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2(再)

 視界には、四方(しほう)に伸びた枝と、枝に隙間(すきま)なく取り付いたアーモンド形の緑の葉の裏側がシルエットになって見えている。コータローは、自分が寝転がっている事に気付いて、飛び起きた。薄暗い森の中。下草(したくさ)もまばらにしか生えていない固い土の上に直接寝転がっていた。周囲を見回せば、木の(みき)を背に金髪を一つの三つ編みにまとめた少女のエカテリーナが座りこんでこちらを見ている。

 コータローは、自分が森の中を彷徨(さまよ)いながら『おしゃべり(からす)』を探していた世界に(もど)って来たと理解する。一気に緊張が解けたせいか、軽いめまいを感じて顔を()せる。

「大丈夫?」

 エカテリーナは、木の根元に座ったまま、小さな声を出す。

「ああ…、大丈夫。」

 まず、頭の整理をしなければ、状況の変化に付いていけない。このエカテリーナはなんて呼べば良かったっけ?

「えーと、カーチャ。俺、どうして、ここで寝ていたか教えてくれるかい?」

(おぼ)えてないの?」

「カーチャと森の中を歩いていたのは憶えている。その後、きっと白い()け物のような(やつ)が現れて、俺を()り飛ばしたんじゃないかと思うけど、そこまでの記憶しかない。」

「そう。コータローはそのまま(がけ)(すべ)り落ちて、気を失ったから、そのままそこに置いておくと、また(おそ)われるかもって思って、森の中に運んで来たの。」

 言われてみれば、服のそこら中が土で汚れているし、体を動かすと脇腹(わきばら)(ひじ)が痛い。自分の背後は森が開けていて、ここよりも明るい。その向こうに(がけ)らしき斜面が見える。

 少女のエカテリーナには、コータローが意識を失っているように見えている間に、1階層下で、年上女性のエカテリーナさんと、『羽毛のペンダント』を探していたと言う事になるのか。この子が探しているのは『おしゃべり(からす)』。ここでも彼女の探しているものを見つけてやれば、解放されるって話なのだろう。

 コータローは、エカテリーナが黙って待っていてくれるのを良い事に、頭の整理をしてから、彼女に話し掛ける。

「もう一度、整理させてくれ。探し物は『おしゃべり鴉』だよね。」

 エカテリーナは黙って(うなず)く。

「どうしてカーチャは、『おしゃべり鴉』に会いたいんだ?」

 彼女は、視線を自分の足元に落とす。そのまま黙っている。ここは我慢(がまん)のしどころ。コータローはエカテリーナが(しゃべ)り出すまで根気強く待つ。

「…あの、私、こんなだから…」

 こんなって、どんなだ。

「…だから、私の代わりに話してくれる人が欲しくて…。」

 ああ、口下手(くちべた)だって言いたいのか。

「カーチャの代わりに『おしゃべり鴉』に話して欲しいのか?」

 彼女は(うなず)く。

「でも、鴉だろ?話すって言ったって…」

 そう言えば、変なお伽話(とぎばなし)をエカテリーナが話していた。

「えっと、お伽話の中で、鴉は何してくれたんだっけ。」

「少女の話し相手になってくれた。」

「そっか。」じゃ、人間の言葉は話せるし、理解出来(でき)(わけ)か。「でも、話し相手と、代わりに話すのじゃ、役割が違い過ぎないか?」

「どう違う?」

 エカテリーナが小首(こくび)(かし)げる。

 そう言われると、説明出来ない。でも、なんか違う気がする。

()(かく)、『おしゃべり鴉』を見付けないと、話にならないな。さてと、」コータローは地面に胡坐(あぐら)をかいて座り、腕組みをする。「どうやって、見つけるかだが…」

「…草原はどうかな。」

 エカテリーナの発言にコータローは少なからず驚く。まさか、この子が自分から意見を言うなんて思ってもみなかった。

「草原?何故(なぜ)、草原が良いと思うの?」

 出来るだけ、余り刺激しない(よう)に問い返す。

「鴉って大きな鳥でしょ?森の中は枝や葉が多過ぎて上手(うま)く飛べなくて嫌いかも。」

「なるほど、そうだね。」

 大体、鴉を注意して観察した事など無いから、何処(どこ)にいるのか知らない。そう言われれば、そんな気もして来る。

「じゃ、草原に行ってみよう。」コータローの頭の中には、幼いエカテリーナと最初に出会った草原のイメージが浮かぶ。「でも、草原はどっちなんだろう。」

「さあ…。」

 ま、立派(りっぱ)な答えは期待していなかった。1階層下に落ちる前の自分だったら、こんな返事されたら、苛立(いらだ)って怒鳴(どな)り散らしていたかも知れない。大人のエカテリーナとの出来事(できごと)で、今の状況を少し冷静に見える様になって、少女のエカテリーナにも腹が立たなくなった。

