ポヨポヨフィーバー
ぽつぽつと現れるポヨポヨ種達を倒し進んでいると先の方でまた道が三つに別れている、さて今度はどっちに進もうか。
「また分かれ道だね」
「ふ~む、では今回も...ん?何じゃ?」
なんか揺れてるような...
断続的にそして短い揺れが段々と大きくなってくる。
「なンカ向こうカラ来てナイ?」
言われて前方を見ると真ん中の道から何かが跳ねてゆっくりとこちらに向かって来る、近づく度に揺れも大きくなっている。
「...ポヨポヨか...?にしてはでか...いやでか過ぎるわい!!」
それはポヨポヨだった、色も空色、...但し物凄く大きい。
木々より遥かに大きいそれはズシンズシンと大地を揺らしながらゆっくりと、しかし確実にこっちに迫ってくる。
「あれポヨポヨなの!?20Mくらいない!?」
「あやつがポヨポヨジャイアントか、名前の通りバカでかいのぅ...じゃがかなり遅い、下がりながら攻撃するぞぃ!!」
フーワが背中のハンマー二本を構え、ライムとボクも戦闘体制に入る。
と、目前にまで来たジャイアントがプルプルと震える、するとジャイアントの前に魔法陣が複数出現し、色とりどりのポヨポヨ達が沢山現れた。
「な、何ぃ!!?こやつ仲間まで呼ぶじゃと!!?でかいだけでは無かったか、情報不足じゃ!!」
フーワが驚愕して叫ぶ、どうやら詳しくは知らなかったようだ。
「こりゃ不味い、他の連中が炎やら酸やら飛ばしてくるな...仕方ない、ワシがホールで出てくるのを落とすからペタンとライムはジャイアントを攻撃してくれ!!」
「分かった!!」
「任せテ」
ボク達は後ろに下がりながら攻撃を開始した。
先に寄ってくる取り巻きをフーワか次々とホールで開いた穴に落とし、ボクはファイヤー、ライムはナイフでジャイアントを攻撃する。
ファイヤーが着弾するもボヒュッと音がして消えてしまい、ナイフで切り刻んでも破片が散るだけで効いてる様には見えない。
「これ攻撃通用してるのかな...足止めにもなってないみたいだし...」
「続けるんじゃ、こんだけでかかろうがそのうち倒せる!!」
そうだよね、頑張ろう。
下がりながら攻撃をしていると呼び出されたポヨポヨ達もどんどん減ってきている、これで少し楽になるかと想っていると、ジャイアントがプルプルと震える、え、まさか!?
ジャイアントの周囲に再び魔法陣が現れ、大量のポヨポヨ達が出現する。
「またじゃとぉ!?きりがないわ!!くそ、ペタン魔力ポーションをくれ!!」
魔力がだいぶ減ってきていたので一本リュックから出していたけど、言われてもう一本を出すとフーワに投げ渡す。
「はい、魔力ポーション!!」
「すまんな!!」
フーワは魔力ポーションを受け取ると蓋を開け一気に飲み干し空の容器を投げ捨てる。
ボクも飲むと容器をリュックにしまう、あの容器は後で回収しとこう、買い取って貰えるから。
「しかしどんだけ召喚するんじゃあやつは、厄介極まりないわ!!」
あれから召喚も既に六回目、いい加減うんざりしてきた、早くジャイアントを倒したい。
「なんか小サクなってナイ?」
唐突にライムがぽつりと呟く、言われて見れば生えてる木と大きさが同じになっている。
「戦闘に夢中で気が付かなかったが確かに縮んでおるな、よし、もう一頑張りじゃ!!」
ボクはファイヤーを絶え間なく撃ち込み続けライムも攻撃を怯めず切り刻む速度を上げる。
フーワもホールでポヨポヨの群れを落とし、抜けてきた奴をハンマーで吹き飛ばした。
それから30分くらい経っただろうか、目に見えて小さくなったジャイアントは3Mくらいにまで縮んでいて、ポヨポヨ達の召喚もしなくなった。
「よし、そろそろじゃ、止めを刺すぞい!!」
フーワがジャイアントをハンマーで殴り付けライムはナイフで微塵切りにしていく、ボクもファイヤーをどんどん撃ち込む、そして...
「お...終ったあぁぁ...」
フーワが渾身の一撃をジャイアントに叩き込むとそれは粉々に砕け散ったのだった。
は~...もうへとへとだよ...
「やっとか...かなりギリギリじゃったな...後を見てみい」
言われて振り替えるとそこには魔法陣と階段があった、だいぶ追い詰められていたらしい、此処まで後退してたのか。
「入口まで戻されてたんだね」
「これ以上は下がれんからな、危なかったわい」
「ヤバかっタ~」
う~ん、段々きつくなってきてる、今のままだと不味いよね...新しい攻撃魔法覚えないと駄目かなこれは。
「少し休んでから行くとするか、ペタン、ポーションはまだ足りてるかの?」
「うん、まだ大丈夫だよ」
「よし、そろそろ腹も減ったし食事を済ませてからにするかのぅ」
「お腹ぺこペコ~」
ボク達は休憩も兼ねて御飯にすることにした、あ~疲れた~、美味しい物食べて元気を取り戻そう。




