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酸と毒の雨あられ

死ぬ程苦い解毒ポーションを飲み終えてボク達は道を歩み始める、にしてもあちこちある酸の池から漂ってくる酸っぱい匂いが鼻に付く、割と不快なんだよねこれ、我慢出来ない訳じゃないんだけど。


「空気悪いしさっさと抜けちゃいたいね」


「そうじゃなぁ、この匂いはちとのぅ」


「口の中マデ酸っパイよ」


息を止める訳にもいかないので我慢して、早く通過してしまおうと足早に歩く。

と、何時もの如く前からポヨポヨらしき物が跳ねてこちらにやって来た。


酸の池みたいに深緑色のが5匹、紫色が7匹、結構多いな。


「深緑がアシッド、紫がポイズンじゃ、酸耐性で腐食はせんから特に気を付けるのはポイズン、あまり毒を食らうでないぞ!!」


そう言いながらポヨポヨポイズンに向かって突っ込んでいく、最初にポイズンを倒した方がいいかな、ボクは杖を構え後ろにいるポイズン目掛けてファイヤーを撃ち出す。

ライムもそれに続き腕を伸ばして別のポイズンを串刺しにしていく。


一匹ずつ倒し残りはアシッド5、ポイズン4。

残りのポイズンを倒すため再度杖を構えるとアシッドが3匹こちらに向かってきて深緑色の液体を吹き出してきた、酸か、腐食はしないけど浴びると火傷するのでボクは後ろに飛び退いて酸を避ける。

飛んで来た酸は地面に飛び散り地面を深緑色に染めていく。


ポヨポヨは直線的にしか攻撃して来ないから避けるのは容易い、更に飛ばしてきた酸も躱し立て続けにファイヤーを放ちこちらに来た3匹は全て蒸発した。


フーワとライムもポイズンの片付けが終わったようで、残っていたアシッドを始末していた、これで全部か少し数が多かったけど何とかなったね。


「二人とも大丈夫だった?」


落ちている魔導塊を拾い上げている二人に駆け寄る。


「ちと毒がかかったが平気じゃ」


「アタシも腕に浴ビタけどだいジョブ」


特に問題は無いみたいだ、解毒ポーションのおかげだね。


「それじゃ先に進むかのう」


魔導塊の回収も終わりまた道を進んで行く。

それから何度か同じくらいの数でアシッドとポイズンが来たけど苦もなく片付けて行った。


それから一時間くらい経っただろうか、降りる階段と魔法陣が前方に見えてきた。

ちなみにここの匂いのせいで食事をとっていない、降りて様子見たら街に戻って何が食べたいなぁ、かなりお腹が減ってきたよ。


はやる気持ちで駆け足気味に階段へと向かった、そのときだった。


目の前と後ろで唐突に魔法陣が出現して光輝くと中から何かが大量に現れた。


アシッドとポイズンだ、それぞれ20匹、計40匹が前と後ろの道を塞いだ。


「む、不味いぞ挟み撃ちか!!」


「沢山イル~」


「わわわ、どうしよ!!」


ボク達が戸惑っているとそれは一斉に酸と毒を吐き出してきた。


「どわっ!??くそっ、避けきれんぞこれは!!」


「あちちちっ!!!」


「よっ、ホッと」


次々と雨の様に飛んでくる酸と毒を躱すも全ては避け切れずにある程度浴びてしまい、当たった酸が肌を焼きそこが赤くなる、流石にこれは不味いよ。


「ええい鬱陶しい!!ホール!!」


フーワが手を前と後ろの地面に向けるとアシッドとポイズンの周囲に穴が開きそこに次々と落ちていった。


「は~...これで飛んでこんし出ても来れまい、ペタン燃やしてしまえ」


「う、うん分かった、ファイヤー!!」


言われてボクは前後の穴目掛けてファイヤーを放った、穴の中でファイヤーは燃え広がりアシッドとポイズンは焼かれジュージューと音を立てながら蒸発していった。


「やれやれ酸と毒で服がかなり濡れたのぅ、こりゃ一旦出直しじゃな、放っておいたら染み付いてしまうわぃ」


「賛成~ボクも結構浴びちゃった」


「全身ヒリヒリすル~」


酸による火傷も治したい、回復ポーション飲んだんだけど火傷はあまり治らなかった、火傷治すポーションも今後必要になりそうだ。


また現れても面倒なので急いで帰還魔法陣に乗りボク達は街へと戻ったのだった、お腹もだいぶ減ったしご飯も食べたいな。

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