 そうだ、(あやま)っておかなけりゃ。

「あのさ、カーチャ。」

 急に態度が変えて、おずおずと話し掛ける自分がやけに滑稽(こっけい)に思える。

「何?」

 エカテリーナの無機質な返事に気持ちを(くじ)かれかける。

「話は違うんだが…、俺、君に(あやま)っておかなけりゃならない。」

 そこで言葉を切って、エカテリーナの反応を(うかが)う。彼女は何の表情の変化も見せずに、(ただ)コータローを見つめている。

「俺、(がけ)から落ちて気を失う前、カーチャに嫌な言い方してしまった。気分悪かったろ、御免(ごめん)。」

 ペコリを頭を下げる。只管(ひたすら)バツが悪い。

「コータロー、やっぱり怒ってた?」

 静かで小さな声。

「いや、怒ってなんかいない。多分、…何か、どうなっちまうのか分からなくて、それに苛立(いらだ)っていたっていうか…」

「いいよ…別に。そんな感じになる事は良くあるから。」

 彼女は視線を落とし、足元に生えている草を手で摘まむ。

「そんな感じって…」

「…私と話していると、相手の人が良くそんな感じになる。『イラつく』って言われたり、急に怒鳴(どな)られたり…」

御免(ごめん)。」

 そうか、だから『おしゃべり鴉』を探すのか。自分にこのエカテリーナが助けられるだろうか。すっかり暗い雰囲気にしてしまった。と言うか、洞窟(どうくつ)だったり、(がけ)から転げ落ちたり、ずっと薄暗い森の中だったり、ここじゃあ暗い展開ばかり…

「あ。」

 そうだ。

「何?」

 何かを思いついたコータローの表情を見て、エカテリーナは更に不安そうな表情になる。

「どっちに行けば良いか、もしかしたら()き出せる相手がいるんだ。ちょっと待ってて。」

 コータローは目閉じる。

 おい、居るんだろ?出て来いよ。

 ゆっくりと目を開けると、それまで何も無かった森の地面の上でチビモンスターが彼を見上げている。羽毛のペンダントの一件で、小さい体になったままだ。相変(あいかわ)わらず無表情のくせに見ているだけで腹が立ってくる。

