灯る透明の染色方法
時波の世界にまだ聖人が存在していた時代。世界がやわらかで、理はよく揺らぎ、不安定だった時代。
穏やかな魔女と苛烈な聖人は出会い、そして突然に婚姻を結ぶ。
――ちょうどよかったんだ。俺はどこかの国に肩入れする気はまったくないからな。
――あなたの事情に巻き込まないでください。わたしは静謐の魔女。騒がしいのは好みません。戦なんて、もってのほかです。
静謐と戦火。正反対ともいえる性質を持つふたり。
しかし魔女と聖人が一度結んだ繋ぎは解くことができない。好まない戦の要素を削ろうにも、婚姻によって紐づいてしまった自身の要素を崩すわけにもいかない。
静謐と戦火の繋ぎは成されたのだ。
しかたなく伴侶としての役目を果たすことにした静謐の魔女は、肌に合わぬ要素を最小限に抑えるため、友である明星黒竜たちに協力を仰ぎ魔法具を作ることにした――。
迷子が趣味な魔女と、国落としに精を出す聖人。
世話焼きお父さんな冬の竜と、貢物でレストランを営む秋の竜。
これは、最後の聖人を育んだ人ならざる者たちが紡ぐ、対話と幸福についての物語である。
穏やかな魔女と苛烈な聖人は出会い、そして突然に婚姻を結ぶ。
――ちょうどよかったんだ。俺はどこかの国に肩入れする気はまったくないからな。
――あなたの事情に巻き込まないでください。わたしは静謐の魔女。騒がしいのは好みません。戦なんて、もってのほかです。
静謐と戦火。正反対ともいえる性質を持つふたり。
しかし魔女と聖人が一度結んだ繋ぎは解くことができない。好まない戦の要素を削ろうにも、婚姻によって紐づいてしまった自身の要素を崩すわけにもいかない。
静謐と戦火の繋ぎは成されたのだ。
しかたなく伴侶としての役目を果たすことにした静謐の魔女は、肌に合わぬ要素を最小限に抑えるため、友である明星黒竜たちに協力を仰ぎ魔法具を作ることにした――。
迷子が趣味な魔女と、国落としに精を出す聖人。
世話焼きお父さんな冬の竜と、貢物でレストランを営む秋の竜。
これは、最後の聖人を育んだ人ならざる者たちが紡ぐ、対話と幸福についての物語である。
第一章 戦火の羅針盤
1−1 書庫の番人と始まりの婚姻
2024/05/01 20:10
1−2 報告と水中の夢
2024/05/02 08:17
1−3 影渡りと書架の森
2024/05/03 23:01
1−4 書の迷い路と毒霧の悪意
2024/05/04 10:44
1−5 静かなる火と夜明けの明星
2024/05/05 16:45
章末おまけ① 戦火の羅針盤
2024/05/06 11:23
第二章 魔女の髪飾り
2−1 秋の移ろいと迷いの因果
2024/05/07 08:13
2−2 星への敬意と祝いの領域
2024/05/08 18:25
2−3 人形の館と欲のかたち
2024/05/09 18:33
2−4 雨の城と妖精の慈愛
2024/05/10 07:15
2−5 人ならざる者の選択と幸福への道筋
2024/05/11 11:54
章末おまけ② 魔女の髪飾り
2024/05/12 15:14
(改)
第三章 鱗粉印鑑
3−1 駄々こねる家と糸屑拾い
2024/05/13 08:18
3−2 甘い装いと特別な結び
2024/05/14 07:28
3−3 戦利品と契約の書類
2024/05/15 12:59
3−4 姫の役割と代替物
2024/05/16 07:57
3−5 燃える酒とふたりの夜
2024/05/17 13:04
章末おまけ③ 鱗粉印鑑
2024/05/18 19:31
第四章 ダイヤモンドダストのオルゴール
4−1 訪い夜と心の向く先
2024/05/19 18:56
4−2 三人の迷い路と嫉妬の可視化
2024/05/20 18:34
(改)
4−3 冬の大惨事と青い旋律
2024/05/21 07:12
4−4 愛らしい静謐と恩恵
2024/05/22 07:57
4−5 戦火の執着と死闇の影
2024/05/23 12:04
章末おまけ④ ダイヤモンドダストのオルゴール
2024/05/24 07:52
(改)
第五章 暖炉宝石
5−1 掴みそこねたものと手の中にあるもの
2024/05/25 09:14
5−2 死闇の王都と歪な信仰心
2024/05/26 11:42
5−3 死者の贄と喝采
2024/05/27 10:03
5−4 祝福と誓い
2024/05/28 13:49
5−5 穏やかな魔女と苛烈な聖人
2024/05/29 20:08
章末おまけ⑤ 暖炉宝石
2024/05/30 08:06
終章
エピローグ
2024/05/31 18:40