初めての迷宮
街を出てから組合のおじさんに言われた通りの方向へと暫く歩いていく、すると幾つかテントが建っておりその先には洞窟がある、ここが迷宮みたいだ。
テント前では色々な商品が並べてあり、冒険者らしき人達が購入していく。
そういや回復の薬とかも必要になるよね、というわけで幾つか薬を買ってリュックに入れる。
それから迷宮の入口に向かうと横に男の人が立っていて、ボクに話し掛けてきた。
「冒険者証を拝見します、ふむ貴女は迷宮は初めてのようですね。組合でも説明を受けていると思いますが、より詳細な説明をさせて頂きます、宜しいでしょうか」
「はい、お願いします」
ボクは頷いて説明を受ける。
「了解しました、ここの特徴を幾つか説明致します。
この迷宮、正式名称はオヌイヲグリフ大迷宮と申しますが、まず一つ目、一定周期で内部の魔物や宝箱等が生成されます。
何故そうなっているのかは未だに不明なのですが迷宮に漂う魔力のせいだと言われています。
二つ目、宝箱の場所や中身は不確定です、開けた宝箱は勿論のこと、まだ開けていない物も一定時間を過ぎますと消えて再生成されますので、見つけたら開けておくことをお勧めします。
が、罠が仕掛けられていることもございますのでお気をつけ下さい。
宝箱には武器等が入っていることもあるのですが、必要ない物が出ましたら街の武器屋で買い取りも行っておりますのでご利用下さい。
三つ目、下層に降りられる箇所には魔法陣が設置されており、これに乗ると地上へ帰還出来ます。
深く潜った際に戻るのは何かと大変ですのでこれをご使用下さい。
但し、階層によっては無い場所もあり、深層では顕著になってきますので帰還のルートは常に確認しておいて下さい。
四つ目、時折見慣れない魔物が店を開いていることがあります。彼らは友好的で商品を売ったり必要ない物を買い取ってくれます。
もし見かけたら利用してみると良いかもしれません。
最後に、組合でも説明されたと思いますが、下層に行けば行く程魔物は強くなり凶悪な罠も増えてきます。
無理は絶対にしないこと、危険だと思ったら必ず帰還すること。
これを守らず死んでいった冒険者は少なくありません、肝に命じておいて下さい」
「はい、分かりました!!」
その言葉にボクは深く頷いた、死んでしまっては何も意味は無い。
「長くなりましたが以上で説明は終わりです、それでは迷宮へお進み下さい、御武運をお祈りいたします」
案内の男の人はお辞儀をする、ボクも頭を下げると迷宮へと入って行った。
さあ、冒険の開始だ!!