「何、それ?」

 エカテリーナは両腕でわが身を(かば)う。

 あれ?ここのエカテリーナはこいつの事を知らないのか。

「大丈夫。」コータローはエカテリーナに笑って見せる。「変な格好(かっこう)(やつ)だけど、危害は加えないから。」

「俺を便利に使うな。」チビモンスターが話に割って入る。「さっき充分に役目は()たしたろ。」

「お前は俺だ。俺がミッションを達成できなけりゃ、お前も同罪だ。」

「それで(おど)したつもりか。」

「良いから、協力しろ。」

「お前、自分でミッションって言うくらいだから、ここで自分が何を解決しなけりゃならないか理解しているんだろうな?」

「この子、カーチャに『おしゃべり鴉』を探してあげる。」

「そうじゃなくて、お前自身の何を解決するかだ。」

「なんだ、それ?」

「体育祭の準備。」


「ちょっと、男子、ちゃんとやってよ。間に合わなくなっちゃうでしょ!」

 いつもは大人しい石川綾香さんが珍しく顔を赤くして怒っている。ふざけて遊んでばかりしていた俺達が悪いのだ。


 頭の中をフラッシュバックが(よぎ)る。コータローは思わず、エカテリーナに視線を飛ばす。彼女は、チビモンスターとコータローのやり取りをじっと見ている。

御免(ごめん)、ちょっとこいつとこれから行く方向を相談してくる。ここで待っていてくれるかな?」

 コータローはエカテリーナに笑顔を作って見せる。彼女はコータローとチビモンスターを交互に見ながら小さく(うなず)く。

「ちょっと来い。」

 コータローが先に立って自分が転げ落ちただろう崖下(がけした)に歩いて行く。チビモンスターは逃げもせずに、黙って彼の(あと)からついて来る。

「その…、体育祭の準備が俺のミッションってどういう事だ?」

「お前、それを気に()んでいるんだろ?」

「気に病んでなどいない。」

「そうか?少なくとも、そう言われて、その場面を思い出すくらいには気にしている。」

「ん…、ま。だとしたら、何だと言うんだ。」

「じゃ、何とかしなきゃな。」

「何とかって、どうすりゃ良い。」

「そんな事、自分で考えろ。」

「お前、俺の気になっている事を逆撫(さかな)でするだけで、後は放り出すのか!」

「自分で何とかする以外に解決方法は無いぞ。」

「お前だって、俺だろ。少しは協力しろ!」

「俺がお前なんだ。解決策なんか知っている(わけ)ないだろ。」

 これじゃ、どこまでも平行線だ。

「そいつは後回しだ。カーチャのお願いを解決する方に専念するぞ。お前、(からす)居所(いどころ)知っているだろ。」

「知らん。」

 一頻(ひとしき)りコータローとチビモンスターは黙って(にら)み合う。

「おい、(うそ)をつくな!」

 チビモンスターを頭の上から押さえつける。

「やめろ、痛いじゃないか!知らないものは知らない。だ、第一、俺が知っているなら、お前だって知っている。お前が知らないなら、俺だって知らない。」

 ええい、ややこしい。でも、そんな事ばかりじゃない(はず)だ。

「じゃあ、草原へはどう行けは良いかを教えろ。」

「…他人にものを頼むときは、頼み方ってものがあるだろ。」

「他人じゃない。自分自身に言っているんだ。(かま)うものか。」

 チビモンスターが溜息(ためいき)をつく。

「案内してやるから、付いて来い。(ただ)し」チビモンスターが語気(ごき)を強め、人差し指でコータローを指す。「これだけだ。もう、協力しないからな。後は自分で何とかするんだ!」

「良いから案内しろ。間違ったりしたら、承知しないからな。」

 コータローは、チビモンスターの頭を張り倒し、足で尻を()って、エカテリーナの元に戻った。

 2人は、チビモンスターを先頭に立てて案内させ、薄暗い森の中から光(あふ)れる草原へと辿(たど)り着いた。風が吹き過ぎて行く広々とした草原は、最初に幼いエカテリーナと出会った草原に似ている。だが、あの時見えた町は無い。その代わり、草原の所々(ところどころ)に一本立ちの木が点在している。嵐になれば草原を強い風が吹きまくるのだろう。どの木の枝も風に抗しきれなかったのか、いびつにねじくれている。

 明るく視界の(ひら)けた草原に出た事に気を取られている間に、チビモンスターは消えていた。後は勝手にしろと言う事だろう。エカテリーナとコータローは、周囲を注意深く観察しながら、草原の中を進む。

 (かす)かだが、声がする。ひそひそ話をする小人の様な、やけに甲高(かんだか)い声。何を言っているのかは聞き取れないが、段々近づいて来る。

「…やれやれ、全くなんてこったい。」

 (ようや)く聞き取れる。独りで愚痴(ぐち)っている(よう)だ。

 一気に声が大きくなったかと思ったその時、森の木々の上から一羽の黒い鳥が現れ、2人の真上を通り過ぎていく。

 おしゃべり(からす)!きっと、あれだ。本当に居た。

「おい、ちょっと待て!」

 空を見上げて、思わず口走る。

「捕らえた獲物(えもの)は残しておくもんじゃない。」

 確かに空を飛ぶ鳥が(しゃべ)っている。コータローの呼び掛けに気付いていない。

「おーい、ちょっと待ってくれー!」

 もう一度、飛び去って行く鳥に向けて声を張り上げる。

(まった)くとんだ取り越し苦労だった。」

 幸い、黒い鳥は上空で緩やかに()を描いてこっちに戻って来るが、コータロー達に気付いた(わけ)ではなさそうだ。

「おーい、鴉!おしゃべり鴉!おーい。」

 黒い鳥の(ひと)(ごと)()んだ。コータローとエカテリーナの頭上でくるりと旋回すると、近くの一本立ちの木目掛(めが)けて降りて来る。バサバサと大袈裟(おおげさ)な羽音を(ひび)かせて、のたうつ(よう)に伸びた枝に止まる。2人は木の元に()け寄った。

「お前、おしゃべり鴉なんだろ?」

 鴉が止まった枝を見上げて声を掛ける。用心深い鴉は、人の背丈(せたけ)では届かない枝に止まっている。

「お前とはなんだ。礼儀をわきまえない(やつ)め。」

 鴉の黒い(くちばし)が動いて、人工音声のような硬い声が(ひび)く。信じていなかったが、本当に鳥が(しゃべ)っている。鳥のくせに(えら)そうな口を()くが、それよりも驚きが(まさ)り、コータローは枝にとまる真っ黒な鳥をしげしげと観察する。外見は普通の鴉だ。大き過ぎず、小さ過ぎず、全身を(おお)う黒々とした羽は太陽の光に(にぶ)く輝いている。

 『おしゃべり鴉』を見付けてしまった。『羽毛のペンダント』は自分で作る流れだったから、今度も最後は何とかして代わりになるアイテムを見立てなきゃならないのだろうと薄々(うすうす)覚悟していたけど、見事(みごと)に裏切られた。

