表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

計算とは、戦闘中にするものだ!

昔書いた雑話です。

気まぐれの投稿なんでね、えぇ。

⸺サンス・ウガク帝国、帝都ケイサーン。


「また失敗した〜!!!」


居酒屋兼、冒険者ギルド ケイサーン支部にて、過去を悔いる少年が一人いた。⸺まぁ…オレだ。


「キィライ、アンタ・・・まぁた行き詰まってんのか。今回は何処で帰ってきたんだい?」


若作りしてる女冒険者、スィン・コパがオレに進捗を聞く。なんだ、イヤミかババアよ…という本音を隠して、オレはスィンに愚痴を零した。


ダンジョン・ククを六階層まで手こずりながら抜け、後は下の階層を進むだけとタカを括っていたが、七階層で想定以上に苦戦している…という愚痴を。


そんなやり取りを見ていた飲んだくれの男が、次の冒険の予定を話し合っているパーティのリーダーを指差しながらこう話す。


「まぁまぁ。でも、七階層か。結構七階層で足止め食らう奴は多いよな…そこにいるAランクのブドーキも、ペーぺーの頃はダンジョン・ククの攻略に一年以上費やしていたからなぁw」

「うるせぇぞユビサ。そういうお前はダンジョン・ククを大泣きしながら攻略してたじゃねぇかw」

「なんだとう!!!」


バk⸺酔っぱらいの先輩たちが、取っ組み合いの喧嘩を始めてしまった。面倒くさいから関わらないでおこ。

まだ昼前だし、もう一度ダンジョン・ククに挑戦してみるか……。


 ◇◆◇◆◇


「はぁ…はぁ…けほっ…やっと、倒せた……すぅ…はぁ」


以前七階層に来た時にやられてしまった強敵、シシニになんとか辛勝できたが……想定より体力を持っていかれてしまった。


「後、七階層で強敵って言われてるのはシロシだけ、だったかな…会いたくないな。ちょっと、水場で休憩するか…」


それにしても・・・・・。


『⸺全ての国でAランク認定を持つ冒険者になるまで、家の敷地に入ることは許可出来ない。お前が20になるまでに、キョベウン家にお前の良い噂が聴こえなかったら、絶縁となる。それは、昔から決まっている一族の掟だ。だから、私の一存で変えることは……。すまない、キィライ』


・・・・・掟のことは、昔から分かっていたし、散々言われてきた。でも、父さんも姉さんも認めた、出来損ないのオレに、出来る訳がない。

それにオレ、ダンジョン攻略も冒険者も嫌いだって、ずっと昔からシュウキ兄さんに言ってたんだけどな…。


「駄目だ・・・座り込んでたら、いつまでも暗いことばっかり考えてしまう。そろそろ行動再開しないと…」


⸺シロロロロッ−!!!


「⸺魔物の声!?」


急いで立ち上がって空間の中央へと移動しながら武器を構え、声が聞こえた方⸺オレがもたれかけていた壁へ警戒を向ける。


声の主が現れたのは、その数秒後だった。


「岩壁も崩せるとか、どんな力持ってるんだよクソ魔物がっっ!?」


口で苛つきながら過去にみた魔物図鑑の記憶を漁って、現れた魔物を特定する。・・・現れた魔物の正体は、出来損ないのオレでも、強く記憶に残っていた。


「⸺・・・マジ、かよ。これが兄さんが昔から言ってた”ふらぐ”ってやつか!?」


今俺の前にいる魔物は・・・⸺先程会いたくないと呟いた、シロシだった。

シロシは己の身を顧みず、突進してくる。それを避けようと、動いた時のことだった。


【問:7×6=□】


⸺頭の中で響く問い。これが、冒険者に馬鹿がいないと言われる所以だ。魔物は戦闘中、唐突に問題を出してくる。問題の内容は個体差があるが、答えは魔物の種類で異なる。

今回のシロシは、単純に計算の答えを答えるだけでいいのが、幸いだ。


「えっと、しちろく・・・しじゅうに。42だ!」


【⸺・・・・・正解】


だが、正解したところで、戦況が良くなる訳ではない。頭の中で勝手に響き渡る問いの声が聴こえなくなるだけ。戦闘中に余計な思考が混ざらなくなるだけ。

自分が強くなった訳でも、敵が弱体化した訳でも無い。

問題を答えた後の戦闘は、ただただ自分と敵の勝負になるだけなのだ。


「ほんっとに戦うのがイヤになるなぁ!!!」


 ◇◆◇◆◇


「おや、キィライ。帰ってきたのか。七階層は突破出来たか?」

「出来ねーし……出来ねーよ!!!」


⸺結果・・・負けた。単純にオレの戦闘技術不足で負けた。Gランクまでのダンジョンは死んでも入り口に戻されるっていう謎の技術が無きゃ、何回死んでるのか、もうわっかんねぇな・・・・・・・・・クソォ。


「別に、ソロで潜らなくても良いんじゃないか?」

「そうかなぁ……でもオレ、全ての国でAランク認定貰わないとだから。後8年以内に」

「・・・・・なんだよその目標、変態か?」

「うるせーぞババア」

「ババア、だと・・・そうかキィライ、お前はアタシの特別訓練をご所望の様だな?」

「うぇ!?ちょっ、オレそんなこと一言も言ってな⸺アダダダッ!?痛い、痛い!?首根っこ掴むなよババア!?」


⸺そんなこんなで、オレはスィン・コパから超絶スパルタの特訓を受け、無事(?)にダンジョン・ククを攻略出来たのだった。

【キャラ名元ネタ?】


キィライ・キョベウン=勉強嫌い

コパスン=コンパス(円書く方)

ブドーキ=分度器

ユビサ=指さし棒

シュウキ・キョベウン=勉強好き


【冒険者ランクの大体知識表】


A 高3

B 高2

C 高1

D 中3

E 中2

F 中1

G 小4~6

H 小1~3

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