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【3章から読みたい方用】ここまでのあらすじ

こちらは「無実の断罪令嬢は、死後にネクロマンサーの嫁になる」1、2章のあらすじとなります。

3章から読んで最新話に追いつきたい方は、ご利用ください。

もし細かな部分が気になる方は、是非、遡って1、2章も読んでみてくださいね。


また、既に通読してくださっている方は、このページは飛ばして40話をお読みいただければと思います。


◆ ◆ ◆


 伯爵家の娘であるカナリヤは、幼い頃に火事で母を失くして以降、苦しい人生を過ごしてきた。

 自身は右頬に火傷を負い、父からは母の死について責められ、後妻として家に入ったエルザと義妹のメアリーからも辛く当たられる毎日。

 そんな彼女はついに無実の罪で家を追放されてしまう。


 行く当てがなく途方に暮れた彼女に手を差し伸べてくれたのは、火事以降、唯一優しく接してくれていた幼馴染のロイド。

 彼を頼りかけた矢先、メアリーが登場し、実はロイドもカナリヤを煩わしく思っていたのだと暴露される。


 絶望したカナリヤはロイドへ謝罪し、引き留める彼を振り切って夜道を駆けだした。

 そして街はずれまで辿り着いたところで、何者かに背中から刺され、虚しく生涯を終えてしまう。



 ところが、死んだはずの彼女は豪奢な部屋で再び目覚めた。


 「結婚しよう、いますぐに!」


 突然そう宣言してきたのは、銀髪と紫の瞳を持つ美しい青年サリオン。

 彼の正体はノースフェル辺境伯であり、魔王の魂を持って生まれてきたという、強大な力を持つネクロマンサーだった。

 サリオンは北の黒曜城で、魔物たちや死体人形と生活していた。

 

 彼はカナリヤの死体を持ち帰り、可愛いので蘇らせてお嫁さんにしようとしたのだという。

 

 戸惑うカナリヤに、サリオンは真っ直ぐな好意を向け続ける。

 彼は魔物以外の生者に触れると命を奪ってしまうという呪いのような体質を抱えており、家族と呼ぶべき魔物たちは周りにいるものの、常に孤独だった。

 

 彼が操れる死体は、本来すべて意思のない人形である。

 けれど何故か、カナリヤだけは意思と記憶を持って蘇ったのだ。

 これは運命に違いないと、ますますカナリヤに執着するサリオン。

 ただし、彼の愛は直球ではあるが気遣いがあり、どこか不器用な可愛らしさもあった。


 サリオンの純粋さやおおらかさ、そして孤独に触れることで、カナリヤは次第に彼へ惹かれていく。

 黒曜城に暮らす個性豊かな魔物たちもカナリヤを歓迎し、温かく接してくれた。

 こうして、少しずつカナリヤは生きる力を取り戻していく。


 

 黒曜城での暮らしにも馴染みはじめた、サリオンとの2回目のデートの日。

 

 偶然、カナリヤとサリオンが幼少期に出会っており、1か月ほど共に遊んで過ごしたことがあると判明する。

 それはカナリヤの人生を一変させた火事の直前の出来事であり、火事の痛ましい経験から、彼女は記憶に蓋をして全てを忘れてしまっていたのだ。


 当時のサリオンにとって、カナリヤは唯一の友達だった。

 そんな彼女が突然姿を現さなくなったことで、過去に深い心の傷を負っていた彼は、怒りを抑えきれない。

 気持ちがすれ違った二人は、うまく言葉を交わすこともできず、別々に黒曜城に帰宅する。

 

 落ち込むカナリヤだが、彼の親代わりである魔物のリュミエに励まされ、勇気を出してサリオンの部屋を訪ねる。

 サリオンの方も感情を爆発させたことを後悔していたようで、二人はすぐに仲直りした。

 そしてカナリヤは、どうして彼と遊ぶ約束を破ることになってしまったのか、自分の生前の詳しい境遇についてを彼に語った。


 ――火事のこと、父から責められたこと、義母や義妹の登場、苛烈な虐め、冤罪で追放されて死に至ったこと。


 カナリヤの口から語られる過去の壮絶さに、サリオンは絶句する。

 愛する女性の受けた仕打ちに激怒したサリオンの瞳は紫から黒色に染まりかけ、その怒りに呼応するように城の外には嵐が吹き荒れ始め、低級の魔物たちが集い始めた。


 カナリヤを苦しめた家族を、王都を、人間を滅ぼしてしまおうと、サリオンは無邪気に提案する。

 

 「"奪うこと"しかできない僕の力が、やっと役に立てる!!」


 自分の強大な力を、サリオンは受け入れつつも、何処かで呪いのように感じていた。

 彼の擦り切れそうな叫びに、カナリヤは必死で声をかける。


「貴方は、"奪うことしかできない"なんてことはない」

「私に、生きることを思い出させてくれたのは、貴方なのです」


 カナリヤの言葉に、サリオンは魔力を収めた。

 ――家族を恨む気持ちは確かにあるが、それよりも今ある幸せを守りたい。

 カナリヤの選択にサリオンは納得し、微笑む。


 そして二人は、愛を誓い合った。

 一方的な結婚宣言は、互いを思いやる幸せへの道筋へと変わった。


 こうして彼らの絆は、また一段深まったのである。

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