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無理~!!

道中を蝉やポヨポヨ、ラージトードを蹴散らしながら二層目を突き進んで行く。

二層目に入ってからというもの、妙に魔物が集団で居ることが多くなってきた、蝉が三匹のときはかなり苦戦を強いられた。


「ふ~、中々ハードになってきたなぁ...」


地面に座って休憩しながら水筒の水を飲んで一息つく、今のところあれから挟み撃ちにはなっていないものの、何時またそうなるか分かったものではない。


「う~ん、一人じゃ厳しいのかな~...」


そんなことを漏らしながら立ち上がり先を進んでいく。


「...ん?おやあれは...」


何度目かの分かれ道を歩いていると、宝箱が置いてあるのを見つけた。

周囲に魔物は居ない、安全を確認して宝箱に罠がないか叩いてみたそのとき。


―――ブシュウウウウウッ


唐突に宝箱から白い煙が勢い良く吹き出して辺りを真っ白に包み込んだ。


「うぇ!!?げほっ、げほっ!!!」


煙に視界を奪われてむせる、暫くして煙は止まると四散していった。


「う~...酷い目にあった...毒ガスとかじゃなくて良かった...」


まさか叩いただけで罠が作動するとは思わなかった、今度から気を付けよう...

念のため、遠くから小石を投げつけてみたけど反応は無し、近寄って開けてみると中には銀貨が一枚入っていた。

銀貨一枚で銅貨百枚だ。


宝箱を後にしてそれから暫く、下層に降りる階段と魔法陣が見えてきた、やっと次の層らしい。

今日はまだ余裕がある、という訳でボクは下に降りて行った。


―――三層目。

そこは薄暗い洞窟の中、一層二層と違い遠くが暗くて良く見えない、魔物に気が付かずにうっかり近づいてしまうかもしれない、慎重に進むとしよう。

ちなみに、二層目同様に階段の横に魔法陣が有ったけど反応無しだった。


「ライト!!」


杖の先から産み出された明るい光が洞窟内を照らし出す、その光は暗い奥の方まで届き渡る。


初級の光魔法ライトは明るい光球を作り出す、術者に追従して動くので照明代わりになる。

効果は一時間くらい。


「さて、それでは行きますか」


ライトに照らされた洞窟を進み始める、中はやや肌寒く感じるが問題は無い、用心しながら進んでいく。


それから暫く歩いた頃、何やらキイキイと鳴き声が聞こえてくる。

目の前の曲がり角の先からのようだ、そ~ッと角から覗いてみると...


沢山の赤い光が此方を向いている、そしてライトがそこを照らしだすと...


それは蝙蝠だった、無数の蝙蝠が天井にびっしりと逆さに貼り付いていた。


「うわぁぁぁっ!!?」


思わずボクが叫ぶと喧しいくらいに蝙蝠が鳴き出しこちらに次々と飛んできた。


「わぁああぁぁぁ!!!」


ボクは悲鳴を上げながら来た道を走り戻る、その後ろを蝙蝠達が一斉に追いかけてくる。


「ふぁ、ファイヤー!!ファイヤー!!」


振り返りながらファイヤーを連発して叩き落とすも数が多すぎて焼石に水、黒い塊となって蝙蝠が押し寄せてくる。


「しょ、ショックボルト!!ショックボルト!!ショッ...ひぇぇぇぇ!!?」


更に魔法を連打してみたけどまるで効果無し、こうなったら逃げるしかない!!


ボクは全速力で逃げる、その後ろを同じくらいの速さで追いかけてくる蝙蝠達。


「ひいぃ~!!に、二層の階段、階段は!!?」


曲がり角までは真っ直ぐだったのでそろそろのはず...


「あ、あった!!うぉぉぉ~っっっ!!!」


力を振り絞って階段まで駆けるとそのまま二層まで駆け昇って行く、そして...


「着いた!!二層目!!!...うわっ!!?」


最後の段差で躓き盛大に転ぶ、ヤバい!!追い付かれる!?


そう思い後ろを振り返ると...あれ?


「...昇って来ない?」


転んで痛む膝を擦りながら階段の下を見ても蝙蝠達の姿は無い、鳴き声は下からするけど暫くするとそれも聞こえなくなった。


「...もしかして上に来れないのかな?」


...何にせよ助かった、ボクは地面にへたりこんで大きな溜め息を吐き出す。


「はぁ~...死ぬかと思った...でもどうしよう、このままじゃ先に進めないし...」


ボクは座りながら考え。


「...一旦帰るか~、どうしたら良いか誰かに聞いてみよう...」


いい考えも浮かばなかったので立ち上がり膝とお尻を手でパンパンと叩くと魔法陣に乗ってボクは街に戻ったのであった。

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