ぐいっと1本
冒険者組合を出て次は装備と解毒ポーションの準備、何処で調達しようかなと思ったけど、あそこでいいよね。
「装備と解毒ポーションはミーノスさんの所でいいよね?」
「そうじゃな」
「店開いテるカナ」
決定したのでボク達はミーノスの錬金工房へ歩き出す、通りは人も増えてきて露天が開き買い物をしている光景があちこちで見られる。
そんな賑やかになり始めた通りを進むこと暫く、ミーノスの錬金工房にたどり着いた。
扉にかけてある札が営業中になっている、どうやらもう開いているらしい、中に入ろうと近づいたそのとき、扉が開らいた。
「また宜しくでござる~」
中から一人の女の子が出てきた、
「おっと、これは失礼」
「いえいえこちらこそ」
軽く会釈をして女の子は店を出て行った、変わった服だったな東の国の子かな、歳も近そう。
女の子と入れ替わりに店に入るとカウンターでミーノスさんが小型の金庫にお金を入れていた。
「あらいらっしゃい~今日のご用は何かしら~」
こちらに気づいて声をかけてくる。
「武器に酸耐性を付けて欲しいのと、解毒のポーションが欲しくて」
カウンター前まて行き説明をする。
「酸耐性と解毒ポーションね~、酸耐性はどれに付ける~?」
「ワシはこれに」
「アタシはコレデ」
フーワとライムがそれぞれ武器をカウンターに置く。
「ハンマー二本とナイフ三本ね~ではこちらは銀貨5枚で~、解毒ポーションは幾ついるかしら~、一本銅貨10枚よ~」
「ふむそうじゃな...30本貰おうかの」
フーワが髭に右手を当て少し考え答える。
「は~い30本ね~じゃあ解毒ポーションは銀貨3枚、全部で銀貨8枚ね~」
ボク達はそれぞれお金を取り出しカウンターに置いた、解毒ポーションは人数で割って一人銀貨1枚、武器はフーワが2枚ライムが3枚だ。
「はい確かに~じゃあ武器に酸耐性付けてくるから少し待っててね~解毒ポーションはその後用意するわ~」
小型金庫にお金を入れ、ハンマーとナイフを手に取るとミーノスさんは奥の工房に入って行った。
それから10分くらいして戻ってカウンターに武器を置くと、今度は後ろにある棚から解毒ポーションを取り出してまた置いていく。
「お待たせ~酸耐性を付与した武器と解毒ポーションよ~」
置かれた武器を手に取り眺めるフーワとライム。
「お~、何か新品みたいになっておるの~」
「ぴっかピカ~」
「ついでだから少し磨いておいたわ~サービスだから気にしないで~」
ミーノスさんほんと良い人だな~
解毒ポーションはボクがリュックにしまっていく。
「解毒ポーションは飲んで一時間くらい効果があるんだけど~、毒を浴びれば浴びるだけ効果時間が減るから気を付けてね~、毒が強ければ強いほど減るわよ~」
成る程なら出来るだけ避けないとね、
解毒ポーションを全部しまいリュックを背負う。
「これでよし、それじゃ行ってきま~す」
「気を付けてね~」
店を出るボク達に手を振りミーノスさんが送り出す。
これでポヨポヨアシッドとポヨポヨポイズンの対策は出来た、早速向かおうとしよう。
七層に来たボク達は早速解毒ポーションを呑むことにした、リュックから解毒ポーションを3本取り出して1本ずつ渡す。
中には緑色の液体が入っている、蓋を開けるとミントの香りが漏れてくる。
「では飲むとするかの、あ、ちなみに結構苦いから一気に飲んだほうがええぞ」
そう言うとフーワは中身をぐいっと一気に飲み干した。
「...か~っ!!効くのぅ~!!」
フーワが地団駄を踏んで叫んだ、飲むの怖いんだけど...
とはいえ飲まない訳にもいかないので覚悟を決めてボクも一気に飲み干した。
「...!!?」
に、にっが~~~っっ!!!
あまりの苦さに声が出ない、どんだけ苦いというとピーマンをとことん濃縮した感じ、しかも飲み干したのにまだ苦さが口の中に残り続けている。
思わずリュックからポヨポヨの核を2、3個取り出して口に放り入れた。
「...なにこれ...苦いってもんじゃないんだけど...」
「だから言ったじゃろ、結構苦いって」
「限度ってもんがあるでしょ...」
ポヨポヨの核は結構甘いんだけどまだ苦さが残っている。
「まず~イ、もう一杯」
ライムも飲み終えたようだけど何かあまり苦そうにしてないな。
「ライム平気なの?」
「苦いけドそこマデじゃナイかな」
凄いな...空瓶を受け取りながら感心する。
出来るならもう飲みたくないけどそうもいかないしならば飲む回数を減らす為に全力で毒は避けよう、そう決意したボクであった。