 コータローの斜め後ろで、エカテリーナは興奮しているのか息遣(いきづか)いが激しい。

「なんだ?君達は僕の事を知っているのか?」

 鴉は首を(かし)げ、片方の眼をコータロー達に向ける。

「ああ。えっと、君がおしゃべり鴉で良いんだよな。」

 コータローは慎重にもう一度確認する。

「もしそうなら、なんだ?」

 鴉は足を縮めて身構(みがま)え、何かあればすぐに飛び立てる姿勢をとる。

「実は、お願いがあるんだ。俺じゃなくて、この子が…。」

 コータローは体を(はす)にして、彼に隠れていたエカテリーナを前に出す。彼女は、上目遣(うわめづか)いに鴉を見ているが、話し出せない。すがる(よう)にコータローを横目で見る。

「さあ、自分でお願いして。」

 お願い事は、自分で話した方が良い。コータローが説明できない(わけ)じゃないが、それじゃあ、誠意が伝わらない。第一、得体(えたい)の知れない男が頼むより、可憐(かれん)な少女のお願いの方が断然(だんぜん)受けが良いに違いない。

「あの…、私…こんなで。」

 すぐ隣にいるコータローでさえ、良く聞こえないくらいの小さな声だ。

「え?何だって?」

 硬い鴉の声が草原に鳴り響く。

「私、(しゃべ)るのが苦手で…」鴉に言われて、さっきよりほんの少し声を張る。「だから、鴉さんに助けてほしくて。」

「助けるぅ…?どうやって?」

 表情が変わらない鴉では、一体何を考えているのか見当がつかない。

「あの…、私と一緒に居て、私の代わりに喋って欲しいです。」

 やっとの思いでエカテリーナが口にする。

「はぁ?何だって?君の代わりに喋る?何を言っているのやら。」

「おい、もうちょっと、真面目(まじめ)に聞いてやれよ。」つい我慢(がまん)しきれずに口を(はさ)む。「この子は、話すのが苦手なんだ。それを何とかしたくて、お願いしているんじゃないか。」

「ふふん。どういう事だ、君の代わりに(しゃべ)るってのは。君の気持ちを代弁(だいべん)しろって事かい?」

 コータローの話は無視された。

「あの…、別に私の気持ちは良いですから、代わりに何か話してくれれば。」

「分からないなぁ。何故(なぜ)話す必要がある?」

「誰かと一緒にいると、こっちも話さないと会話が成り立たないじゃないですか。特に2人きりだと、私が話さなければ相手ばかりに話させてしまって、同意を求められても、上手(うま)く返事できなくて、気分悪くさせちゃうから…。」

 そうか、エカテリーナはいろんな経験をしたんだろう。

「ふーん。それなら、気にせず、思ったままに話せば良いだろう。」

 流石(さすが)鴉だ。心無い言葉を平気で()く。

「おい、それが出来(でき)るくらいならお願いしに来ないだろ。」

 コータローが彼女の代わりに抗論する。エカテリーナは、(ただ)(うつむ)いて身を固くしている。

「話さなければならないのが、そんなに苦痛なのか?」

 鴉はすっかり他人事(ひとごと)だ。まあ、そうだが。

「何だか陰気臭(いんきくさ)いって…、何考えているのか分からないって言われます。みんな段々、私に関わらなくなったり…、怒って罵声(ばせい)を浴びせてきたり…。」

 森の中での行き先決めで、コータローも思わずイライラしてしまったっけ。

「話せない私が悪いから…。」

 こんな時、どう言えば良いだろう。言葉ばかりの(なぐさ)めなんて意味をなさない。

「分かった、分かった。」鴉は湿っぽい空気を振り払う(よう)に、両の(つばさ)をばたつかせる。「さて、それで君は助かるとして、僕にはどんな得があるんだ?」

 その言葉に、コータローは鴉を(にら)み付ける。こころなしかすました顔の鴉に見える。

「ええと…、鴉さんはどんなものなら喜んでもらえますか?私に出来る事なら。」

 エカテリーナは顔を上げて、すがるような目で鴉を見る。鴉はいきなり大きな声でカアカアと2つ鳴く。間近(まぢか)で大きな鳴き声を上げられるとえらくうるさい。コータローは思わず、両手で耳を(ふさ)ぐ。

「僕が喜ぶものだって?君にそんなものが準備出来(でき)るのかい?あ、そうだな…。」黒い頭を(しき)りに動かして、エカテリーナの様子を観察している。「君は二度と自分で(しゃべ)らない事。良いかい?全て僕に任すのだ。それなら、君の代わりに僕が話してあげよう!」

