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王都モウデール

村を出てから街道をひたすら歩いて王都へ突き進む、道中何事もなく三時間くらい経った頃、遠くに小さな駅舎が見えてくる。

中に入ると何人か椅子に座っている、

王都モウデール行きの馬車が定期的に出ていて、時刻表を見ると次に来るのは昼、太陽の高さからしてそろそろだろう。

ボクも椅子に座り、リュックから水筒を取り出して水を少し飲む、結構歩いたのです~っと入っていく。

水筒をリュックに戻して暫くすると外から制服を着た若い男の人が入ってくる、馬車が来たらしい。

その人に促され皆外に出て馬車に乗り込んでいく。

ボクも席を立ち銅貨一枚を払い馬車に乗る、結構大きな馬車で、八人くらいでもゆったり座れるくらいには広い。

馬も二頭繋がれていてこの人数でも何ともなさそうだ。

全員乗ったのを確認すると馬車が出発した、コトコトと揺られながら進んでいく。

座席にはクッションが敷かれていてお尻が痛くなることはなく、実に快適。

普通は馬車にクッションなんて敷かれていていないのだけど、王都管轄のおかげで快適な仕様になっている、実にありがたい。

途中で街道脇に建てられている売店に寄ったり休憩所で一休みしながら早数時間、日も傾き始め徐々に空がオレンジ色に染まり始めた頃、大きな城壁が見えてくる。


王都モウデール、どうやら目的地に着いたようだ。


凄く大きな城門を潜り抜け、関所前で馬車が止まる。

扉が開かれると皆下りて関所に居る兵隊さんに渡された紙に何か書いてお金を渡すとカードを貰って街に入っていく。

ボクも真似て兵隊さんの前に行く。


「ようこそ王都モウデールへ!こちらにお名前と出身地をご記入の上、通行手形をお受け取り下さい、金額は銅貨三枚です」


言われた通りに記入して銅貨を払い通行手形を受け取る。


「紛失されますと再発行に多少の時間と手数料を頂くことになりますのでご注意下さい。

紐穴がありますので紐などを通して首から下げておくことをお勧めします」


言われて見ると端に穴が空いている、手形も金属製なので破れたりもしなそうだ、後で丈夫な紐を買っておこう。


手続きを済ませ街に入る。

夕方のせいか道沿いの商店や屋台に人が集まっている。

にしても流石王都、凄い大きさと人の数、そして多種多様な人種。

人間が大半を占めてはいるがエルフやドワーフ、

リザードマンにコボルト、ハーフリング、フェアリー、魔族に天使族も居る。

探せばサキュバスも居るかもしれない。


さて、まずは宿探しからだ。

とはいえ宿屋は何処に...と、道の隅っこに街の地図が貼られている看板があった。

近寄って見ると、外壁沿いに商店等があり、内壁沿いは住居、中心部には王城。

宿屋は...あった、外壁四方にそれぞれ何件かある、ここは東だから...すぐ近くにあるようだ。


地図を頼りに周囲を探すと見つかった。


宿屋「踊る蛇腹亭」


三階建てのちょっと大きめの宿屋だ。

丸い看板が付いたドアを開けて中に入る、正面のカウンターには若い女性が一人立っている。


「いらっしゃいませ~、お一人ですか?」


ボクを確認すると元気な声で話してくる。


「はい、取り敢えず数日泊まりたいんですけど」


カウンターの前まで行きボクは彼女に伝える。

よく見ると彼女の下半身は巨大な蛇だった、ラミアというやつだ、長い下半身はとぐろを巻いている。


「はい承ります、一日銅貨五枚、長期間でしたら割引で一日銅貨三枚となっておりますが如何致しますか?尚、お食事は別料金となりまして、階下にある酒場で都度お支払でお願いします。

外の飲食店でお召し上がりになることも出来ますのでお客様のご自由になされて下さい」


ふむふむ成る程...一旦数日停まって問題無さそうなら長期滞在しようかな、外れ引いてもそれならいいよね。


「じゃあまずは三日間、それから先はまた相談ということで」


そう言うと彼女は頷き。


「畏まりました、ではこちらが部屋の鍵で御座います。部屋は三階突き当たりです。

お代金は毎朝こちらでお支払い下さいますようお願い致します。

それではどうぞごゆっくり」


鍵を受け取ると彼女はボクにお辞儀をする。

軽く手を振るとボクは自分の部屋に向かい荷物をテーブルに置いてベッドに腰掛けた。


「ふ~、さて明日は冒険者組合に行って来なきゃ。明日から忙しくなるぞ~」


この後ボクは地下の酒場で食事を済ませ部屋のお風呂で身体を洗い、ふかふかのベッドで眠りについた。


酒場の料理は中々に美味しかった、また食べよう。

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