ


年齢:二十二歳

所属:ミュラー家家臣

立場:ファビオ側近


ファビオと同年代の学友の一人であり、側近として行動を共にする人物。


戦場においては精神的支柱として機能し、戦況や判断に伴う迷い・動揺を受け止める役割を担う。


情報や状況の整理を担うニコとは対照的に、判断以前の感情領域においてファビオを支える存在である。


ミュラー領北領境遭遇戦を生存し、戦後はファビオと行動を共にする。



外部協力者



■ディートリヒ 愛称「ディー」

年齢:四十四歳

出自:傭兵出身

立場:バウムゼンの酒場店主/元傭兵隊長


元傭兵隊長であり、現在はバウムゼンにて酒場を営んでいる人物。

かつての戦場において伏兵に包囲され窮地に陥った際、サエル=ミュラー率いる部隊に救出された経歴を持つ。


その際に受けた「退け。生きろ」という言葉を強く記憶しており、以後、サエルに対する恩義を行動原理の一つとして抱えている。


現在は傭兵業からは離れているが、戦場経験に基づく人脈と情報網を保持しており、バウムゼンにおける一定の影響力を有している。


ティムとは旧傭兵時代の縁により旧知であり、その関係を通じてアルス一行との接点を持つこととなる。


バウムゼンに到達したアルス一行に対しては、情報提供および物資支援を行い、拠点候補地の提示、金銭・馬・武具・道具類の提供、さらに野菜の種・荷車の準備を行っている。加えて、大工夫婦の紹介も行い、拠点構築に必要な人的基盤の形成にも関与している。


これらの行動は一貫して「過去に救われた命への返礼」として説明される。


現在はアルス一行に対し直接的な従属関係にはなく、あくまで外部協力者として関与している。



敵陣営



■ゲルハルト=エリクセン


年齢:五十三歳

出自:エリクセン家傍流(先代当主の弟)

立場:エリクセン家後見人/実質的支配者


エリクセン家先代当主の弟にあたる人物。先代当主が原因不明の事故により急死した後、幼少の当主の後見人として家中の実務を掌握する立場に就いた。


当初は後見人としての責務を担う形で家政に関与していたが、次第に家中の要職へ自らの息のかかった者を配置し、影響力を拡大。さらにフォーゲル家重臣ハインリヒ=クラウゼンの支援を受けることで、家中の実権を事実上掌握するに至る。


現在では幼い当主の権限は名目的なものに留まり、領政の決定はほぼ全てゲルハルトの意向によって行われている。領内においては重税と強権的な統治を推し進め、その収奪は自らの享楽および対外的関係維持のために費やされていると見られる。


フォーゲル家との関係は極めて緊密であり、同家重臣ハインリヒとの間には相互利益に基づく結び付きが存在する。この関係を背景として軍事行動にも踏み切り、周辺領に対する圧力を強めている。


ミュラー領への侵攻においては、その主導的立場にあり、戦略的意図と私的利益の双方を背景に行動していると考えられる。


その統治は秩序の維持よりも支配の固定化を優先する傾向が強く、領内外において不満と緊張を蓄積させつつある。



■ハインリヒ=クラウゼン


年齢:四十一歳

出自:不明(フォーゲル家臣として台頭)

立場:フォーゲル家重臣/策略担当


大領フォーゲル家に仕える重臣の一人であり、主に対外戦略および政略を担う人物。家中においては比較的若年ながら、その実務能力と成果によって発言力を拡大しつつある。


フォーゲル家中では現在、重臣間の権力争いが激化しており、特にナユリ王国への侵攻が長期化・泥沼化したことで、これを主導した勢力の影響力が低下している。加えて戦況の停滞に伴い、領内では物資不足、とりわけ塩の欠乏が深刻な問題となっている。


こうした状況下においてハインリヒは、従来より関係を築いていたエリクセン家に着目。同家を対外的には独立を保ちながらも、実質的には従属的な関係へと誘導していた経緯を踏まえ、これを足掛かりとする新たな方策を実行に移す。


すなわち、エリクセン家を実働部隊として用い、ミュラー領への侵攻を行わせることで、物資獲得と戦略的優位の確保を同時に図るものである。この過程においては、事前に水面下で接触していた複数の内通者も活用されており、周到な準備のもと作戦は遂行された。


その結果、塩不足の完全な解消には至らないまでも、フォーゲル家にとっては無視できない補填手段を確保することに成功し、同時に失策続きであった他重臣との対比において、自身の評価を大きく押し上げることとなった。


現時点ではなお権力闘争の渦中にあるものの、状況を利用し成果へと転化する手腕により、家中における地位を着実に強めつつある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