「え?良いの?」

 エカテリーナの表情に希望の(きざ)しがさす。

 (はた)で見ているコータローにはなんだか分からないが、怪しい雰囲気しか感じられない。

「いやいや、ちょっと待って。そんな簡単に決めちゃ駄目だよ。」

 コータローの忠告なんか、少女も鴉も聞いちゃいない。

「君の名前はなんていうんだ?これから僕が君の代わりには喋るんだから、君の名前を知っておかないと困る。」

「私は…」

 (あわ)てて、コータローがエカテリーナの口を押える。

「待って、急ぐ必要は無い。」

 理由は分からない。でも、名前を教えてはいけない。取り返しのつかない事になると、コータローの(かん)が告げている。

「何だ、お前は!」鴉がコータローに(くちばし)を向けて、声を張り上げる。「さっきから邪魔(じゃま)ばかりして。お前には関係無いだろ。」

「いや、大ありだ。俺は、この子に『おしゃべり鴉』を見付けるように頼まれた。お前が偽物(にせもの)じゃなくて、本当の『おしゃべり鴉』だと確認出来(でき)るまでは、俺の仕事だ。」

「…偽物?」

 押さえていた手を放すと、思わずエカテリーナの口から言葉が()れる。

「失礼な!何を言うか!こんな素晴(すば)らしい発音が出来て、豊富な知識に(いろど)られた知的な会話ができる鴉が僕以外何処(どこ)にいると言うのだ!」

「ふん、そんな(ふう)に自分をひけらかす(やつ)ほど怪しい。まともな奴はもっと(おく)ゆかしいもんだ。」

「なにを!この娘が僕に頼むから、僕の能力を教えてやっているだけだ。(むし)ろ自分の能力を正確に把握(はあく)していると()められてしかるべきものだ。」

「本当だな?」

「何がだ。」

 コータローと鴉は(にら)み合う。

「本当に豊富な知識があって、多彩な会話ができるんだな。」

「はっ!お前にそれが分かるものか。」

「俺と話をしようじゃないか、それをこの子に見ていてもらって、お前の能力とやらをしっかり確認してもらえば良い。」

「そんな事をするだけ時間の無駄だ。」

「なんだ、怖いのか?」

「怖くなんかない。」

「じゃ、自信が無いんだ。あ、もしかして偽物なんだな。」

「偽物な(わけ)があるか!こんなに(しゃべ)る鴉が他にいるものか。」

「じゃあ、実際に俺と話してみて、この子に納得してもらおうじゃないか。」

「くだらない。お前に付き合う義理は無い。そんな事なら、この話はここまでだ。」

「やっぱり偽物だとバレるのが怖いんだな。」コータローはエカテリーナを見る。「この鴉は偽物だ。残念だったね。」

「偽物じゃない!」

 鴉が枝から飛び立ち、コータローに(おそ)い掛かる。

「やめろ、暴力でうやむやにしようと言うのか!話すのが得意なら、それで俺を黙らせてみろ!」

 鴉は一頻(ひとしき)りコータローの頭に(くちばし)の攻撃を加えてから、さっきの枝に戻る。

「そんなに言うなら、相手になってやろう。だが、僕がちゃんと話せたら、本物だと認めろよ。」

「ジャッジを下すのはこの子だ。ズルは出来(でき)ないさ。」

「ふん。」

 鴉は余裕を見せるつもりか、ぐるりと(くちばし)()(えが)いて見せる。

「まず最初に教えてくれ。何故(なぜ)、お前に喋るのを任せたら、この子は一言も話しちゃいけないんだ?」

「この娘は、話すのが苦手なんだろ?だったら。僕に(すべ)て任せれば(わずら)わしい事を考えなくて済むじゃないか。」

「それは、お前に任せればそうだが、何も(まった)く話しちゃいけない様にする必要は無いだろ。話したいと感じた時は自由に話せた方がもっと良い(はず)だ。」

「もし、僕の話とこの娘の話が食い違ってしまったら困るじゃないか。そんな事も分からないのか。」

「食い違う?そんな事があるのか。(たと)えばどういう場合?」

「どういうだって?ん~、例えばだな…。そう、池に落とした(おの)は、金の斧か、銀の斧か、鉄の斧かと()かれたとする。僕とこの娘の答えが違ったら、元も子もないじゃないか。」

「なるほど。(ちな)みにお前なら、なんて答えるんだ?」

勿論(もちろん)、鉄の斧さ!」

「欲が無いんだな。」

「馬鹿だなお前は、この昔話を知らないのか。この時に鉄の(おの)だと答えれば、正直者だと()められて、金の斧も銀の斧も(もら)えるのさ。この娘が考えも無しに、金だ、銀だと口走(くちばし)ってしまったら、折角(せっかく)の計略が無駄になってしまうだろ。」

