八層目
日は真上まで昇り今は昼時、街の通りは人が沢山往き来して賑わっている。
酸や毒で汚れた服を着替え昼食も済ませ準備万端、酸による火傷も火傷を治すポーションを飲んで赤くなっていた箇所もバッチリだ。
「さて、それじゃあ行くかの、出来れば今日中に八層を攻略したいとこじゃが」
「今からだと夜までかかりそうだね」
「ごーゴー」
街の入口で集合していたボク達は迷宮に向かい、到着すると魔法陣に乗り八層に降り立った。
そこは木々がまばらに立ち並ぶ雑木林で、目の前にある土の道が三つに別れている。
「ふむ、いきなり分岐路か」
「どっちに行こうか」
「お任セ~」
暫し悩むとフーワが真ん中の道を指差す。
「よし、こっちに進むぞい」
道を暫く進んで行くと遠くの方で何かが跳ねているのが見えた、近寄って行くとそれはポヨポヨだった。あれ?ポヨポヨ?
「ポヨポヨって迷宮の何処でも出てくるの?」
「流石に八層なんかにはおらんと思うが...いや待てよ?もしや此処が?」
少し考えていたフーワが何か思い出したように顔を上げる。
「そうか、この層はポヨポヨ種だけが生息する場所か、前に聞いたことがあるぞい」
成る程、だからポヨポヨが居るのか。
ん?ポヨポヨ種?それってつまり...
「てことはラーヴァやフロストとかも?」
「うむ、上に居たアシッドやポイズン、他にまだ見てないのも居るらしいのぅ」
「面倒くサソ~」
混ざって出てきたら確かに面倒だなぁ...
「まあ今後は更に面倒な構成の群れにも遭遇するじゃろ、これも修行じゃ。んじゃあのポヨポヨはさっさと倒すぞい」
跳ねていたポヨポヨがこっちに向かって来た、どうやらこちらに気が付いたようだ。
所詮はポヨポヨそれも一匹だけ、小さな子供でも倒せる相手だ、ボクはファイヤーをそれに放ちあっさり倒した。
「まあ楽勝じゃの、先に進むかの」
ポヨポヨが落とした核と魔導塊をフーワが拾い上げ道を進もうとしたそのときだった。
目の前に魔法陣が現れ光ると中から何かが一匹現れた。
それはポヨポヨのようだが金色で、見たことのない種類だった。
「あれ何だろ」
「金ピか~」
「...あ、あれは...あれはまさか!?」
フーワが金色のポヨポヨを見てなんか驚愕してる、どうしたんだろ。
「あれって何かあるの?」
聞くとフーワは身体をワナワナと震わせ興奮した声で。
「あれはポヨポヨゴールデン、高額なアイテムを落とすレア魔物じゃ!!滅多に会えん、逃がすな、絶対に倒すぞ!!」
目が血走っていてちょっと怖い、そんなにレアなのか、んじゃ早速...と思ったそのときだった。
ポヨポヨゴールデンが一跳ねすると物凄いスピードで一目散に逃げていった、あまりの速さにあっけに取られる、何あれ全速力の馬より早くない...?
「あー!!!??」
「逃げてッタネ、馬よりズット早~イ」
フーワが頭を抱えて叫びライムは逃げていったゴールデンを見送っていた。
「ぐぬぬ...一攫千金のチャンスが...」
フーワが膝から崩れ地面をダンダンと叩いている。
「あれって何落とすの?」
「色々落とすんじゃが一番は金塊じゃ、それだけで白金貨数枚になる」
こちらを見上げながらフーワが答えた。
「白金貨数枚!!?」
そんなにするの!?白金貨一枚でも働かなくても生活出来るのに!!
「勿体なかったね...」
「むぅ...まあ逃げてしまったものは仕方ない、先に進むか...ぐぬぬ」
フーワがゆっくりと立ち上がると歩き始めた、まだ悔しそうな顔をしている。
次にまた出てきたら全力で倒すことにしようかな、ボク達はゴールデンが逃げていった方へと進んで行った。




