キスケ、腹筋を割るッピ
なぜか人によく道を聞かれるのだけど、先日のおっちゃんはスマートの極みだった。
「〇〇街道はあっち?」と聞かれた際、私が立ち止まって警戒するのを察したのか、磁石みたいに等間隔を保ったまますれ違い、私が指差した方向へそのまま流れるように去っていった。
地動説みたい。私は冥王星がいい。
新年を迎え、猫も杓子も新しいことやるぞと息巻いているが、あと一年あるんだから初めから飛ばしすぎない方がいいよ。
私の年明け時点での目標は、小説投稿サイトでランクインすることと、金柑の甘露煮を作ることだったが、運良く一月中に達成できたのでもう安泰だ。
できればFP3級に合格し、長編小説を完結させたいが、気張り過ぎてもよくないし。
二日前、漠然と腹筋を割って、割れた暁には左耳の軟骨にピアスを開けてみようという突拍子もない目標を掲げたので、今年の年末には自我を失っているかもしれない。
ちなみに、今の私はおじゃる丸のキスケやガチャピンに似ていると言われる。
自分では、インサイド・ヘッドのかなしみに似ていると思っている。
だからこそ、もし年末に腹筋がバキバキに割れ、左耳に銀色のピアスを光らせた私がそこにいたとしたら、それはもう別の生命体だ。
金柑の甘露煮を頬張りながら、鏡の中の知らない自分と、スマートにすれ違ってみたいものだ。