 鴉は(くちばし)を大きく上下に振って、得意気(とくいげ)だ。

「そうか?俺は、そんな理由で鉄の斧だと答えるくらいなら、この子の好きなように言わせてやれば良いと思う。もしそれで、金の斧だと言うならば、その方が余程(よほど)正直だと思うけどな。」

「大馬鹿者。自分の欲望のままに、何も考えもせずに発言してどうする。」

「良いじゃないか別に。金と銀の斧が(もら)えないだけだ。」

「僕がついていながら、そんな失態(しったい)は駄目だ。この娘の(ため)に僕はいるのだから。」

「それ、本当にこの子の為かい?」

「そうだとも!」

 コータローはちらりとエカテリーナの様子を見る。彼女はコータローと鴉のやり取りを()()るように見ている。

「じゃあ、次だ。随分(ずいぶん)物知りみたいだから、なぞなぞだ。『あしたには4本足、ひるには2本足、ゆうべには3本足。』これは何だ?」

 (しばら)く鴉は頭を振っていたが、やおら(しゃべ)り始める。

「4本足だか、2本足だか分からない(やつ)がいる。何だか分かるか?」

「おい、こっちがなぞなぞだと…」

「答えは、蝙蝠(こうもり)だ。あいつら、僕達と同じ(よう)に空を飛ぶから、あれは(つばさ)だと思ったら(だま)されるぞ。あの翼みたいなやつには手がついているんだ、手が。良いか、あいつらは、夕方になると、どこからか飛び出してきて、夜目(よめ)で飛べなくなった鳥の代わりに大空を()物顔(ものがお)で飛び回る。」

「なんの話だ。それより…」

「それで、あのヘニャヘニャな翼に付いている手で木の枝に(つか)まったり、獲物(えもの)を捕らえる事だってあるらしい。全く鳥の(よう)に見せておきながら、とんでもない。あいつらは、空気抵抗に(すぐ)れた僕達の美しい姿に(あこが)れて真似(まね)した(みにく)偽物(にせもの)だ。飛ぶ事に対して中途半端(ちゅうとはんぱ)だからいけない。僕達鳥の翼は純粋に飛ぶための物だ。飛んでいる姿だって美しいだろ。どうだい!」

 鴉は両の翼を広げて見せる。

「…ああ、黒々とした良い翼だ。」

 コータローはエカテリーナの反応を(ぬす)み見る。彼女は、変わらずコータローと鴉の会話に集中している。

「なぞなぞはお気に()さない(よう)だから、別の話をしよう。さっき、お前が森の上を飛んで、この草原に出て来た時に、何やら独り言を言っていた様だったけど、あれは何だったんだ?」

「ああ、それかい?…全く、大損してしまったからね。」

「なんだそれ?良かったら教えてくれないか。」

「こんな話が聞きたいのか。昨日、この草原で(ねずみ)を捕まえたのさ。たまたま、空を飛んでいたら、鼠が走るのを見付けたから、(とんび)の様に上空から一気に舞い降りて仕留(しと)めたのさ。」

「それなら良かったじゃないか。」

生憎(あいにく)、その時は腹一杯にメジロの卵を食べた直後だったからね。もう腹には入らない。仕方(しかた)ないから、森の木の上に隠しておいたんだが…、今日行ってみたら、何者かに横取りされて、跡形(あとかた)も無いじゃないか。全く、少し無理してでも昨日食べてしまっておけば良かった。」

「それは残念だ。それでしょうがないから、また探しに草原に出て来たって(わけ)か。」

「しょうがない?そんな言葉ですまされちゃ(たま)らない。お前達人間は、対価さえ払えばいつでも食い物にありつけるから良いが、僕達は、いくら探しても食い物が見つからない事だってあるんだ。食える時に食わなきゃ、死活問題なんだよ!」

「じゃあ、もし、昨日秘密の場所に隠した獲物(えもの)を取りに行く途中で、森の中で道に迷った少女を見付けたら、お前はどうする?」

「決まっているだろ、そりゃ獲物を取りに向かう。さっきの話を聞いていなかったのか?僕達にとって、食えるかどうかは生きるか死ぬかなんだ。」

 エカテリーナの様子を(うかが)う。彼女に変化は見えない。

「そうだった、すまんすまん。じゃ、隠した獲物をちゃんと食べた後なら、道に迷った少女を助けに行くかい。」

勿論(もちろん)!森の上からそんな子を見掛ければ、降りて行ってやるさ。」

 エカテリーナから(かす)かに声が()れる。その瞳には鴉しか見えていない。

「ちょ、ちょっと待て。少女を助けても、お前には何も得は無いぞ。(かしこ)いお前がそれを計算しないのか?」

「何でも、損得じゃないだろ。困っている者がいれば、助けるのは当たり前だ。」

 エカテリーナの表情が変わる。光が差したように明るい表情に変わり、(うれ)しそうに目を輝かせる。それを見てコータローは(うつむ)く。

「そうか、そうだな。お前は『おしゃべり鴉』だから、そんな困っている少女が居れば、森から出られるまで、話し相手になってやるんだろ。」

「それはやり過ぎだ。帰り道を教えてやればそれで良い。」

 事も無げに鴉は即答する。

「え?なんで?」

「道に迷ったのは、その子の責任だ。大体、良く分からない森に一人で入ってくるのがいけない。ちゃんと道を教えてやれば、後は自己責任というのが当然だろ。」

「でも、暗い森の中に一人じゃ心細いだろ?」

「そりゃ、道に迷う以前の問題だ。第一、森が怖いなら、一人で森に入ろうなんてしないだろ。それでも入って来たのなら、反省してもらわないと、また同じ事をする。」

「そんなのおしゃべり鴉さんじゃない!」

 急に横からエカテリーナが叫ぶ。それまでの彼女からは想像出来(でき)ない大きな声にコータローも鴉も思わず固まり、彼女を凝視(ぎょうし)する。

「何を言うか!僕が本当の『おしゃべり鴉』だ!」

 今度はエカテリーナに向けて鴉が声を上げる。

「そうじゃない。そんなの違う。」

「この男に(まど)わされたか!ちゃんとその目で僕の姿を見るが良い。」

「もっと、ちゃんとしてよ。もっと、良く考えてよ。」

「その言葉をそのまま返してやる。自分の姿を良く見るが良い。お前にこれだけ流暢(りゅうちょう)に言葉を(あやつ)る事ができるのか?どうして僕に代わりに話して欲しいと言ったのだ?ええ?」

「それは、そうだけど…。」

「あの…。」

 コータローは2人の言い合いに口を挟みかける。

「そうら、みろ!」鴉の大声が、コータローに入る(すき)を与えない。「自分の言いたい事が言えずにいつも損してばかりのくせに。私に任せておけば良い。言い負ける事などあり得ない。必ず相手を打ち負かしてやるから安心しろ。」

「私がして欲しいのはそんな事じゃない!私は…」

「僕に代わりに話して欲しいと言い出したのはお前じゃないか。それを違うなんて、何を言い出すんだ。全く年頃の娘は、コロコロ気持ちが変わるから扱いにくい。」

「そうじゃなくて…」

「ああ、もう良い。勝手にしろ。付き合い切れない。後悔しても知らないぞ。」

 鴉は言いたいだけ言い終わると、翼を広げ、両脚(りょうあし)で枝を()って空に飛び立つ。

「あ、待って!」

 エカテリーナが舞い上がる鴉を振り(あお)ぐ。バサバサと力強く翼を動かして、あっという間に鴉は上空へと昇り、半円を描いて方向を定めると、元来た森へと飛び去って行った。エカテリーナは鴉が消えた森の輪郭(りんかく)を見上げてぼんやりとしている。

御免(ごめん)、取り逃がしてしまった。」

 こんな事になるなら、強引にでも鴉の足を(つか)まえて、逃げられない(よう)(ひも)(つな)いでおけば良かった。

 コータローの言葉にエカテリーナは首を振る。

「怒らせちゃったのは私だから。」

「あのさ…」コータローは思い切って口にする。「こんな事言っても納得してもらえないかも知れないけど、カーチャは今のカーチャのままで良いんだと思う。上手(うま)く話せる事がいつも立派(りっぱ)な事じゃないだろ。さっきみたいに、本当に言いたい事だけ言えれば、それで良いんじゃないかな。」

(なぐさ)めてくれてありがとう。」

「いや…、慰めじゃないよ。大切なのは、しっかり自分を持っている事じゃないか。(いく)上手(うま)く相手に合わせられても、周りに流されてしまったんじゃ…」


「ちょっと、男子、ちゃんとやってよ。間に合わなくなっちゃうでしょ!」


 また、フラッシュバックだ。


 石川さんの珍しく怒った顔。彼女の視線は自分に向いていない。体育祭の準備をサボってふざける男子全員に向かっている。なのに、この罪悪感(ざいあくかん)はなんだ?なぜ、こんなに自己嫌悪(じこけんお)を感じるんだ?

 あの時、俺は、体育祭の準備を進めなきゃならないと分かっていた。開催は明日だ。準備の時間は数えられるくらいしか残っていない。だから、途中までは自分の担当をしっかり進めていたじゃないか。なのに、同級生の仲間から(はず)れて、一人準備を真面目(まじめ)に進めていたら、ハブられるのが怖くて、なに真面目ぶっているんだといじられるのが嫌で、つい仲間になってふざけてしまっていたんだ。


「コータロー、どうしたの?」

 気付けば、エカテリーナが心配そうにコータローを(のぞ)き込んでいる。

「あ、いや、何でも無い。」

「そう、なら良いけど。」

「さっきの発言、途中(とちゅう)になっちゃって御免(ごめん)。俺も同じだって気付いちゃって、偉そうな事言えないなって。()(かく)、言いたかったのは、カーチャは自分の意見を持っているじゃないか。さっきだって、鴉に自分の思いをぶつけられただろ。」

「でも、言いたかった事を上手(うま)く言えなかった。もう『おしゃべり鴉』さん(もど)って来ないよね、どうしよう…。」

「そうか、何でも自分の思い通りになれば、こんな苦労しないね。どうやってカーチャの願いを(かな)えようか…。」

 項垂(うなだ)れるエカテリーナを見ながら、コータローは考えた。迷いに迷い、何度も言い掛けてやめた挙句(あげく)にコータローは口を開く。

「『おしゃべり鴉』は行っちゃったから、代わりの者でも良いかな?」

「?」

「あの鴉ほど(しゃべ)りは上手(じょうず)じゃないし、口が上手(うま)いって言うより、口が悪いって感じだけど。」

 コータローはエカテリーナの返事を待たずに、その場にしゃがみ込んで、目を閉じる。

 おい、出て来いよ。

「またか。さっき最後だって言ったろ。」

 目を開けると、目の前でチビモンスターがコータローを見上げている。

「あ、さっきの。」

 エカテリーナがチビモンスターを見て微笑(ほほえ)む。一言も()わしていない上に、こんな不細工(ぶさいく)なキャラだけど、小さければ女の子には愛されるのだろうか。

人遣(ひとづか)いが荒い。いい加減にしろ。」

 不満気(ふまんげ)に言うが、表情が変わらないモンスターは、怒っているのか、単に愚痴(ぐち)っているのか区別できない。

「ま、固い事言うな。」

「お前のミッションは解決したのか?」

「ん~、解決じゃないが、ま、何となく、心がけくらいならできた。」

「ふん。それでも何も考えないよりましか。」

「だから、後はエカテリーナの頼みを解決しなきゃ。悪いが、犠牲になってくれ。」

 コータローは言うなり、手刀(てがたな)をチビモンスターの頭から振り降ろす。悶絶(もんぜつ)とも叫び声ともつかない声を上げてチビモンスターが(つぶ)れて2つの白い(かたまり)に分かれたとみる間に、夫々(それぞれ)が形を()し、更に小さなマイクロモンスター2つに生まれ変わる。どちらも15センチくらいの大きさだ。双子(ふたご)(よう)にコータローを見上げている。

「おい、暴力反対。」

「俺の脇腹(わきばら)蹴飛(けと)ばして、(がけ)から1階層下に転げ落としたくせに何を言う。」

 マイクロモンスターの一つを手に取って、エカテリーナに差し出す。

「これ、『おしゃべり鴉』の代わりに使ってくれ。」

 エカテリーナは、両手を出して、マイクロモンスターを受け止める。

(もら)ってしまって良いの?」

「ああ、俺には、もう一匹(いっぴき)残っているから。」

「この子のお名前は?」

「コータローだ。」

 マイクロモンスターが自分で名乗る前に、コータローが答えてしまう。エカテリーナの(てのひら)の上でコータローを振り返る。

「おい、勝手に言うな。」

 小さくなって、更に声のトーンがオクターブ上がった。腹話術(ふくわじゅつ)の人形の声のようだ。

「同じ名前?」

 エカテリーナはモンスターと人間のコータローを交互に見て不思議そうだ。

「ああ、俺の分身だから。」

「ふーん。」

 感心もしていないし、感動もしていない返事。

「俺、偉そうな事が言える立場じゃないけど、こう思うんだ。何も言えないのは(つら)いけど、かと言って、何でも言ってしまうと、それもきっと辛いんだ。俺にも正解は分からない。」

 エカテリーナは、(てのひら)の上にマイクロモンスターを乗せたまま、コータローの顔を見つめている。

「たぶん、俺もカーチャも、自分をしっかり持つ努力をしなきゃ。どうすればできるかは分からないけど…。だから、お互い少しずつ試行錯誤(しこうさくご)しよう。困ったら、こいつと相談して。」エカテリーナの掌の上のマイクロモンスターの頭を(たた)く。「おい、お前は(そば)に居て、カーチャにアドバイスするんだぞ。」

「お前の身代わりか。」

「身代わりじゃない。俺自身なんだから。」

「そう。…じゃ、コータローに相談する。」あんまり(うれ)しそうじゃない。「手伝ってくれて、ありがとう。」

 ちょっと、期待した感じと違うけど、それでも、エカテリーナは小さい声でそう言った。


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